第6位:自動車・・・26票
null「自動車の購入および維持管理でお金を使いすぎた。自動車なしで十分生活できる地域だったので、あの数年が悔やまれる」(60歳男性/その他)
「管理職に昇格したとき、見栄を張って高級車を購入したが、仕事が忙しくあまり乗る機会がなかった」(77歳男性/その他)
「1番後悔をしているのは外車の購入。日本では左ハンドルの車は運転しづらく、やはり日本の道を走るのは日本車に限ると思った」(76歳男性/その他)
自動車はそれ自体が高価な買い物なうえ、駐車場代、ガソリン代、税金や保険、車検代など維持費もかなりの額にのぼります。もちろん、住まいや仕事の都合で、自動車が欠かせないという状況もありますが、その場合も見栄のためだけに高級車を乗り回すのではなく、なるべくリーズナブルな車種を選択するのが貯蓄・節約上は得策だといえそうです。
第5位:ギャンブル・・・27票
null「毎週競馬に3万円以上、年間150万円ぐらい使うのを10年以上も続けていたので家が一軒は買えたかも?」(74歳男性/その他)
「パチンコ。仕事が終われば毎晩通っていました。総額ウン百万です。あのお金があれば……と後悔」(75歳男性/その他)
「ギャンブルに使ってしまった。貯蓄、積立投資をしていればよかった」(64歳男性/その他)
過去にご紹介した“後悔しているお金の使い道”ランキングでも、常連のギャンブル。やっている最中は「ひょっとして儲かるかも!?」と脳汁が出まくりますが、長い目で見れば必ず大損するようにできていますし、ストレス解消のつもりが負けが込んでかえってストレスを抱え込むというデメリットも。
しかも、他の趣味であればたとえお金を失っても、何らかの経験値を積めることがありますが、ギャンブルでの浪費はそうした見返りも大して期待できず、まさしく後悔先に立たずです。
第4位:高級ブランドなどの装飾品・・・29票
null「高級時計を買ったのに、今はスマホで時間を確認するようになってしまった」(76歳男性/デザイン関係)
「ブランド品のスーツを新調したが、あまり着る機会が少なく高価な買い物になった」(72歳男性/その他)
「ブランド物の洋服やバッグ、靴、装飾品。若いころは人から素敵に見られたくて気に入った洋服など手当たりしだい買っていたが、数年すれば着られなくなるものが多数。昔は今のように洋服は安価ではなかったからもったいないことをしたと思っている」(67歳女性/総務・人事・事務)
今回のアンケート調査対象者は60代以上。働き盛りの頃にバブル経済を謳歌し、ブランド品に湯水のごとくお金をつぎ込んだ人も少なくないようです。
もちろん、高級で品質がよいからこそ、一生モノとして活躍してくれるアイテムもあり、ブランド品の購入自体が無駄遣いというわけではありません。ただ、流行を追うばかりで、本当に自分にとって必要なものを見定める能力を磨かないままでは、せっかくのブランド品がタンスの肥やしと化し、後悔することになりがちです。
第3位:自宅などの不動産・・・35票
null「バブル経済の盛んな頃、どうにか買える田舎のマンションを大枚はたいて購入したが、バブルが弾けてからじっくり選べばよかった」(67歳男性/その他)
「家を買ったのが、失敗だったかも。ローンはきついし、固定資産税はかかるし、リフォームもしなければならないし。家賃を払うより良いと思って購入したが、結構お金がかかります」(68歳男性/その他)
「いちばん土地が高い時期に土地付きの住宅を買ったこと。いまだローンが終わっておらず、もっと稼ぎのいいときに繰り上げ返済しておけばよかった」(64歳男性/総務・人事・事務)
やはりバブル経済に関わりますが、不動産価格が高騰している時期に自宅を購入し、後悔している人も多数。
もっとも、賃貸だとずっと家賃を払い続けることにもなるため、持ち家の購入は必ずしも浪費ともいえず、なかなか難しい問題です。ただ、購入時と比べてウン千万円も資産価値が暴落してしまうと「もう少し先延ばしにすれば……」と後悔の念に苛まれるのは想像に難くありません。
第2位:お酒などの飲食・・・38票
null「毎晩飲み会をしていて毎月手元に一円も残らず使っていた。先輩に勧められた投資をしていれば今頃は億り人になっていたかも……と残念」(72歳男性/公務員)
「飲み屋通いで散財しました。仕事からのストレス発散のために無駄な出費をしました。貯蓄に回しておけば、今の暮らしがもっと安定したものになったのではと後悔しています」(75歳男性/その他)
「お酒を飲んで遊び回らなければ今はどんだけお金が貯まったかと後悔しています。しかしバブルの時代でしたから仕方なかったかな~」(72歳男性/その他)
お酒にまつわる散財を悔やむ声も続出。ただ、当時は、いわゆる“飲みニケーション”が今よりずっと重視されていて、酒席も仕事の一環のような扱いだったこともあるので、やむを得ない面もあったかもしれませんね。先人の声を教訓として、令和の今の時代は、節約のためにも健康のためにも暴飲暴食は控えたいところです。
第1位:投資・・・40票
null「株式投資で失敗し資産の大半を失った。二度としたいとは思いません」(67歳男性/その他)
「証券投資をなんとなく始めてしまったこと。人から聞いただけでなく、やるなら自分で理解を深めてからすべきだった」(70歳男性/その他)
「株式投資。買った株が値上がりするとわずかの利益で売る一方、値下がりするといつかは値上がりするだろうと持ち続け、最終的には損失を膨らませることになった。自分の性格は株式投資に向いていないことを悟った」(79歳男性/その他)
60代以上に聞いた“後悔しているお金の使い道”の第1位は、投資でした! 巷では本業とは別に株式やFXで儲けて資産を形成した人の成功談があふれていますが、現実問題としてはなかなかそううまくはいかないようで……。
ただ、今回のアンケートでは、「●●にお金を使うくらいなら、投資に回せばよかった」との声も少なからず寄せられています。投資自体が悪というわけではなく、十分なリサーチを経ないまま、ギャンブル感覚で株式を購入したり、失敗から学ばなかったりして損失をふくらませてしまうことが後悔につながるのかもしれません。
その他、こんな無駄遣いを後悔!
null趣味・娯楽
「焼き物(陶器)にお金を使ったのはもったいなかった。東日本大震災で家屋が被害を受け、焼き物も大半が割れてしまった。なぜこんなものにお金をかけていたのかと悔やんだ。それで目が覚め、蒐集をやめた」(66歳男性/その他)
「ゴルフ。毎月1回位でコースに出ていた。ゴルフなんか上手くなってもしようがないのに、よく行ったものだと反省している。交通費やプレーフィーを合わせればかなりの金額になっていると思う。貯蓄に回しておけばよかった」(70歳男性/営業・販売)
「カフェ巡り。一回一回は大した額ではないが積もり積もった額を考えると無駄だった」(62歳女性/主婦)
「昔好きなアイドルの雑誌を爆買いしていた。たかが雑誌でも随分なお金を使ったなと雑誌の山を見て思う」(63歳女性/その他)
趣味・娯楽に関しては、上記以外にインドア(読書、音楽鑑賞、映画鑑賞など)からアウトドア(旅行、スポーツ、釣り、キャンプなど)まで多種多様な声が寄せられました。生活に潤いを与えるうえで欠かせない活動ではありますが、家計とのバランスを見ながらほどほどに……。
健康・美容
「高額な補正下着を沢山買った。結局体形は変わらず全部無駄だった」(73歳女性/主婦)
「エステ。50過ぎてハマってしまい。何百万円も費やした。あ~もったいない」(77歳女性/主婦)
「民間のスポーツクラブではなく、公共施設にすれば料金が少なくてよかったのにと今思う」(65歳男性/その他)
「歯の治療で保険外を利用して100万円以上支払った」(69歳女性/主婦)
お金で健康と美容が買えるなら決して惜しくはありませんが、大金をかければそれに見合った効果が得られるかというと必ずしもそうでもないというのが悩みどころ。安易にお金で解決しようとするより、食事や生活習慣を見直すのが先決かもしれません。
身近な人のために使うお金
「大金を人に貸してその方が亡くなってしまったこと。生き金と思って言い聞かせている」(62歳女性/その他)
「親の介護。遠距離介護で6年間通った金額は今のように格安でなかったこともあり1,000万円以上かかっている。何かと世話になった親類にも500万円近く使った」(74歳女性/その他)
「子どもの教育費。特に塾にはお金を使いすぎたと思う。その分成果があったとは思えない」(72歳女性/主婦)
大切な人のためには、損得勘定などありえない!……と言いたいところですが、やはり見返りがなければどこか「もったいないことをしたかも」と思ってしまうもの。ただ、倹約すればそれもまた「あのとき何でケチケチしたんだろう」と後悔することになりかねませんし、身近な人にどれくらいお金をかけるかは、非常にデリケートな問題だといえそうです。
その他、こんな意見も…
「IT関連の資格取得のための講習を受けましたが、講習内容にどうも納得がいかず。試験も不合格だったので無駄になりました。小遣いとして使ったほうがよかったと思います」(71歳男性/その他)
「今考えればあれやこれや保険に入り過ぎたと思います。それを貯金していたらと考えると悔しい」(62歳女性/その他)
「60歳を祝って自費出版し200万円かかってしまったことが失敗だったかなと思います」(75歳男性/その他)
もしかすると、出費を惜しんだがためにバッド・エンドを迎えていた可能性もあるので、何ともいえません。限られた予算を自分で本当に納得のいくように配分するのって本当に難しい!
以上、いかがでしたか? 今まさに働き盛りで日々お金の使い道に頭を悩ませている人は、今回のリサーチをぜひご参考にしてみてくださいね。
成人までの人生を受験勉強にささげた結果、東京大学文学部卒業。その後なぜか弁護士になりたくて司法試験に挑戦するも、合格に至らないまま撤退。紆余曲折の末、2010年よりフリーライターの看板を掲げています。