会社に行きたくなくなる原因は「人間関係」「上司」「朝の通勤」…
nullアンケートでは「会社に行きたくない」と悩んだことがある人は55.8%にのぼりました。寄せられた原因は実にさまざま。中でも多かったのは、以下3つの悩みです。
悩み1:「人間関係」がうまくいかない!?
「職場の人間関係がきつくて、疲れる」(25歳/その他)、「人間関係が苦痛で」(24歳/総務・人事・事務)など、人間関係が理由で会社に行きたくないという回答が多く見られました。
悩み2:「上司」に会いたくない!?
「また上司と一緒に仕事しなければならないと思うと嫌になる」(29歳/金融関係)、「上司がパワハラをしてくる」(54歳/研究・開発)など、上司との関係性に悩む声が目立ちました。
悩み3:「朝の出勤」が憂うつ!?
「朝が苦手だから」(40歳/その他)、「朝、また忙しい時間が来るのかなと思ったら、行きたくなくなる」(43歳/その他)など、朝の出勤時に憂うつになるケースが見られました。
具体的に解決していくにはどうしたらいいのでしょうか? 代表的な質問について、行動科学コンサルタントの冨山真由さんに考えていただきました。
【お悩み相談室:これまでの記事もチェック!】
【悩み1:人間関係】あいさつや声がけで「愛されるキャラ」になる努力を
nullQ.1 職場の人間関係が嫌になることが多い(31歳/営業・販売)
A.1 周囲の人に好かれる「行動」を起こしましょう
「人間関係に関して悩む人は“万人に好かれたい”と思っているタイプが多いです」と冨山さん。
こういうタイプの人は、ランチタイムの時、ひとりでカフェに行くのも嫌だし、仲のよい人だけでつるむのも不安になってしまうそう。
「一人ひとりに声をかけたり、あいさつをするなどの“行動”で、みんなに好かれる人にはなれます。実は、人に好かれるための行動って意外とシンプルなんです。
ただし、相当なエネルギーを使うので、それでも本当にみんなに好かれたいのかは自分自身に問いかけていただきたいです」(冨山さん)
【悩み2:上司】我慢せず、第三者に相談を
nullQ.2 上司から厳しくしかられた翌日などは、会社に行きたくない(36歳/コンピューター関連)
A.2 あまりに傷ついてしまったら、無理をせず、第三者に相談してみてください
「コンピューター関連は、トライアンドエラーの多い仕事。失敗もあるでしょうね」と冨山さん。叱られた事実ではなく、言われた内容に注目してほしいといいます。
「言われたことが身になっているのなら、それは上司が教えてくれているということなので落ち込む必要はありません。逆に、まったくためにならない内容で、なおかつみんなの前で叱られた、ということでしたら、コンプライアンスの問題になります。人事など第三者に相談してみてください」(冨山さん)
あまりに傷ついてしまった場合は、冷静に物事を見られない状態にあるので、とにかく無理をしないことが一番だそうです。
Q.3 上司の顔を見たくない(28歳/総務・人事・事務)
A.3 「上司の何が嫌なのか」を冷静に分析してみてほしいです
「感情的な部分から、嫌いな気持ちって芽生えると思うのですが、その理由を一度冷静に分析してほしいんです」と冨山さん。
例えば、「言い方が嫌だ」とか「臭いが耐えられない」など、上司が嫌な理由をかき出し、「仕方ない」と思えるものは△、どうしても許せないものは×をつけていくだけで、自然と割り切ることができ、ストレスも半減するとのこと。
「なんとなくで嫌っていると、“なんで私ばかりがこんな目に”“会社をやめたい”と負の思考がエスカレートしてしまい、結果、仕事にも支障をきたしてしまいます。自分以外の理由で仕事をあきらめてほしくないですね」(冨山さん)
上司とどうしても離れたいときは、人事に相談して、異動願いを出すのも策だといいます。
「この人材不足の時代、親身に相談に乗ってくれる人事担当者は多いはず。それどころか意外とすんなり希望を受け入れてくれるかもしれませんよ」(冨山さん)
【悩み3:朝が辛い】症状が出たら無理をしないで!
nullQ.4 冬の朝、早く起きて、満員電車に乗って通勤すると思うだけで嫌になる(44歳/金融関係)
A.4 冬に憂うつな気分になるのは危険信号。本当に辛い場合は病院や会社に相談を!
「冬の朝はみんな辛いですよね」と冨山さん。しかし、電車の中で泣いてしまったり、吐き気を催したりする場合は、何らかの対策をしたほうがいいと強くアドバイス。
「無理をせずに会社を休んでいいと思います。他に考えられる対策としては、フレックス制がとれる部署に異動願いを出す、会社から遠方に住んでいる場合は近くに引っ越す、病院に相談する、などが考えられます」(冨山さん)
とにかく無理をせず、専門医に相談したり、環境を変えたりすることが重要なようです。
いかがでしたか?
「原因を洗い出し、対策のために行動する」という行動科学の考え方は、会社に行きたくないという、もやっとした気持ちをかなりクリアにしてくれそうです。
取材・文/濱登良子
【取材協力】
冨山真由
行動習慣コンサルタントの第一人者。人の行動に焦点をあてる手法と技法を提供。大手企業から業種業態を問わず幅広く研修を導入し登壇。著書に『1%の素敵な人だけが実践しているなりたい自分になる方法』『今すぐ!集中力をつくる技術』『どうして?自分に聞く力で問題解決!』など。