まず、引き継ぎで伝えるべき項目を整理してみましょう
null- 業務やプロジェクトの目的、社内での位置付けなど
- 業務の流れ。どのタイミングで何をするかのフローチャート、優先順位、必要な事前準備など
- 特に注意を払うべきポイント
- 不測の事態が起きた場合の対応の仕方
- 過去にあったトラブルの事例。発生の経緯、どう対処したか
- 顧客、取引先(外注先・提携先など)、社内の関連部署のリスト。※担当者名と連絡先はもちろん、相手の人物像、趣味、コミュニケーション上の注意点などの情報も添えておくと尚可
- 業務に使用する書類。これまでに作成・使用してきたフォーマットなど
- 業務上、参考にしているWebサイトのURLなど
- (営業職の場合)これまでの取引状況、契約内容、商談の進捗状況、今後のニーズの見込み
- (技術職の場合)案件ごとの仕様書、必要書類、プロジェクトの進捗状況
- 退職後の自分の連絡先(不明点や緊急時の問い合わせのため)
いつまでに何をするかを明確にしておく
null退職前は、通常の業務を行いながら引き継ぎも進めなくてはならず、忙しさのあまり混乱しがちです。最初にやるべき項目を書き出し、「いつまでに何をするのか」を仕分けして、手帳やカレンダーに書いておきましょう。
スケジュールを組むにあたっては、3日程度の余裕を持たせるといいでしょう。予定外の対応が入ったり、残務処理が長引いたりしたとしても、3日もあれば吸収できるものです。
早いうちから「文書」作成を進めておく
null業務を引き継ぐ際には、後任者と一緒に一連の流れを実際に行ってみるのがベスト。しかし、後任者の配属が遅れるなどすると、そうした時間が十分にとれません。最悪の場合、後任者が来るまで会社にいてほしい……など、引き留められる恐れもあります。
そうした事態を防ぐためにも、早いうちから引き継ぎ内容を「文書」にしておくことをおすすめします。
後任者は、同部署の人、他部署から異動してくる人、新規採用された人など、相手によってどこまで細かく説明すればいいかが変わってきます。相手の知識の範囲やレベルを理解した上で、それに合わせた対応をしましょう。
後任者と取引先の信頼関係構築をサポートする
null顧客や取引先などに退職・引き継ぎのあいさつ回りをする場合は、なるべく後任者と一緒に訪問したいものです。このとき、後任者が相手といい関係を築けるようにサポートしてあげてください。例えば、「彼女は細かいところへの気配りができるので、皆から信頼されているんです」といったように、後任者の優れたところを伝えるのです。
もし、自分より経験やスキルが劣る後輩であれば、「少し時間がかかることもあるかもしれませんが、取り組み姿勢は誠実で丁寧です」などとフォローしてあげてください。こうすることで、相手が後任者に好印象を抱き、その後の関係が築きやすくなります。後任者からも感謝されるでしょう。
転職するにしても、いつかどこかで仕事の付き合いが生じたり、協力してもらう場面が出てきたりするかもしれません。引き継ぎを円滑にすることで、人間関係を維持しておくことが大切です。
構成/青木典子