入社後の自己紹介の目的は?緊張しないためには?
null自己紹介の目的のひとつは、自分の名前と顔を覚えてもらうこと。組織にとってプラスとなる情報や、名前が印象に残るような言葉を添えて、“仲間”として名前を覚えてもらいましょう。
新入社員であれば学生時代に没頭したスポーツや勉学について、転職後の自己紹介であれば、これまでの職務経験について触れてもいいでしょう。
いつどこで自己紹介の機会が訪れてもいいように、あらかじめ“自己紹介のテンプレート”を頭の中に用意しておくと、いざというときにあわてずに済みます。
また、大切なのは明るい表情ではっきりと話すこと。内容だけでなく話す態度や表情も印象を大きく左右します。
「育休明け」「ブランク後の復職」の際の自己紹介のポイント
null女性のキャリアでは、妊娠・出産によるキャリアのブランク期間が生じることもありますよね。育休明けや、再就職など、育児期間を経ての仕事復帰後は、同僚の前で自己紹介をする機会がやってきます。
久々の仕事復帰のときには、緊張や不安を感じる女性が多いようです。背伸びしたり自分を大きく見せようとしたりせず、緊張していることや久しぶりの職場で不安を抱えていることを正直に伝えてもいいと思います。
組織に受け入れてもらったことへの感謝も交えて自己紹介をしましょう。
【自己紹介例】
・また皆さんと働けることを嬉しく思っています。今はまだあまり自信がないのですが、これから仕事のカンを取り戻して少しでも皆さんのお役に立ちたいと思いますので、よろしくお願いします。
不安な気持ちは正直に伝えながらも、むやみに謙遜しすぎず、自分の強みや経験もある程度伝えておくといいでしょう。控えめに「こういうことでは役にたてる」というアピールも織り交ぜます。
【特技や趣味のアピール例】
・昔から字だけはきれいだと人から言われますので、直筆で書かなければならないときにはぜひお任せください。
・書類のファイリングと整理整頓が得意ですので、もし書類の山に悩んでいる方はご相談ください。
また、家族の事情がある場合は、あえて最初に伝えておきます。後から説明するよりもあらかじめ話しておいた方が、一緒に働く相手にとっても“いざ”というときの心づもりをしておくことができるのではないでしょうか。
【家庭の事情をあらかじめ話すとき】
・双子を育てており、看病や通院によりお休みを頂くこともあると思います。サポートして頂いたら、その分“サポート返し”をしたいと考えております。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
転職面接での自己紹介例
null続いて、転職面接での自己紹介例です。新卒の頃と違って、学生時代のエピソードは転職時にはほとんど関係がありません。それよりも、前職でどんな仕事をしてきたか、「今の自分はこんな仕事ができる」という姿勢を示します。
自分でアピールするのが恥ずかしいのであれば、「同僚には、○○と言われていました」と、人の言葉を借りる形で伝えるのも一つのテクニックです。
【面接での自己紹介例】
・前職では、同じ部署の人たちのスケジュールを把握するのが得意だったので、“スケジュール記憶の達人”と呼ばれておりました。
・前職では出産を機に退職しましたが、子育てを通じて共感力やサポート力がパワーアップしたと感じています。総務部の社員として、御社で働く皆さんのお役に立てると思います。
自分を良く見せようと背伸びするよりも、一緒に働くことを想定し、できるだけ等身大の自分をアピールします。相手側は一緒に働く仲間を探しているので、内容と同様に話している表情や態度も大切です。
歓迎会での自己紹介の例
null最後に、歓迎会での自己紹介例をご紹介します。会の途中で「一言どうぞ」と話を振られることがあるかもしれません。お酒や食事を囲んだ少しくだけた雰囲気では、人柄やプライベートが垣間見られるような言葉を選ぶと、印象に残るのはないでしょうか。
【歓迎会での自己紹介例】
・家庭では「ママは怒ると鬼みたい」と言われますが、仕事場では笑顔を絶やさずにがんばりますのでよろしくお願いします。もし、鬼の顔になっていたら、どうぞご指摘ください。
・入社して早くも3週間経ちますが、社食がおいしくて、既に2キロ太ってしまいました。これからはたくさん動いて心も体も引き締めて参りますので、よろしくお願いします。
雰囲気を見ながら、場が和むような一言を用意しておくといいかもしれませんね。
今回は、自己紹介のコツをご紹介しました。
第一印象は、その後の人間関係に少なからず影響を与えるもの。新しい組織に受け入れてもらえるよう、自然な笑顔で元気に話しましょう。
【取材協力】
北條 久美子
東京外国語大学を卒業し、ウェディング司会・研修講師を経て、2007年 エイベックスグループホールディングス株式会社人事部にて教育担当に。2010年にキャリアカウンセラー・研修講師として独立。全国の企業や大学などで年間 約2,500人へビジネスマナーやコミュニケーション、キャリアの研修・セミナ―を行い、顧問として企業の人財育成や教育体系の構築にも携わる。現在はライフスタイリストとしてワーク(仕事)寄りだった人生を、生きること=ライフにシフト。睡眠マネジメントやマインドフルネスなどをワークに取り入れ、自分らしく、かつ生き方(ライフスタイル)を美しくすることを自らも目指し、それを広める場作りに力を入れる。著書に『ビジネスマナーの解剖図鑑』(エクスナレッジ)、『働き方のセブンマナー』(講談社)ほか。