「昆布」を梅干しと一緒に煮込んで、日持ちする一品に
null子孫繁栄を表す「昆布」は、縁起ものとしてお正月料理に欠かせない食材。おせち料理には定番の昆布巻きが入っていますが、今回はだしを取った後の昆布を使った「だし昆布の梅煮」を教えてもらいました。
「昆布はだしをとった後でも旨味がたっぷり。捨ててしまうのはもったいないので、佃煮にして最後までおいしく食べ切りましょう。お正月用としても、普段使いの常備菜としてもおすすめですよ!」(以下「」内、沼津さん)
通常の昆布の佃煮は砂糖たっぷりで甘く煮たものが多いですが、今回は砂糖は使用せず、梅干しとしょうゆでじっくり煮るので、昆布の旨味をより感じることができますよ。
【材料】(作りやすい分量)
だし昆布・・・50g(4〜5回分)
水・・・150ml
かつおぶし・・・2g(約1パック)
梅干し・・・1個
しょうゆ・・・小さじ1〜2
【用意するもの】
保存容器・・・1個
【作り方】
(1)昆布を正方形に切る
だしを取った後の昆布を2cm角に切ります。
「新年なので、凛として上品に見える正方形に切りましょう。だしをとった後の昆布は、4〜5回分ためると作りやすいですよ」
(2)昆布を弱火でじっくり煮る
小鍋に昆布、水、かつおぶし、梅干しを入れ、中火にかけます。沸騰するまでは中火で、沸騰したら弱火にして、水分がなくなるまでコトコト煮込みます。梅干しはまだ崩さず、そのままにしておいてください。
「ふたをせず、水分がなくなるまでじっくり煮込みます。強火だと、昆布が軟らかくなる前に煮上がってしまうので、昆布の旨味を引き出しながら弱火でゆっくり煮るのがポイントです」
(3)梅干しを崩し、しょうゆを加える
水分がなくなってきたら、ここで初めて梅干しを崩します。
「梅干しを最初に崩してしまうと梅干しのきれいな赤い色が抜けてしまいます。また、塩分が先に入ると、昆布が軟らかくなるのが遅くなってしまうので、昆布が充分に軟らかくなってから梅干しを崩し、梅干しの塩分は最後に加えましょう」
さらに香り付けにしょうゆを加えます。梅干しの塩分によってしょっぱさは変わるので、しょうゆの量は味見をしながら調整してください。しょうゆを加えて1〜2分煮たら完成です。
(4)保存容器に入れ、粗熱を取る
できあがった昆布は保存容器に入れます。粗熱が取れたら、冷蔵室で冷ましながら味をしっかり染み込ませてください。
(5)冷蔵室で30分以上置いたら、できあがり!
冷蔵室で30分以上置いたら完成です。保存期間は冷蔵で約2週間が目安。梅干しも入っていて日持ちするので、保存が効く料理が重宝するお正月にぴったりですね。
昆布×かつおぶしの旨味たっぷりの掛け合わせで、ひとつ食べるだけで満足感あり! だしの旨味が広がる中、さっぱりした梅干しの酸味がちょうどいいアクセントに。ごはんはもちろん、日本酒のあてにも良さそうです。
「焼き魚にトッピングしたり、ごはんに混ぜたり、おにぎりの具にしてもおいしいですよ。でも、実はこれといちばん合うかも」と、沼津さんが出してくれたのはおいしい緑茶!
梅風味の昆布が絶妙なお茶請けに。だしと緑茶がお互いの旨味を引き立て合い、日本人ならではのほっこり落ち着くマリアージュを堪能できます。和の美味が詰まった一品なので、ぜひお正月に楽しんでみてくださいね。
次回は、冬が旬の大物野菜「白菜」を使ったちょこっと漬けを紹介します。
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)、『食品保存大全』(主婦の友社)など多数。Instagram@rienumadu
取材・文/岸綾香