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鶏手羽先&キャベツでいつもの「おでん」が激変!家族も大喜び!【小林まさみ&まさるのお助け食堂#3】

人気の料理研究家 小林まさみさんと、シニア料理研究家としても活躍する義父でアシスタントの小林まさるさんが、料理の悩みを解決する連載企画「まさみ&まさるのお助け食堂」。

第3回目は、冬のお助けメニュー「おでん」のおいしい作り方について教えてもらいました。おでんはまとめて作っておけば、翌日も食べられて大助かり。煮汁に深みを出す方法、大根を早く仕上げるコツに加え、まさるさんのおつまみにもぴったりなおでんだねも必見です!

おでんは煮汁が命!鶏手羽先で旨味がグンとアップ!

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だんだんと寒くなり、おでんの恋しい季節が到来。大根、練り物など、好みの食材を入れて、なんとなくおでんを作っているという人にこそ、今回はぜひ試してほしい! いつものおでんを格段においしく作る方法をまさみさんにたっぷりと伝授してもらいました。

「おでんで大切なのは煮汁。おでんは煮汁がおいしくないとダメなんです。今回は鶏手羽先を加えることで、鶏肉の旨味の染みたおいしいだしで煮込んでいきます。あと、練り物は必須! 練り物が入らないとおでんの味にはならないんですよ。これをベースにして、あとは好みの食材を入れればOK。翌日のおでんも味が染みておいしいので、ぜひ多めに作りおきしてくださいね」(まさみさん)

【材料】(作りやすい分量)

鶏手羽先・・・10本(約580g)

大根・・・1/2本(約600g)

キャベツ・・・6枚(約400g)

さつま揚げ・・・6枚(約250g)

いわしつみれ・・・6個(約250g)

ゆで卵・・・4個

 

[おでんつゆ]

だし・・・7カップ

酒・・・1/4カップ

砂糖・・・大さじ1

しょうゆ・・・大さじ3

塩・・・小さじ1

【作り方】

(1)大根は2cm幅に切り、十字に切れ目を入れる

まずはおでんといえば、やっぱり大根。大根は煮るのに時間がかかるので、「2cmくらいの厚さがベスト」とまさみさん。大根は上部分から使い、皮ごと2cm幅に切ってから、皮を厚めにむきます。

「皮は厚めにむいた方が、中まで火が通りやすくなり、おいしく仕上がります」(まさみさん)

「大根は厚切りの方がウマいよね。大根の皮は捨てずに、みそ汁や油炒め、きんぴらにするとおいしい! 大根は全部食べられるので、俺がごはん当番の時に使います」(まさるさん)

さらに、半分〜1/3くらいの高さまで、十字に切れ目を入れます。切れ目を入れておくと火が通りやすく、食べる際に箸で切って食べやすくなります。この時、包丁の根元を使うと、大根を切りすぎないので安心です。

(2)大根を電子レンジで6分加熱する

耐熱皿に大根を並べ、ラップをかけて、600Wの電子レンジで6分加熱します。

「大根は電子レンジで加熱すると、早く軟らかくなります。このひと手間で、鍋に入れてからがとてもラクになりますよ!」(まさみさん)

加熱したらラップを外し、熱いのでそのまま置いておきましょう。

(3)鶏手羽先に切れ目を入れる

大根を電子レンジで加熱している間に、鶏手羽先に切れ目を入れておきましょう。鶏手羽先は皮の反対側に骨が2本あるので、その骨の間に包丁で切れ目を入れます。

「おでんに鶏肉って珍しいなぁ」とまさるさん。そう、今回は、鶏手羽先を入れるのがおいしさの秘密なんです。

「骨付き肉はいいだしが出て、旨味たっぷり。煮汁に深みが増して、おいしいおでんになりますよ。使うのは、鶏手羽先でも、鶏手羽中でもOKです」(まさみさん)

(4)キャベツを電子レンジで4分加熱して、食べやすく巻く

そして、今回はなんとキャベツも入れちゃいます! 大きめのラップ2枚でキャベツの葉をふんわり包み、600Wの電子レンジで4分加熱します。

加熱したら粗熱を取り、ロールキャベツのように巻いていきます。まず芯を内側に折って、葉の両端を内側に折り、手前から奥に向かってクルクル巻いて、葉の端を楊枝で留めたらできあがり!

「キャベツは巻くと食べやすくなるので、こうするとおでんにも入れられます。おでんは野菜がやや不足しがちなので、キャベツも摂れるといいですよね! 葉に味が染み込んでおいしいですよ」(まさみさん)

「まさみちゃんより俺の方がカッコよく巻けてるな! 巻く作業は簡単なので、子どもと一緒にやっても楽しいね」(まさるさん)

(5)土鍋にだしを入れ、強火にかける

土鍋にだしを入れて、強火にかけます。今回は、昆布とかつお節の合わせだしを使っています。

「煮干しでもいいね!」と、まさるさん。魚介系のだしと骨付きの鶏肉を掛け合わせることで、Wの旨味でより深みのある煮汁になるんですね。

(6)酒、砂糖、しょうゆ、塩を入れる

だしに酒、砂糖、しょうゆ、塩を加えます。

「砂糖を少し入れると、甘味が出ておいしさアップ! 煮汁の色が濃くならないよう、しょうゆは入れすぎず、足りない塩分は塩で補いましょう」(まさみさん)

(7)大根、鶏手羽先、キャベツを入れ、弱火で40〜50分煮る。

煮るのに時間がかかる大根、鶏手羽先、キャベツから入れていきます。煮汁が沸騰する前に入れてしまってOK。煮立ってきたら、アクを取りましょう。

アクを取ったら少しずらしてふたをして、弱火にして40〜50分コトコト煮込んでいきます。

(8)練り物をすき間に入れる

弱火でしっかり煮込んだら、すき間に練り物を入れます。練り物は火が通りやすいので、大根などと一緒に最初から入れてしまうと、旨味が抜け出てしまいます。必ず後から入れてくださいね。

「練り物を入れないと、おでんの味にはならないので練り物は必ず入れてください。目安は2〜3種類、計500gほど。今回は市販のさつま揚げといわしのつみれを使っています。

この時には鶏手羽先がもうトロトロになっていますよ。おでんは煮汁がおいしくないとダメ! 旨味の出る食材をいろいろ掛け合わせることで、おいしい煮汁が完成するんです」(まさみさん)

(9)ゆで卵を入れ、弱火で10〜15分煮る。

ゆで卵を入れたら、少しずらしてふたをして、弱火で10〜15分煮ます。

「俺はゆで卵が大好物! 昔は卵は贅沢品だったから、今は普通に食べられてうれしいんだよな(笑)」(まさるさん)

ここまできたら、ほぼほぼ完成。じっくり煮込んでいる間に、まさるさんのおつまみおでんだねも教えてもらいましょう!

帆立貝柱&魚肉ソーセージを串に刺す「おつまみおでん」

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ここからは恒例の「まさるのおつまみ道場」。北海道出身のまさるさんは、冬の屋台で雪の降る中、よく帆立のおでんを食べていたそう。そんな酒の肴にぴったりの思い出のおでんを教えてくれました。

【材料】(2人分)

帆立貝柱(刺身用)・・・9個(90g)

魚肉ソーセージ・・・1本

(1)帆立貝柱を竹串に刺す。

帆立貝柱を3個ずつ竹串に刺します。

「刺身用を使うの!? ボイルじゃないんだ。贅沢だね〜!」とまさみさんもビックリ。

「北海道は帆立がたくさん獲れるからね。こうやって串刺しにした帆立の貝柱がおでんによく入ってたな。熱々の帆立をフ〜フ〜って食いながら、焼酎を1杯、ガーッと! これがうまいんだなぁ。思い出すなぁ」(まさるさん)

(2)魚肉ソーセージを竹串に刺す

お次はなんと魚肉ソーセージ。半分に切って、同様に竹串に刺します。

「店では食べたことはないけど、俺のおでんには必ず入れます」(まさるさん)

「おでんにピンク色って新鮮。子どもが喜びそうだね!」(まさみさん)

(3)サッと煮る

「これはあまり煮込まず、サッと煮れば大丈夫!」とまさるさん。

帆立貝柱と魚肉ソーセージは仕上げに入れて、煮汁をかけてサッと煮込めばOKです。

絶品おでんのできあがり!

まさるさんのおでんだねも揃ったところで、ついにおでんの完成です! 好みで練り辛子やゆずこしょうをつけていただきましょう。

私がいちばん感動したのは、煮汁をたっぷり吸った厚めの大根。噛んだ瞬間ジュワッと旨味があふれ、体に染み込む感じ……これぞ冬の醍醐味ですね。まさみさんのお話通り、鶏肉を筆頭に、さまざまな食材の旨味が複雑に溶け込んだ煮汁が驚くほどおいしいので、それをじんわり吸い込んだ大根は幸せの境地でした。

鶏手羽先は骨からスルッと箸で簡単に身が外れるほどトロトロに。この崩れ具合から、煮汁のベースとなっていい仕事をしてくれたのが伝わってきます。新感覚のキャベツも味がシミシミで、噛むと層になった部分からジュワッと煮汁があふれ出てたまりません!

まさるさんの帆立貝柱&魚肉ソーセージは、確かにお酒が欲しくなる!(笑)。熱燗でちびちびやりたくなる味です。魚肉ソーセージのおでんは子どもにもおすすめですね。

「おでんは作ってすぐ食べるよりも、一度冷まして温め直した方が、味がグッと染みておいしくなります。翌日は、煮汁を使って炊き込みごはんにすると最高! 炊飯器に水の代わりにおでんの煮汁を入れ、通常の水加減でセットして、余った具材を細かく刻んでのせて、普通に炊けばOK。茶飯のような風味で、我が家ではこれが翌日のお楽しみなんです」(まさみさん)

「煮汁の味がいいね。よく染みててウマイ! 俺は煮込みうどんにしてもいいな!」(まさるさん)

旨味の利いた煮汁まで余すことなく使えるので、たっぷり作ってぜひ翌日も楽しんでくださいね。

次回は、旬真っ盛りの「大根」をおいしく使い切る方法を教えてもらいます。

【取材協力】

小林まさみ

料理研究家。結婚後、会社勤めをしながら調理師学校に通い、料理研究家を目指し、料理愛好家 平野レミさんのアシスタントなどを経て、独立。誰でも作りやすく、家庭的なアイディアあふれるレシピにファンが多く、テレビや雑誌、書籍、企業のレシピ開発、料理教室など、幅広く活躍。自身のオンラインショップ『台所用品と食「暮らしの仲間」』では、おすすめの台所用品や各地から厳選した食材、小林まさるの瓶詰め『まさる漬け』などを販売。料理本は『切りおき』(小学館)など著書多数。Instagram@kobayashimasami.masaru

小林まさる

昭和8年生まれ。小林まさみの義父。定年後70才から小林まさみの調理アシスタントを務める。78才でシニア料理研究家として活躍。長年料理をしてきた経験から、冷蔵庫の中にある食材でパパッと作るアイディア満点の家庭料理やおつまみが得意。著書に『人生は棚からぼたもち!』(東洋経済新報社)など。

取材・文/岸綾香

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