叩くだけで1.5倍に! 揚げ時間も短縮できてサクサクに!
null第1回目でも大人気だったお助け食材の「鶏むね肉」。今回は揚げ物に挑戦します。
「ポイントは鶏むね肉を麺棒で叩いて伸ばすこと。叩くと1.5倍くらいの大きさになるので、お得な鶏むね肉がさらに手軽にボリュームアップ! 薄くするのでサクサクと食べやすく、少ない油で揚げられるため、揚げ時間も短くなりますよ」(まさみさん)
【材料】(2人分)
鶏むね肉・・・1枚(300g)
塩・・・少量
こしょう・・・少量
小麦粉・・・適量
パン粉・・・適量
揚げ油・・・適量
サラダ菜・・・適量
[バッター液]
小麦粉・・・大さじ2
水・・・大さじ1
卵・・・1/2個
[ソース]
ウスターソース・・・大さじ1と1/2
ケチャップ・・・大さじ1
みりん・・・大さじ1
水・・・大さじ2
【作り方】
(1)鶏むね肉は開いて、厚さを均等にする
鶏むね肉は水気を拭き取り、皮と余分な脂を取り除いたら、観音開きにして厚さを均等にします。
「鶏むね肉は麺棒で叩いて大きく伸ばすため、皮は取り除いておいたほうが伸ばしやすいです。鶏むね肉は厚みがあるので、火が通りやすいよう均等に開いてください」(まさみさん)
「取り除いた皮は捨てずに、焼き鳥にするとウマい! 冷凍庫で保存して、何枚かたまったら金串に刺してパリパリの焼き鳥に。酒のつまみに最高ですよ!」(まさるさん)
ちなみに、鶏むね肉を使ったしっとり鶏ハムと、まさるさん直伝の鶏皮を使った焼き鳥の作り方はこちら!
(2)麺棒で叩いて伸ばす
鶏むね肉をまな板に置き、ラップをかけ、麺棒で叩いて伸ばします。
「ちぎれないように注意しながら叩いてください。叩くと1.5倍くらいの大きさになります」(まさみさん)
(3)塩、こしょう、小麦粉を振る
鶏むね肉の両面に塩、こしょうを振り、さらに小麦粉を薄く振ります。
「小麦粉は茶こしで振ると、ムラなくきれいに振れます。この後、鶏むね肉にバッター液をつけるのですが、このように先に小麦粉を薄く振っておくと、バッター液がしっかりつきます」(まさみさん)
(4)バッター液を作る
パン粉をしっかりつけるため、今回はバッター液を作ります。ボウルに小麦粉、水、溶き卵を入れ、ダマにならないようよく混ぜます。
「バッター液をつけると、パン粉をムラなくつけることができ、揚げた時にパン粉がはがれにくくなります。パン粉がしっかりつくので肉の縮みも少なく、サクサク&ジューシーに仕上がりますよ」(まさみさん)
(5)鶏むね肉をバッター液につけ、パン粉をつける
鶏むね肉全体にバッター液をつけたら、パン粉を両面にムラなくしっかりつけます。
(6)約170℃の油で5〜6分揚げる
揚げ油を約170℃に熱し、5〜6分揚げます。
「菜箸を入れてシュワシュワと泡が立ったら約170℃のサイン。鶏むね肉が大きいので気をつけて油に入れてくださいね。叩いて薄くしているので、2cmくらいの少ない油でカラッと揚げられます」(まさみさん)
途中で一度返し、両面がこんがり揚がったら取り出します。
「衣が固まる前にひっくり返すと、衣がはがれてしまうので、ある程度固まってから返しましょう」(まさみさん)
(7)ソースを作る
耐熱ボウルにウスターソース、みりん、水、ケチャップを入れ、ラップをせずに、600Wの電子レンジで2分加熱します。
「みりんが入っているので、加熱してアルコールを飛ばしてください。このソースが鶏カツと相性抜群なんです」(まさみさん)
(8)鶏カツを食べやすい大きさに切って、ソースをかける
こんがり揚がった鶏カツをバットにあげ、油を切って、食べやすい大きさに切ります。揚げたては熱いので、1〜2分置いてから切ってもいいですよ。サラダ菜の上に盛り付けたら、ソースをたっぷりかけましょう。
「ソースはこれが全量なので全部かけて味をしっかり染み込ませてください。ソースが染みると、もっとおいしくなりますよ!」(まさみさん)
(9)できあがり!
できあがると、想像以上に大きくてボリューム満点。その迫力に、撮影現場では思わず歓声が! ワクワクしながらひと口食べてみると、サックサクの鶏カツに甘じょっぱいソースがたっぷり絡んで……もう最高〜! 鶏むね肉を使っているので脂が少なく、さっぱりヘルシーなカツにじゅわっと染みたソースがたまりません。みんなごはんが止まらず、おかわり必至のおいしさでした。
「お手頃な鶏むね肉が1.5倍くらい大きくなり、見た目も豪華にボリュームアップ。ケチャップとウスターソースで作るソースは、子どもが好きな味。他の揚げ物にもおすすめです」(まさみさん)
「鶏むね肉は家計にも優しいし、これは揚げ物好きにはもってこいだな!」(まさるさん)
ごはんがモリモリ進む味なので、育ち盛りのお子さんがいる家庭では、お助けレシピになること間違いなし。ぜひ、試してみてくださいね。
次回は、寒い季節にぴったりのお助けメニュー「おでん」を紹介します。
【取材協力】
小林まさみ
料理研究家。結婚後、会社勤めをしながら調理師学校に通い、料理研究家を目指し、料理愛好家 平野レミさんのアシスタントなどを経て、独立。誰でも作りやすく、家庭的なアイディアあふれるレシピにファンが多く、テレビや雑誌、書籍、企業のレシピ開発、料理教室など、幅広く活躍。自身のオンラインショップ『台所用品と食「暮らしの仲間」』では、おすすめの台所用品や各地から厳選した食材、小林まさるの瓶詰め『まさる漬け』などを販売。料理本は『切りおき』(小学館)など著書多数。Instagram@kobayashimasami.masaru
小林まさる
昭和8年生まれ。小林まさみの義父。定年後70才から小林まさみの調理アシスタントを務める。78才でシニア料理研究家として活躍。長年料理をしてきた経験から、冷蔵庫の中にある食材でパパッと作るアイディア満点の家庭料理やおつまみが得意。著書に『人生は棚からぼたもち!』(東洋経済新報社)など。
取材・文/岸綾香