料理の幅が広がる濃厚「なすみそ」は万能常備菜でした!
nullなすはシンプルに浅漬けやぬか漬けにするだけでなく、油で炒めてから漬け込むと、味がじっくり染み込んだおいしい常備菜になると沼津さん。
「なすは旨味をよく吸い込むので、ちょっと濃いめの味付けにするのがおすすめ。このなすみそはごはんにのせてそのまま食べてもおいしいですが、炒め物に加えると一発で味が決まるので、調味料代わりにも使えてとっても便利なんですよ!」(以下「」内、沼津さん)
みそベースなので、どんな料理とも相性がよく、使いやすいのもイイところ。早速、作り方をチェックしてみましょう。
【材料】(作りやすい分量)
なす・・・2本(200g)
塩・・・少量
にんにく・・・1片
ごま油・・・小さじ2
きび砂糖・・・大さじ1
みそ・・・大さじ2
【用意するもの】
保存容器・・・1個
【作り方】
(1)なすは7〜8mmの角切りにする
なすはヘタを除き、縦7〜8mm幅に切り、さらに重ねて同じ幅に切ります。これを端からザクザク切って7〜8mmの角切りにします。
(2)なすに塩を振り、余分な水分を拭き取る
ペーパーを敷いたバットになすをのせ、塩を少量振って全体をなじませたら、そのまま3〜4分置いて、なすの水分を出します。水分が出てきたら、上からペーパーをのせ、余分な水分を拭き取ってください。
「この時、塩を振りすぎるとしょっぱくなるので注意しましょう。塩は少量でOKです。このひと手間をしておくと、なすの余分な水分が出て、ベチャッとせずにおいしく仕上がります」
(3)にんにくはみじん切りにする
にんにくは半分に切って芽を取り除き、みじん切りにします。みじん切りの大きさは好みで調整してくださいね。
(4)フライパンにごま油とにんにくを入れ、弱火にかける
フライパンにごま油とにんにくを入れ、弱火にかけます。焦げないよう、弱火でじっくりとにんにくの香りを油に移しながら、香りが立つまで炒めます。
「ここで、にんにくにしっかり火を通すことがポイント。にんにくは焦げやすいので、弱火でじっくり熱しながら、ごま油に香りを移してください」
(5)なすを入れ、中火で炒める
にんにくがきつね色になったらなすを入れ、中火にして炒めます。
「なすは最初に塩を軽く振ってアクも抜いているので、わざわざアク抜きのために水にさらす必要はありません。これで水っぽくなりませんよ。
弱火のままだと、なすの余分な水分が出てきてしまうので、なすを入れたら中火にして炒めましょう。あまりいじると温度が下がり、水分が出てくるので混ぜ続けなくて大丈夫ですよ」
(6)きび砂糖、みそを入れる
全体に透明感が出てきたら、きび砂糖とみそを入れます。
「きび砂糖を使うと、まろやかな甘さに仕上がります。今回はきび砂糖を使いましたが、普通の砂糖やみりんでも◎。なすを崩さないように優しく混ぜながら、みそを全体になじませてください」
(7)保存容器に入れて、粗熱を取る
みそが全体に均一になじんだら、保存容器に入れて、そのまま粗熱を取ります。
(8)冷蔵室で30分以上置いたら、できあがり!
冷蔵室で30分以上置いて休ませ、味がしっかりなじんだら完成です。保存期間は冷蔵で5〜6日を目安にしてください。
ひと口食べると、じっくり味が染みたなすの旨味が口いっぱいに広がって幸せ! やっぱりなすは、ごま油&みそと相性抜群です。濃厚で甘じょっぱくて、後引くおいしさ。これはいろいろアレンジできそうな予感!
「味が濃厚でしっかりしているので、調味料代わりに炒め物に使うとすごく便利。ひき肉100gに対して、なすみそ大さじ1を目安にして、キャベツなどの野菜と一緒に炒めてください。ごはんが進むおかずになりますよ。
他にも、おにぎりや卵焼きの具にしたり、うどんに和えたり、チーズをたっぷりのせてグラタンやドリアにしてもおいしい。ちびちびつまんで、日本酒の肴にも最高です!」
ごはんのお供はもちろん、炒め物の調味料やアクセントになる具材としても使えて、まさに万能! 料理のバリエーションが豊かに広がるので、ぜひいろいろ試してみてくださいね。
次回は、冬が旬の食材を使ったちょこっと漬けをお届けします。
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)、『食品保存大全』(主婦の友社)など多数。Instagram@rienumadu
取材・文/岸綾香