外界をシャットアウトして、自分の呼吸と向き合おう
nullヨガの世界では、浄化法のひとつであるという「呼吸」。いくつもの呼吸法がある中、今回は1日の疲れを浄化するのにぴったりな「寝る前の呼吸法」を紹介します。
今回教えてもらったのは「ブラーマリー」という呼吸法。サンスクリット語で「蜂の音」を意味します。
「鼻から息を吐きながら、まさに蜂が飛んでいるような音を出す呼吸法です。音や光を手でシャットアウトして、自分の体の中に音だけを心地よく響かせます。この呼吸法を行うと、とても気持ちよく、心が静かに整います。寝る前に行うと心身を穏やかにし、深い眠りへと導いてくれますよ」(以下「」内、若松さん)。
なるほど、音を出す呼吸法があるとは驚き! 早速、試してみましょう。ちなみに、他の呼吸法は以下を参考に行ってみてくださいね。
「片鼻呼吸法」の詳しい方法はこちら。→【おうちでヨガレッスン#1】「片鼻呼吸法」で自律神経を整え、忙しい私の心身と向き合う
「朝の呼吸法」の詳しい方法はこちら。→「朝の呼吸法」でスッキリ目覚めて、1日をスタート!【おうちでヨガレッスン#9】
寝る前呼吸法「ブラーマリー」の行い方
null(1)仰向けになり、力を抜いて呼吸の準備をする
仰向けになり、両足を心地よい幅に開きます。脇の下に小さなスペースを作り、両腕の重みは床に下ろしましょう。そっと目を閉じて、眉間をゆるめ、目の奥を柔らかく保ちます。舌をゆるめ、のどの奥の空洞を感じましょう。
(2)音や光をシャットアウトする
準備ができたら、両方の親指でそれぞれ耳を塞ぎ、外の音をシャットアウトします。さらに、人差し指、中指を目の上にそっと添え、光もシャットアウトします。薬指、小指はそっと顔にのせましょう。
(3)鼻から息を出しながら、口を閉じたまま「んー」と音を出す
胸の周りを柔らかく保ち、ここから呼吸法に入ります。3回行います。
今ある息を鼻から全部出し切って、鼻から息を吸います。鼻から息を出しながら、口を閉じたまま「んー」と音を出します。
鼻から息を出すと共に音が鳴るので、ハミングをするようなイメージで、体中に響く振動を内観しましょう。
(4)音の余韻を味わう
3回終わったらそっと手をほどき、音の余韻を味わいます。
撮影現場で若松さんが「んー」と音を出すのを聞いているだけで、心が静かに落ち着きました。お寺の鐘を鳴らした後の余韻の音にもちょっと似ているからか、気持ちが浄化されるようでした。
実際に自分で行ってみると、口を閉じたまま「んー」と音を出すと、音が細かく体の中に振動して響き渡るのを感じます。音と光をシャットアウトするので、音と呼吸だけに集中することができ、たった3回でも束の間「無」の状態になることができました。
心の中で波だった気持ちがシーンと静まるような心地よさがあり、騒がしかった1日の疲れをリセットでき、これは穏やかな気持ちでよく眠れそうです。
いかがでしたか? ぜひ、「寝る前の呼吸法」で、早速今夜から深い眠りを味わってみてください。次回は、1日の終わりにおすすめの「夜ヨガ」を紹介します。
取材・文/岸綾香
【取材協力】
若松由貴子
心と身体をバランス良く鍛えることができるオンラインスタジオ『Veda Tokyo』所属。さわやかな笑顔と丁寧で分かりやすいレッスンが人気。アディダスグローバルランニングコミュニティadidas Runners Tokyoのヨガ講師を務める。2015年より毎年インドに渡り、ヨガの学びを深めている。指導歴10年。2児の母。