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日傘の寿命は何年?「お手入れのコツ」と「正しい捨て方」を傘のプロに聞きました

日傘(傘)の寿命を知っていますか? 「使用頻度にもよりますが、約2年」とは、老舗傘メーカー『小川』の営業・小川太志さん。生地のスレによる撥水性や骨の劣化が進むため、2年を目安に買い替えたほうがいいのだとか。

また「正しく使うことやお手入れをすることも、長持ちのコツ」とは商品を企画する矢頭由妃さん。傘のプロフェッショナルお2人に、詳しく伺いました。

使い方とお手入れのコツ

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「きちんとたたむ」ことが大事

きちんとたたむって、案外できていないかも。

矢頭由妃さんによると、もっとも基本であり、なおかつ大事なのは「きちんとたたむこと」なのだとか。とくに利便性の高い折りたたみ傘は気をつけたほうがいいそう。

「傘は人間と同じで、骨がゆがんだままになっていると傷みやすいんです。また、生地もぐちゃぐちゃのままにしていると、くっついてしまったり、くっつきを剥がす際にコーティングが傷つく可能性もあります。

急いでたたむこともあると思いますが、もし骨がゆがんでいたり生地がぐちゃぐちゃになっていたら、時間のあるときにたたみ直しましょう」(矢頭さん)

濡れたら「陰干し」する

雨が降って濡れた場合は、陰干しをします。

「濡れたまま閉じた状態にしていると、生地にカビが出たり、骨がサビたりしてしまいます。風通しのよい場所で陰干ししてくださいね」(矢頭さん)

保管は「風通しのよい場所」で

クルマの中に積みっぱなしにしている傘がある、という方も多いのでは? 小川さんによると、これもNG。暑さで生地が傷んでしまうそうです。

「とくに夏場、クルマの中はものすごい温度になります。暑すぎる環境も傘にとってよくないので、クルマに積みっぱなしにするのは避けていただいたほうがいいですね」(小川さん)

防水スプレーをかける

傘の機能には、「撥水性」と「防水性」の高さがあります。

「傘は、生地が水を弾くよう、傘の表面に撥水コーティングをしています。そして、水を浸透させないよう、傘の裏側には防水コーティングを施しています。

ただ、使ううちに撥水性は落ちてきます。その場合、市販の防水スプレーを、1カ月に1~2回程度スプレーしてあげるといいでしょう。とても簡単な方法ですが、生地がしっかり乾いている状態でないと意味がないので、乾かしてから行いましょう」(小川さん)

正しい捨て方

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残念ながら壊れてしまうことも。(画像提供:小川)

激しい風雨にさらされたり、長年使っていたりすると、傘も壊れてしまいます。そうなったら捨てなければなりませんが、さまざまな素材を用いて作られている傘は、捨て方がわかりにくいもの。

『小川』によると、正しい捨て方には次のようなパターンがあるそうです。

パターン1:不燃ごみや粗大ごみとして捨てる

傘は「燃えない=不燃ごみ」として扱う自治体が少なくないようです。また、ガラスや金属ごみとして扱う自治体も。そのような地域であれば簡単で、指定のごみの日にごみ袋に包んで処分すれば問題ありません。

ただし、50cm以上を超える大きな傘は粗大ごみに該当する場合があります。この場合はもちろん粗大ごみの日に出すようにしましょう。

パターン2:分解して分別する

地域によっては傘を素材ごとに分別して捨てなければいけません。

傘は主に、次の3つに分けられます。

  1. 柄などのプラスチックパーツ
  2. 骨などの金物類
  3. ビニールまたは布

ハサミなどを使って分解するのですが、傘によっては「グラスファイバー」と呼ばれるプラスチックのような見た目で鉄よりも軽く丈夫な素材を使用したものも。分解時に切断面を触ってしまうとガラス製のトゲのようなものが刺さり、チクチクとした痛みが生じる場合もあるのだとか。

「グラスファイバーを使用している傘の場合は、無理に分解をせず、特にグラスファイバー部分は切断したり折ったりということは絶対にしないでください。

なお、骨組みは広がらないように、紐などでしっかりと縛ってから出すと親切です。ビニールの傘布は地域によってはプラスチックごみにあたることがあります。反対にプラスチックを可燃ごみとして扱っている地域もあるので、必ず確認するようにしてください。布地のものであれば、可燃ごみとして捨てられますよ。上手に分解できればベストですが、どうしても分解できない場合は粗大ごみとして出すのがおすすめです」(小川さん)

自治体によっては回収ボックスなども

傘の捨て方は地域によって大きく異なり、捨て方のルールや分別方法にもばらつきがあります。自治体のホームページや各家庭に配布されるごみの分別表などで、ルールをチェックするようにしましょう。

「自治体によっては、資源回収ボックスやリサイクルセンターを設置している自治体も存在します。分別が厄介という方は、そういったところを利用するのもひとつの手です」(小川さん)

お話を伺った、「小川」の営業・小川太志さん(写真右)と企画・矢頭由妃さん(写真左)。

とりわけ日傘は、夏場は毎日のように使うもの。近頃ではゲリラ豪雨など、突然の雨もありますから、つねに傘を携帯しているという方もいるでしょう。

大切な日傘(傘)だからこそ、基本的な知識を身につけて、長く使いたいですね。

【取材協力】
小川

ニイミユカ
ニイミユカ

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote

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