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「電池」にも「使用期限」があるって知ってた?防災用に備えるなら「ローリングストック」がおすすめです

ふいの電池切れや、万が一の災害に備えて、電池をストックしている方は多いでしょう。ところで、その正しい保管方法をご存知ですか? 電池に詳しい『電池工業会』長谷洋志さんにアドバイスをいただきました。

電池には使用推奨期限がある

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筆者が2025年9月に購入した電池は、使用推奨期限が2030年でした。

単三電池や単四電池などの「一次電池」には、使用推奨期限があります。これは“この期限内に使うことをおすすめする”というもので、メーカーそれぞれが決めているものなのだそう。

「使用推奨期限は一概に決まっているわけではありません。各メーカーが、JIS規格(ジス/日本産業規格)が定めた温度・湿度で保管し試験した結果から、何年までであれば特性を満足できるかで決められています。

使用推奨期限を過ぎたからといって、使えないわけではありません。しかし、過ぎてしまうと短寿命になったり液漏れのリスクが高まったりするので、あまり好ましくありません」(以下「」内、全て『電池工業会』長谷洋志さん)

使用推奨期限は、電池本体の側面もしくはマイナス極側か、包装面に記載されているそうです。ストックしている方は、一度チェックしてみましょう。

保管は「常温・低湿度」の場所へ

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車の中は暑くなることがあるので、電池にはあまりよい環境といえません。画像提供/電池工業会

電池の保管は、常温で低湿度の場所がよいそうです。反対に、だめなのは高温多湿や直射日光があたる場所。

「湿度が高いと電池に水分がつき、サビたり液漏れしたりショートしたりする原因になります。また、高温の環境に長い時間放置すると性能が低下してしまいます。

まれに、冷蔵庫や冷凍庫は湿度が低いからと入れている方がいらっしゃるのですが、開けたり閉めたりする中で発生する結露がショートやサビの原因になります。冷蔵庫や冷凍庫に保管するのはやめましょう。また、車の中も夏場はとくに高温になるので、電池を保管するのには向きません」

それから、前回もアドバイスいただいた、工具箱の中のような金属類が触れ合う環境もNGです。

筆者は防災用品をまとめた箱にストックしているのですが、湿気が気になったため、乾燥剤も一緒に入れてみました。皆さんの保管場所は、いかがですか?

万が一の備えは「使用機器」と「使用したい時間」を考えてストックする

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使うものと一緒に保管しておくと、万が一のときにもスムーズです。

防災用品に電池を入れる場合、何をどれくらい、どのようにストックすれば安心できるのでしょうか。

「ご家庭により、何を備えの機器として置いているかにより異なります。たとえばヘッドランプを家族の人数分供えているのなら、その電池サイズと使いたい時間を考えて、必要な本数をストックすることが大事です。一般的には3日分の備えなどと言いますが、3日なのか1週間なのか、ご自分の使いたい期間をイメージしてみてください。

また、防災リュックなどに入れておく場合は、高温多湿な環境は避けて、使用推奨期限の新しいものを入れておきましょう。それから、使用推奨期限が古くならないように、食品と同じようにローリングストックするのがおすすめです」

4本入りで、2本だけ残っていた新品の電池。パッケージに包まれているので大丈夫。

ちなみに、入れておく電池のパッケージは開封済みでもOK

1本だけ使い、あと3本はビニールに包まれているという状態がありますよね。これは新品と同じ状態なので、安心してください」

電池は食べ物と同じく鮮度が大事です

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必要なときに、最大限のパフォーマンスを発揮してもらうためにも、電池も食べ物と同じように、なるべく使用推奨期限が長い鮮度の高いものを備えることがポイントということがわかりました。次回は、正しい捨て方などについて伺います。

【取材協力】
電池工業会

ニイミユカ
ニイミユカ

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote

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