こんにちは、島本美由紀です。連載第7回目のテーマは「大根」。今の季節、大根は安くて美味しいので、食卓での出番も多いと思いますが、保存方法を間違えるとすぐに乾燥して味も悪くなってしまいます。正しい保存方法で、大根本来の美味しさをしっかりキープしていきましょう。
美味しい大根の選び方
今が旬の大根。まずは、新鮮で美味しい大根の選び方をご紹介します。
・色白ですべすべのものがベスト
大根は葉がいきいきとしていて、身は色白で毛穴が少なく、すべすべのものが新鮮で美味しいです。カットしてあるものの場合は、切り口を見て「ス」(空洞)が入っていないものを選ぶようにしてください。
・カット大根は用途に合わせて選ぶ
カットしてあるものを購入する際は、料理に合わせて部位を選ぶようにしましょう。
(葉元)固めで甘味が強いので、サラダや甘めのおろし、薄味の煮物に適しています。
(中間)柔らかく、甘みと辛みのバランスがいいので、おでんやふろふき大根など、味の濃い煮物に向いています。
(先端部)水分が少なく辛みが強いので、汁物の具や辛めのおろしにおすすめです。
大根の冷蔵保存の仕方
1本ものの大根は、葉を切り落としてから、身を3つに分けて野菜室で保存します。
・葉は切り口を湿らせる
まずは、葉元ギリギリのところに包丁を入れて葉を切り落とします。切り口に湿らせたキッチンペーパーを巻いてポリ袋に入れ、立てた状態で保存します。葉はビタミンAが豊富なので、捨てずに刻んで青みとして使いましょう。
・身は3つの部位に分ける
先ほど説明したとおり、身は部位ごとに味わいが違うので、葉元、中間、先端部の3つの部位に切り分けます。それぞれをキッチンペーパーで包んでから保存袋に入れて保存しましょう。キッチンペーパーが湿ってきたら必ず取り替えます。
なお、すでにカットされている大根を購入した場合も、同じようにキッチンペーパーで包んでから保存袋に入れて保存します。
大根の冷凍保存の仕方
大根はカットもしくはおろした状態で冷凍することができます。冷凍すると味がしみやすくなり、煮物なども短い時間で調理できるのでとても便利です。
・葉は塩もみをしてから
大根の葉の部分は、細かく刻んでから緑色の汁が出るまで塩でもみ、水洗いしてよく水分を絞ります。使いやすい分量ごとにラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。自然解凍をして和え物やごはんに加えれば、鮮やかな彩りがプラスされます。
・身は使いやすい大きさに切る
身の部分は皮をむいてから、部位に合わせて厚さ2cm程度の輪切り、いちょう切りや短冊切りなど、自分が使いやすい大きさに切り、それぞれを冷凍用保存袋に入れて冷凍します。調理の際は、凍ったまま使用できるので便利です。
・大根おろしは水分を切って冷凍
大根おろしは余計な水分を絞ってから保存袋に入れます。保存袋に入れた大根おろしは、平らにして上から箸で折り目をつけておくと、使うときに取り出しやすくて便利です。製氷皿やアルミカップに入れて冷凍してもいいでしょう。
・大根おろしは自然解凍で
カットした大根は凍ったまま調理しますが、大根おろしは自然解凍したのち、そのまま焼き魚等に添えていただきます。大根おろしや薄切りの大根は、冷凍しても食感がほとんど変わりません。
大根の保存期間の目安
大根の保存期間の目安は、以下のとおりです。
・冷蔵保存の場合の目安
葉も身も冷蔵庫の野菜室で10日ほど持ちます。身の部分のキッチンペーパーの取り替えを忘れずに。
・冷凍保存の場合の目安
冷凍の場合は、3~4週間が保存の目安。冷凍すると味がしみやすくなるので、煮物などにどんどん活用していきましょう。
ラクワザ!「簡単下ゆで」で大根がさらに美味しく
大根は調理前にお米のとぎ汁で下ゆでをしておくと、苦味や臭みが取れて、味もしみやすくなるため、煮物などがさらに美味しくなります。
ただ、わざわざお米のとぎ汁を用意して下ゆでするのって、正直かなり面倒ですよね。実は大根の下ゆでは、お米のとぎ汁がなくても簡単にできるんです。
・とぎ汁の代わりにそのままお米を投入
大根の下ゆでは、とぎ汁の代わりに、水と大根を入れた鍋にお米を大さじ1~2杯加えて煮るだけでOK。その際、お米をお茶パックに入れておくと、煮ている間にお米が散らばらないので、後片付けもラクにできます。
いかがでしたか? 今までは保存方法に自信がなくて、いつもカット大根ばかり買っていたという方。ぜひ、次は1本ものの大根を買ってみてください。大根は凍らせると味がしみやすくなるので、時間のあるときに買った大根をまとめて冷凍しておくのもおすすめです。
構成・文/土田奈々子