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バジルや枝豆は自宅で育てて節約!食卓が大充実する「夏野菜」と「育て方のコツ」

「青ジソやスイートバジルなどのハーブ類は、ベランダでも育てやすく、自分で育てたほうがお財布にも優しいですよ」園芸歴20年、培養土メーカーで直営ガーデンセンターも運営している『プロトリーフ』の佐藤健太さんは語ります。植えるときにひと工夫すれば、1苗で鉢にぎっしり!も夢ではないのだとか。

他にも、今から育てれば食卓が大充実する夏野菜はいろいろ。今回は、「おすすめの夏野菜」と「育て方のコツ」を教えていただきます!

「あるとうれしい夏野菜」は自分で育てよう

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薬味にしたりお弁当の仕切りに使ったりと、ふいに1〜2枚ほしくなる青ジソ。パスタやソースに、たっぷり使いたいスイートバジル。大好きな人は“追いパク”して贅沢にたのしみたいパクチーなど。いわゆる“ハーブ”は、買うと案外高くつき、思う存分に使うってなかなか難しいもの。

園芸のことならなんでもお任せあれ。

「だからこそ育てましょう!」というのは、『プロトリーフ』の佐藤健太さんです。

佐藤さんによると、ハーブ類のように、野菜によっては育てたほうが遠慮なくたっぷり使えるものがあるとのこと。また、育てる楽しみがある野菜もあるそうですよ。

さっそく教えてください!

青ジソ&スイートバジル

爽やかな香りとさっぱりとした味わいの「青ジソ」。その香りには腐敗防止作用があるそうです。
甘く爽やかな香りの「スイートバジル」はイタリアンに。草丈は30〜60cmくらいになります。

<必要な道具と資材>

  1. 苗1ポット
  2. 6~8号(14〜18cm)のプランター
  3. 培養土10Lほど
  4. 底石(鉢によっては鉢底ネットも)

バジルの苗。株元を見ると、たくさんの幹が集まっていて、1本ずつばらせます。

<植え方>

「ハーブ類の中でも、使いやすい青ジソとスイートバジル。根がさほど深くならないので、浅めのプランターに植えても大丈夫。

種から育てる方法もありますが、おすすめは苗をばらして植えること。そもそも葉野菜の苗は種から育てられているので、1つのポットに何株か生えている場合が多い。バジルならモヤシのように詰まっていますし、シソなら34本が一緒に生えています。キズつけないよう、優しくばらして別々に植えると、鉢がぎっしり埋まるほど生えますよ」(以下「」内、佐藤健太さん)

<育てるときのポイント>

  • 花は摘む

「花を咲かせるにはエネルギーがかかり、風味が落ちてしまいます。可哀想なようですが、つぼみができたら摘んでください」

  • 1シーズンで終わり

「青ジソとバジルはシソ科の1年草です。その名の通り、基本は1シーズン楽しんで終わりにしましょう。都内なら、寒くなる11月くらいに刈り取ります。

種も取れなくはないですが、花を咲かせる必要があります。そうすると、肝心の風味が落ちてしまう。苗も種もリーズナブルなので、毎年新しいものを育てるほうがおいしくいただけます」

オクラ

日当たりがよく、水はけがよい土が好きな「オクラ」。

<必要な道具と資材>

  1. 苗1ポット
  2. 10号の鉢
  3. 培養土15Lほど
  4. 底石(鉢によっては鉢底ネットも)
  5. 支柱(支柱と苗を結ぶ天然素材の紐も準備)

オクラも株元を見ると、幹が分かれています。

<植え方>

「薄黄色の花が綺麗で、鑑賞価値も高い野菜です。成長すると背が150cmほどと高くなるので、ミニトマトと同じく、苗を植えたら支柱で支えてください。

オクラもばらして植えることができますが、ばらさずに植えてもOKです」

<育てるときのポイント>

  • 水やりをしっかりする

「水が大好きです。鉢の様子を見ながら、たっぷりあげてください」

  • 追肥(ついひ)もしっかりとする

「花が大きいので、肥料をしっかりとあげます。まずは、苗を植えた2週間後に1回、花が咲いたら1回、その後は12カ月に1回が目安です」

  • 実ったらどんどん食べる

「スーパーなどで見かけるぐらいの大きさに育ったら、収穫して食べましょう。育ちすぎると硬くなってしまいます。9〜10月くらいまでは楽しめるでしょう」

枝豆

枝豆の苗。(写真提供:プロトリーフ)

<必要な道具と資材>

  1. 苗1ポット
  2. 8号の鉢
  3. 培養土12Lほど
  4. 底石(鉢によっては鉢底ネットも)

<植え方>

「上に伸びて実がなる野菜の中でも、枝豆は比較的コンパクトで、幹も丈夫です。ですので支柱はいらず、鉢は8号あれば1苗育てるのには十分でしょう。

真っ直ぐに伸び、収穫も苗から植えて4060日と早いのが特徴です。豆類は成長が早く、実る様子を見るのも楽しい野菜。お子さんと一緒に育てるのもおすすめです」

<育てるときのポイント>

  • 水やりはしっかり、肥料は少なめでOK

「豆類は、根粒菌(こんりゅうきん)という大気中の窒素をアンモニアに変換し、植物の生育に欠かせない窒素を供給する働きをする菌と共生します。だから、肥料が少なくても育てやすいんです。僕は肥料なしで育てたこともあります。お水はしっかりあげてください」

  • 収穫したら3日以内に食べる

「採ってから3日以内が、栄養価も高くておいしい。一般的には3日以内のものが出回ることは少ないので、育てるからこその醍醐味を味わってくださいね」

  • 一度実ったら終わり

「およそ1カ月の間に100さやほど収穫できると思います。実がならなくなったら刈り取って終わりましょう」

5月中旬までに始めるとベスト

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園芸初心者でも、お子さんでも、基本的な知識をもち、水やりや肥料などをしっかりあげれば、おいしい夏野菜をどっさり収穫!も夢ではないと佐藤さん。物価高対策はもちろん、お子さんの夏休みの自由研究に今から備えるのもありかも!?

「5月中旬くらいまでに始めると、根がしっかりはるので夏場の猛暑にも耐えられ、収穫期間も長くなり、ベストです!」とのこと。みなさんもベランダ菜園を始めてみませんか?

撮影/田中麻以(小学館)

【取材協力】
プロトリーフ

ニイミユカ
ニイミユカ

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote

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