「さつまいもといえば食物繊維」は本当?ちょっと意外な栄養情報
nullカロリー高めのイメージだけど、実際は?
甘みの強いさつまいもはお好きな方も多いはず。でもちょっとカロリーが気になりますよね。100gあたりのエネルギーで比べると、さつまいもは140kcal、かぼちゃは91kcal、じゃがいもは70kcal。比較するとさつまいもはやはりカロリーが高めです。
ちなみにご飯は100gあたり168kcalで、さつまいものほうがやや低くなります。食べる量には気をつけて取り入れてくださいね。
ただ、一概にダイエット中に避けるべきという意味ではありません。さつまいも1本はおおよそ250gで350kcalですが、これは1人で食べるにはかなりのボリューム。
一般的に、間食のエネルギー量の目安は200kcal以内とされています。クッキーだと3枚程度で200kcalになりますが、焼き芋ならば1/2本は安心して食べられる計算になります。十分に満足感がありますね。
またさつまいもにはビタミンCやカリウムが含まれています。通常は熱に弱いビタミンCですが、さつまいもに含まれるビタミンCはでんぷん質に包まれているため熱に強いのが特徴。甘くておいしいだけでなく栄養もきちんと摂れる野菜なんです。
ダイエット中には気になる糖質量と食物繊維量
甘いさつまいもは糖質が多いイメージ。
さつまいも100gに含まれる糖質は30.3g、食物繊維は2.8g。ちなみにご飯100gの糖質は35.6g、食物繊維は1.5gと、さつまいものほうが2倍近い食物繊維を含んでいます。また、じゃがいもの食物繊維は100gあたり9.8g、かぼちゃは3.5gと意外にもさつまいもの食物繊維はそれほど多くありません。
しかし、さつまいもには食物繊維以外にも便秘改善に効果が期待できる成分が。さつまいもを切ると切り口に付着する白い成分「ヤラピン」は、まだ研究が進められている段階ですが、整腸作用を高める働きがあると言われています。食物繊維との相乗効果が期待されています。
放っておいたら芽が出ちゃった!さつまいものおすすめ保存方法
nullさつまいもは室温での保存が基本です
さつまいもは乾燥と低温に弱いので、冷蔵庫に入れずに常温で保存してください。乾燥を防ぐため新聞紙に包み、風通しのいいところで保存します。さつまいもは掘ってから1~2カ月経った方が甘みが出るため、掘ったばかりのさつまいもが手に入った時も同様に新聞紙で包んでしばらく寝かせます。
ただし温度には気をつけてください。暑い時期は常温で置いておくと芽が出てしまう可能性があります。芽に栄養が取られると味も落ちてしまうので、暑い季節は常温ではなく、野菜室での保管がおすすめです。
その場合は、乾燥しないようにさつまいもを新聞紙に包んでから保存袋に入れて、しっかり口を閉じて野菜室へ。カットしたさつまいもは傷みやすいのでラップに包んでから野菜室に入れてくださいね。
さつまいもは冷凍できる?
さつまいもは冷凍保存ができます。生のまま冷凍する場合は、カットしてから。1~2cm程度の厚さがおすすめです。皮付きのまま冷凍すると調理したときに煮崩れにくくなりますよ。いちょう切り、細切りなど使いたいレシピに合わせて切り方を変えて冷凍しておくと使いやすくなります。
また、加熱してマッシュしたさつまいもを冷凍しておくと、ポタージュスープ、サラダ、スイートポテトなどに使えて便利です。そのほか冷凍保存におすすめなのは焼き芋! 冷凍した焼き芋は、3分ほど常温で解凍するとアイスのような食感で楽しめます。焼き芋をたくさん作ったときは、冷凍も試してみてくださいね。
じっくり時間をかけるのがポイント!さつまいもの調理の基本
nullふかし芋をレンジで作るときの裏ワザ
さつまいもはふかしただけでも甘みがあっておいしいですよね。ふかし芋は電子レンジでも蒸し器で蒸しても作ることができます。
電子レンジで作る場合は、低めのワット数でじっくり加熱すると甘みが出ます。1本丸ごと加熱する場合は、濡らしたキッチンペーパーで包んでから、隙間ができないようにラップでしっかりと包みます。
加熱時間の目安は200wで8~10分。お使いのレンジに200wの設定がなければ解凍モードで加熱します。加熱が終わったら竹串を刺して、太い部分でスッと通れば完成です。
高いワット数のほうが早く火が通りますが、この方法で調理したものの方が断然甘さは勝ります。少し時間はかかりますが、試してみる価値ありですよ。
蒸し器で蒸す、鍋で茹でるときは加熱時間30分が目安
丸ごとのさつまいもを蒸し器で調理する場合は、火をかける前の蒸し器に入れ、最初は強火で湯気が出るまで加熱し、その後弱火で30分じっくり蒸します。ねっとりと甘みのある蒸かし芋ができますよ!
茹でる場合は、鍋にさつまいもが被るくらいの水を入れて沸騰させたら弱火にし、30分ほど加熱します。
蒸す場合も茹でる場合も、加熱時間はさつまいもの太さに合わせて調整してください。
いずれの調理法でも、切ってから調理するとより短い時間で火が通ります。切ったさつまいもは、塩を少し入れた水で切り口を洗ってから蒸かすと切り口が滑らかに仕上がります。前述したヤラピンという成分が切り口に膜を張るため、洗わずにふかすと口当たりが悪くなります。
おうちでもできる!おいしい焼き芋の作り方
オーブンで作る場合は、アルミホイルでさつまいも全体を包みます。加熱時間は予熱なしで160℃90分が目安。
オーブンがない場合は、電子レンジでも作ることができます。濡らした新聞紙でさつまいもを包み、電子レンジで600Wで2分加熱し、200Wで10~15分加熱します。加熱が終わったら、竹串を刺して火の通りをチェックしてくださいね。濡らした新聞紙で包むことで、ホクホクとした食感に仕上げることができます。短時間で作れるので、おやつにもぴったりです。
ホクホク甘い食感で、加熱するだけでおいしく食べられるさつまいも。カロリーがちょっと気になるとはいっても、小腹が減ってお菓子やパンを食べるよりは食物繊維も摂取でき、ずっとヘルシーです。そのまま食べるだけでなく、おかずにもぜひ活用してみてくださいね。
撮影/田中 麻以(小学館)
【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・厚生労働省「e-ヘルスネット」間食のエネルギー(カロリー)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-013.html
・JAグループ「とれたて大百科」
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=38
・農林水産省「消費者の部屋」サツマイモの切り口から出る白い液体はどんな働きがあるのですか。
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1809/03.html
・「新・野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店
(全て最終参照日 2020/08/06)