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冬に向けて光熱費を抑えたい!節約アドバイザーが実践する光熱費削減テク

食費にガソリン代など、あらゆるものの値上がりが激しい昨今。光熱費もばかになりません。節約アドバイザーでありファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、冬に向けてすぐに実践できる節約テクニックを聞きました。

光熱費節約には最新家電への買い替えが吉!?

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10年以上前の冷蔵庫をお持ちの場合は、買い替えによる光熱費削減のメリットを感じるはず。

夏場のエアコン代だけでなく、これからは暖房費もかさむ時期。さらに、日照時間も短くなるため電気をつける時間も長くなり、電気代も気になります。意外ですが、丸山さんのおすすめは最新家電への買い替え

「お使いの電化製品が古い場合、最新家電にするのも一つの方法です。電化製品も年々値上がってはいますが、最新家電は節電を意識したものがほとんど。いま使っている家電との消費電力の差をチェックするには、環境省の省エネ製品買換ナビゲーションサイト『しんきゅうさん』が便利ですよ」(以下「」内、丸山晴美さん)

購入するベストタイミングは、新機種が発売される入れ替えの時期

「それがまさに今! 一つ前のモデルがお得に購入できます買い替えるときは、長期保証をつけるのを忘れずに。購入して数年で壊れると、また何万~何十万円もの出費になります。エアコン、冷蔵庫、洗濯機などは近年値上がりしているので、とくに長期保証をつけることをおすすめします」

本格的な寒さが訪れる前から!5つの光熱費節約テクニック

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1:ウォームビズ+ウォームシェアで家族団らん

環境省が平成17年度から呼びかけている「ウォームビズ」も、環境にやさしいだけでなく節約に貢献! しかも一般的に、電力による冷暖房を行う場合、室温設定による省エネ効果は夏より冬のほうが大きいのだとか。

「ウォームビズに加えて、家族で一つの部屋で過ごして、暖房・照明・テレビなどを共有するウォームシェアも合わせると、一層効果的。家族の仲も深まりますね」 

【今日からできるウォームビズ+ウォームシェア】

室内でも暖かい恰好をするのは基本。

<衣>

「近頃は保温性の高い衣服も充実しています。肌寒いと感じたら、まず衣服で調整しましょう。さらに、首・手首・足首など冷えを感じやすい部分を温めるのもおすすめ」

とくに、下着や靴下など直接はだに触れる部分に機能性素材のアイテムを使うと、体幹から温まるのだとか。さらに、ひざ掛けやストールを活用するなどというのも一つの方法です。

冬に鍋を囲むのは理にかなってます。

<食>

「冬は湿度を上げると体感温度が上昇するといわれているので、リビングで鍋を囲むのもおすすめ。体も室内も温まりますよ」

冬が旬の根菜類や、生姜などの体を温めるといわれている食材をいただくのもウォームビズです。

「暖房効率を上げるための工夫も大事です」

<住>

暖房器具の設定温度は、室温が20度になるように調整するのが基本。

「厚手のカーテンをつけて、窓から暖かい空気が逃げないようにしましょう」

冬場、家全体の暖かい空気の50%ほどが窓から逃げているとの調べもあるので、断熱シートを活用しても。

2:暖房器具は早めにオフ

エアコンは汚れがたまらないよう、定期的にお掃除を。

エアコンやガス・石油ファンヒーターなどの暖房器具は必要な時だけとし、早めにオフにするよう心がけます。

「お出かけや就寝の15分前にはスイッチをオフ。つけっぱなしもやめましょう。エアコンの室温20度に設定した暖房を1日1時間短縮すると、1シーズンで約1,260円の節約になるという調べもあります

また、エアコンのフィルターも2週間に1回を目安に掃除をすると、年間約990円もの節約になる、と丸山さん。ガス・石油ファンヒーターもフィルター掃除を心がけることで、性能をしっかり発揮してくれるそうです。

さらにこたつも、設定温度を低めにする、こたつ布団に上掛けや敷布団を合わせるなどすることで、省エネに。電気カーペットも、設定温度は低めにし、断熱マットを併用したり、広さにあったサイズを選んだりすることが大事です。

3:保温機能は基本的に使わない

電気ポット、炊飯器、ウォーターサーバーの保温機能の見直しを。

「電気ポットや炊飯器、ウォーターサーバーなどの保温機能は、電気代がかさむ原因になります。お茶を飲む程度なら飲む分だけ沸かす。ごはんが炊けたら保温を切って必要なぶんを食べ、残りは小分け冷凍。都度、必要なぶんだけ電子レンジで温め直すほうが省エネです」

案外見落としがちなのが、暖房便座。機種にもよりますが、設定温度を中から弱へ一段下げた場合、年間約820円の節約になります(貯湯式/冷房期間はオフ)。

「外出中など、長時間使わないときはスイッチオフ。もしくは、スイッチオフして100円均一などで手に入る“貼る便座シート”を付けると、座ったときのひんやり感が緩和されます」

4:ガス代の節約には給湯パネルの見直し

温度設定を少しだけ変えることでも、ちりつもで節約になります。

給湯パネルはつけっぱなしにせず、使うときだけオンにするのは基本。そのうえで、ガスの使用量の中でも大きな割合を締めるお風呂は、毎日の心がけでかなりの節約になるそうです。

給湯パネルの設定温度は、42度から40度に設定を変えると、年間約2,645円の節約になります。また、お湯張りの湯量の設定も少なくしましょう。お湯が20L減るだけで、年間約4,852円の節水&節ガスになります。さらにお風呂を沸かすときや入浴後はお風呂のフタを閉めると、年間約4,039円の節約になりますよ」

そのうえで、家族ができるだけ続けて入浴し、沸かし直しをやめるだけで年間約3,174円の節約になるそうです。「生活スタイルもあると思いますが、できれば実践を」

5:止水ボタン付きの節水シャワーヘッドへ交換

冬場のシャワーは夏場よりお湯を使いがち。

冬場のシャワーは、体を温めながら使いがちで、ガスと水道代がかさみます。一人1分短くするだけで節約になります」。

丸山さんのおすすめは、付けるだけの簡単節水シャワーヘッドの活用です。

「節水シャワーヘッドとは、シャワーの勢いを強くして、少ない水でも快適に洗える仕組みです。付け替えることで節水と節ガスになり、さらに手元で止水ボタンがついているものなら、こまめにお湯が止められるので、年間約9,704円の節水・節ガスになります」

また、シャワーの設定温度も42度から40度に下げると、約9%の省エネに。年間約2,939円の節約に貢献してくれるそうです。

こまめなオンオフ、調整が光熱費削減のカギ!

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地球環境を考えた省エネにつながるアクションは、お財布にもやさしいことがわかりました。しかも、オンオフや設定温度の調整など、ちょっとした心がけで実践できる節約ばかりです。家族で協力して、この冬は光熱費をぐっと削減しちゃいましょう!

 

※節約例は、4人家族で試算

撮影/五十嵐美弥(小学館)

 

【参考】

環境省「COOL CHOICE」
経済産業省 資源エネルギー庁
関東電気保安協会
東京ガス「ウルトラ省エネブック」


【取材協力】

丸山晴美さん

節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、「ゆとりうむプロジェクト」理事。1974年、新潟県生まれ。東京でフリーターをしていた21歳のときに「家を買おう」と思い立ち、会社員となり、頭金を貯め始める。5年後、コンビニエンスストアで店長をしていた26歳のときにマンションを購入。少ない収入で一人暮らしをしながら貯蓄してきた経験をいかし、2001年に節約アドバイザーになる。同年、ファイナンシャルプランナー(AFP)に合格。その後もお金にまつわる心理を学ぶために認定心理士の資格を取るなど、日々お金周りの勉強を欠かさない。プライベートでは、2016年からシングルマザーに。近著に『知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本』(宝島社)、『節約家計ノート2024』(東京新聞出版)など、著書多数。

丸山晴美オフィシャルサイト

ニイミユカ
ニイミユカ

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote

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