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教えて!医療費控除【4】 医療費控除を受けるための手続き方法・必要書類を知ろう

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医療費控除を受けるには、「医療費控除の明細書」に必要事項を記入し、確定申告書に添付して所轄の税務署に提出します。このとき必要な書類や手続き方法が、2017(平成29)年分から変わり、簡略化しました。

そこで今回は、基本的な手続き方法やこれまでとの変更点などについて、社会保険労務士監修のもと詳しく解説します。

医療費控除を申告するのに必要な書類や手順とは?

まずは申告期間を知り、必要な書類を揃えよう

医療費控除は還付申告なので、サラリーマンやパート・アルバイトといった給与所得者の場合、申告する年の翌1月から手続きできます。例えば2020(令和2)年分の場合、2021(令和3)年の1月1日から申告できるというわけです。また、5年前までさかのぼって申告できるので、2020年分の締切りは、2025(令和7)年の12月末日までとなります。ただし、年末年始は税務署がお休みになるのと、確定申告書の提出期間である2月16日~3月15日前後は税務署が混みあうので注意しましょう。

給与所得者だけでなく、自営業者など、国民健康保険の被保険者でも確定申告で医療費控除を受けられます。確定申告期間に確定申告と同時に行うのが一般的です。

医療費控除を受ける場合、以下の書類が必要になります。

医療費控除の申告に必要な書類

  • 確定申告書A様式(個人事業主は「確定申告書B様式」)
  • 源泉徴収票  ※2019(平成31)年4月1日以降の確定申告では必要なし
  • 医療費の領収書やレシート(合計額の計算に必要で、提出はしない)
  • 医療費通知(健康保険組合などから送られてくる「医療費のお知らせ」など)
  • 医療費控除の明細書
  • マイナンバー

※医療費控除の特例「セルフメディケーション税制」での申告を選択する場合、必要書類が異なります。詳しくは下記で説明します。

 

確定申告書A様式

税務署に取りに行くか、税務署から郵送で取り寄せられます。または、国税庁のホームページからダウンロードできます。

 

源泉徴収票

給与所得者の場合、2019(平成31)年4月1日以後、2019年分以後の所得税の確定申告書については源泉徴収票の添付や提示の必要がなくなりましたが、確定申告書を作成する際には給与所得の源泉徴収票が必要となりますので、必ずそろえておきましょう。

一般的には毎年12月に勤務先から渡されるはずですが、申告時期が過ぎても手に入らなければ、勤務先の担当者に連絡をしましょう。

医療費のレシートや領収書

これまでは確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示することになっていましたが、2017(平成 29 )年度の税制改正で、提出書類の簡略化が決まり、不要になりました。今後は、「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付して提出するだけになります。

ただし、「医療費控除の明細書」の記載内容を確認するため、確定申告期限などから5年を経過する日まで、医療費の領収書(医療費通知を添付したものを除く)の提示、または提出を求められる場合があります。「提出の必要がないからいらない」などと捨てないように、きちんと保存しておきましょう。「添付などを省略した証明書」も領収書同様、5年間保存する必要があります。

なお、2016(平成28)年分以前の確定申告書を提出する場合は、従来の規定通り、医療費の領収書を確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示する必要があります。年度によって提出書類が異なるので、間違えないようにしましょう。

 

医療費通知

医療保険者が発行するもので、以下の6項目の記載がある書類を指します。「医療費通知」を確定申告書に添付する場合は、「医療費控除の明細書」への記載は総額だけで済み、医療費の領収書の保存も不要となります。

  1.  被保険者等の氏名
  2.  療養を受けた年月
  3.  療養を受けた者
    (後期高齢者医療広域連合から発行された書類の場合は除く)
  4.  療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
  5.  被保険者等が支払った医療費の額
  6.  保険者等の名称

     

    医療費控除の明細書

    税務署に取りに行くか、税務署から郵送で取り寄せられます。または、国税庁のホームページ:医療費控除の明細書からダウンロードできます。

    国税庁のホームページ:確定申告書等作成コーナーを利用すれば、「医療費控除の明細書」となる「医療費集計フォーム」だけでなく、「確定申告書」等も作成でき、「医療費集計フォーム」の内容が自動的に確定申告書に反映されます。

    どちらでも、使いやすい方を活用しましょう。

     

    マイナンバー

    確定申告書にマイナンバー(個人番号)を記入する必要があります。また、提出時にも税務署の窓口でマイナンバー確認種類を提示する、または台紙に貼りつけて提出する必要があります。台紙は「確定申告書A・B様式」をもらう、あるいはダウンロードすると、あわせてついてきます。

    1年分の医療費の領収書を整理する

    必要な書類がそろったら、申請書を作成するわけですが、その前に行うのが、領収書の整理と医療費の集計です。

    医療費控除は、本人のものだけではなく、同一生計の家族(配偶者や子ども、その他親族)のものまでまとめて申告できます。となると、「医療費控除の明細書」への記載がかなりの数になりそうですが、領収書1枚ごとに転記する必要はなく、合計金額をまとめて転記すればOK。医療を受けた人ごとに、かかった病院別、薬局別などに領収書をひとまとめにし、それぞれの医療費の合計を出しましょう。

    通院・入院のためにかかった交通費、電車やバスによる移動が難しいときのタクシー代なども医療費控除の対象になるので、忘れずにとっておき、日付や行先ごとに整理しておくこと。

    必要な書類がそろい、領収書の整理・集計ができたら、以下を参考に「医療費控除の明細書」に記入していきます。

    ※国税庁ホームページより

    セルフメディケーション税制の申告方法

    通常の「医療費控除の明細書」ではなく、セルフメディケーション税制の適用に関する事項を記載した確定申告書を所轄税務署長に提出します。書類は税務署に取りに行くか、税務署から郵送で取り寄せられます。または、国税庁のホームページ:セルフメディケーション税制の明細書からダウンロードできます。

    「セルフメディケーション税制の明細書」を確定申告書に添付し、さらに、「セルフメディケーション税制の適用を受ける人がその適用を受けようとする年分に一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類」を確定申告書に添付するか、確定申告書の提出の際に提示する必要があります。

    「セルフメディケーション税制の適用を受ける人がその適用を受けようとする年分に一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類」とは、以下を指します。

    • インフルエンザの予防接種または定期予防接種(高齢者の肺炎球菌感染症等)の領収書または予防接種済証
    • 市区町村のがん検診の領収書または結果通知表
    • 職場で受けた定期健康診断の結果通知表(結果通知表に「定期健康診断」という名称または「勤務先名称」の記載が必要)
    • 特定健康診査の領収書または結果通知表(領収書や結果通知表に「特定健康診査」という名称または「保険者名」の記載が必要)
    • 人間ドックやがん検診を始めとする各種健診(検診)の領収書または結果通知表(領収書や結果通知表に「勤務先名称」または「保険者名」の記載が必要)

    以上、それぞれの書類には、「氏名」「取り組みを行った年」「取り組みに係る事業を行った保険者、事業者もしくは市区町村の名称または取り組みに係る診察を行った医療機関の名称、もしくは医師の氏名」の記載が必要になります。

    通常の医療費控除とは申請時に必要な書類が異なるので、注意しましょう。

    スマホでも書類提出が可能に!

    必要な書類がそろったら、所轄の税務署に提出に行くか、郵送で提出します。また、「国税庁ホームページ」の確定申告書等作成コーナーでは、画面の案内に従って金額などを入力するだけで、パソコンやスマートフォンで申告書の作成やe-Taxによる送信(提出)ができます。

    e-Tax(国税電子申告・納税システム)とは、所得税、消費税、贈与税、印紙税、酒税などの申告や法定調書の提出、届出や申請などの各種手続をインターネットを通じて行える、国税庁の“オンライン窓口”をさします。

    2020(令和2)年1月31日から、マイナンバーカードとマイナンバーカード読み取り対応のスマートフォン(iPhone、Androidともに対応)がある場合は、スマートフォンから所得税の申告書をe-Taxで送信(提出)できるようになりました。

    詳細は国税庁ホームページ:スマホ × 確定申告 スマート申告始まります!を参考にしてください。

    e-taxを活用すれば、わざわざ税務署に出向かず、自宅から申告や納税などの手続を行えます。ただし、パソコンやタブレット、スマートフォンの購入など、機材の初期投資が必要になるので、申告頻度などに応じてやりやすい方法を選びましょう。

     

    いかがでしたか? 申告方法が簡略化され、前よりも簡単に手続きできるようになったので、この機会に申告してみてはいかがでしょうか。

     

     

    文・構成/嶋田久美子

    【取材協力・監修】

    井戸美枝

    CFP(R)、社会保険労務士、社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員。
    講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。経済エッセイストとしても活動。「難しいことでもわかりやすく」をモットーに、数々の雑誌や新聞に連載をもつ。
    近著に『届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP社)など。

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