【レシピ】芸人仲間も太鼓判「レモン炒飯」
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1/8個にくし切りしたレモンを、なるべく薄くいちょう切りにするのがポイント。
今回、水田さんが教えてくださったのは、11分で完成する「レモン炒飯」です。水田さんが二十歳の頃に働いていたお店で、中国人留学生のヨウさんがまかないで作ってくれた思い出の味なのだとか。
「レモン、きゅうり、レタスが入っていることで、サラダ感覚で食べられる軽やかな炒飯です。
レモンの皮にある、ほんのりとした苦味もおいしさのポイント。だから無農薬栽培のものなど、安心して皮ごと食べられるレモンを探すのがおすすめです。
この味わいは果汁では出せないので、丸ごとのレモンを使ってくださいね。余ったレモンは炭酸水に入れたり、クリーム系のパスタに絞っても爽やかでおいしいですよ」(以下「」内、水田信二さん)

炊きたてでなくてもいいが、温かいごはんを使うのがポイント。
炒飯といえば、強火でガーッと炒める中華料理店のイメージもあります。家庭で、パラパラ、熱々に仕上げるのは結構難しいんですよね。
「パラパラに仕上げるため冷たいごはんを使うレシピもありますが、僕はしっとりめの炒飯が好きなので、温かいごはんを使います。冷めるとごはんは水分が飛ぶのと、炒め時間も温かいごはんよりどうしても長くなるので、仕上がりがパラパラというよりパサパサになってしまうんです。
あとはフライパンを振りすぎると温度が下がるので、あおるなら一瞬。うまくあおれない人は、ヘラや浅いおたまなどを2本使って、両手で混ぜるといいですよ」
【材料:2人分】
- 温かいごはん・・・茶碗に軽く2杯分(360g)
- 塩鮭・・・1/2切れ
- 卵・・・2個
- きゅうり・・・1/3本
- レタス・・・3~4枚
- レモン・・・1/8個
- 濃口しょうゆ・・・小さじ1
- 塩・・・2つまみ
- 白こしょう・・・適量
- 米油(サラダ油でも可)・・・大さじ2
- ごま油・・・小さじ1
※火加減の表記に関して
火力 1~3(とろ火〜弱火)。「弱火」とは、炎の先が鍋底に触れていない状態。「とろ火」は弱火よりさらに弱く、火が消えないギリギリの小さい炎をいうことが多い。
火力 4〜6(中火)。「中火」とは 、 炎の先が鍋底に触れている状態をいう。フライパンを温める、煮物の具材や肉や魚の中心まで火を通す、揚げ物をするときに火力 4 〜6で調整する。
火力 7~10(強火)。「強火」とは、炎が鍋底にそって広がっている状態。 鍋から炎がはみ出るのは強すぎるので、火加減を弱めること。炒め物は火力 8〜10 でサッと炒めるのがコツ。
【作り方】
1.フライパンに油を大さじ1ひき、鮭を皮目(皮がついている方)からのせて火力5で3分焼く。
−−以下は「1」の間に行う−−
2.鮭を焼いている間に、きゅうりは斜めの半月切りにする。「斜め半月切り」、「半月斜め切り」、人によってどちらの言い方もある。どちらも前に「秘技」をつけると必殺技のようになるが、そこは気にせず切ることに集中してほしい。
3.レタスは小さすぎると存在感がないし、大きすぎると食べづらいので、クレジットカード〜年金手帳くらいの大きさに手でちぎって、ボウルなどに入 れた水(分量外)にさらす。
★包丁で切るより手でちぎった方が細胞の破壊も最小限ですむので変色もしにくいし、シャキシャキ感も残りやすい。
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4.鮭をひっくり返したら蓋をして、3分焼く。蓋をした方が水分が飛びにくいので、身がふっくら焼ける。
−−以下は「4」の間に行う−−
5.レモンは1/8のくし切りにしてから、0.5mm幅くらいを目指して薄いいちょう切りにする。分厚いと食べたときに皮の苦味がダイレクトにきすぎる。薄く切るのが難しければ、なるべく薄く切った後、縦半分に切って細くすればいい。
6.包丁とまな板はもう使わないので、このタイミングで洗う。
7.卵を割り入れる容器と鮭をほぐす皿を用意しておく。
8.卵を割って、菜箸などで軽くかき混ぜる。
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9. 使う調味料、計量スプーン、計量スプーンの基地(使ったスプーンを直接台の上に置かずに小皿などの上に置くこと)を近くに用意しておく。
10.鮭に火が通ったかどうか確認する。方法は、 箸で身を押したときにしっかり弾力があるか。もしくは身を割ってみる。
11.鮭が焼けたらフライパンから皿に取り出し、身をほぐして入念に骨を取りのぞく。
★皮はさらにパリパリに焼けば酒の肴になるし、砕いてサラダや酢の物にかけてもいい。
12.フライパンに油を大さじ1ひく。溶き卵を一滴落として、すぐにジュッとなって かたまるくらいまで、火力7でフライパンを温める。油から煙がうっすら上がっていたら温度が高すぎるサインなので、すぐに調理に入ること。
13.卵を入れ、すぐにごはんも入れる(13~20を2分30秒で終わらせるイメージ)。
14.卵をごはんにかぶせながら、ヘラ(おたまでも可)でごはんを優しく押し、ほぐしながら卵と油をまとわせてあげる。
15.塩、こしょうを振って混ぜる。
16.ほぐしておいた鮭を入れて混ぜる。
17.きゅうり、レモンを入れて混ぜる。
18.フライパンの真ん中をあけ、しょうゆを入れてジューッとなったらすぐ混ぜる。軽くしょうゆを焦がすことで香りが広がる。
19.水を切ったレタスを入れて20〜30秒混ぜたら味見をする。薄ければ塩(分量外)を追加で入れて混ぜる。
20.フライパンの真ん中をあけてごま油を入れ、熱してから全体に混ぜ、皿に盛りつけて完成
自炊は楽しい!
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使い終わった台所はキレイに。
「自炊を億劫に感じる人は、もっと食いしん坊になればきっと楽しくなります」と水田さん。なぜなら水田さんは、いつもおいしいものが食べたいから、おいしくなるとわかっている行為から手を抜かないのだとか。
「頑張っても思い通りにならないことが多い人生において、自宅での料理は正しく手をかければ確実においしくなります。だから僕のレシピでは、普通なら省かれるような段取りも、理由と一緒に極力説明しているんです。
非常に口うるさいですが、しっかり読み込んで、まずは忠実に繰り返し作ってほしいですね。そうすれば意味を理解した上で覚えられるはずですから」
一度身についた自炊力は一生もの。水田さんから教わったレシピを、まずは繰り返し作ってみませんか?

水田信二さん。
水田信二さん
1980年4月15日生まれ、愛媛県出身。NSC大阪校26期生。2006年に和牛を結成。2014年NHK上方漫才コンテスト優勝、2018年上方漫才大賞奨励賞など受賞歴多数。『M-1グランプリ』では2015年から2019年まで5年連続で決勝進出。2024年3月にコンビを解散した。調理師免許を取得しており、大阪の和食店・神戸の洋食店で計7年間修行した経験をもつ元料理人でもある。その特技を生かして『水田信二の注文の多い料理教室』(BSよしもと)、『ラヴィット!』(TBS)の企画「おいしんじ万才!」、『ミズタのレシピ!』(RNB南海放送)などバラエティ番組で手料理を披露している。

『水田の小言を熟読するほど 一生ものの自炊力が身につく いちいちうるさい定番レシピ 』(ヨシモトブックス)
『水田の小言を熟読するほど 一生ものの自炊力が身につく いちいちうるさい定番レシピ 』(ヨシモトブックス)
時短・簡単・手軽にできる料理本がベストセラーとなる時代に、ピン芸人であり孤高の元料理人・水田信二が立ち上がった。作りたてのおいしさと調理工程にこだわった、単著としては初となるレシピ本を発売! 普通なら省かれる説明や段取りまで細かく書かれているので初心者でも安心な一方で、小言の多さに思わず目をふさぎたくなること必至! 笑いあり、愛ある小言あり、熟読するほどおいしくできると水田が太鼓判を押す自信作です!