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「予約の取れない料理教室」の蔵出しレシピ!人気料理研究家・小林まさみさんの“美味しさのコツ”が満載

kufuraの連載でもおなじみ料理研究家の小林まさみさんはテレビや雑誌で忙しく活躍しながら、料理教室を毎月開催しています。料理のポイントが分かりやすく学べるとあって、まさみさんの料理教室は大人気! 20〜70代の生徒さんが楽しく&美味しく学んでいます。今回は、その中でも生徒さんたちに大好評という蔵出しレシピを紹介します。

まるで料理教室に参加しているような気分になる献立ブック

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先月発売された新刊『小林まさみの料理教室 ていねいな献立づくりがわかる本』(山と溪谷社)は、小林まさみさんの料理教室で人気の献立を一冊にまとめたレシピ集。

料理教室でまさみさんが大事に育ててきたレシピの中から、特に生徒さんたちが繰り返し作っている定番レシピがギュッと詰まっています。

まさみさんは、25歳の時に料理の道に進むことを決意してから、自身の料理教室を始め、途中6年ほどの休講を経て、2016年より再開。いまや“予約の取れない料理教室”として評判を集め、現在は20〜70代まで、幅広い世代の方々が楽しく通われているそう。

まさみさんの料理教室では、すべての生徒さんが包丁を持ち、下ごしらえから調理に参加して、最後は盛り付けをして試食をする超実践型。

だしやスープをとったり、魚をさばいたり、肉まんを皮から作ったり、さらには本格的なビーフシチューやお菓子まで……。手をかけた方が美味しいものは時間をかけて丁寧に、その分、副菜はパパッと手軽にして、家でも復習しやすい献立になっています。

まさみさんに献立を組み立てる際のポイントを聞いたところ、味わいだけでなく、”作業のメリハリ”もつけるように意識しているとのこと。

「献立4〜5品の中で、味や食感のメリハリをつけるのはもちろんですが、手をかけて丁寧に作るもの、逆に簡単に作れるものと、調理の作業にもメリハリをつけるようにしています。また、小麦粉をこねて肉まんを皮から作る、ビーフシチューを市販のルウを使わずに作ってみるなど、献立の中にワクワクしてもらえるエッセンスを加えることも忘れないように。レッスンに参加して“料理って楽しい!”と感じてもらえたら嬉しいです」(小林まさみさん)

さらに、実際に料理教室に8年近く通っている編集担当の若名佳世さんが、レッスン中にメモ代わりに撮影していたリアルな写真を使いながら、吹き出しなどでポイントも解説しているので、まるで一緒に料理教室に参加しているような感覚に!

本書は和食、中・韓・アジア、洋食の3つのカテゴリーの献立で構成され、料理教室のためだけに小林まさみさんが試作を重ねた、他のメディアでは紹介していない蔵出しレシピも満載。今回は、なかでも生徒さんたちが繰り返し作っている人気の献立を紹介します。

【洋食の献立】「ミートボールのトマト煮込み」をワンプレートで!

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洋食の代表格でもあるトマト煮込みをミートボールで作って、ピラフ、にんじんサラダ、芽キャベツのフリットを一緒に盛り付け。目にも華やかなワンプレートで、おもてなしにもぴったりです。

丁寧に作るからひと味違う「ミートボールのトマト煮込み」

【材料】(4人分)

合い挽き肉・・・400g

サラダ油・・・適量

[A]

玉ねぎ(みじん切り)・・・1/2個分(100g)

パン粉(ドライ)・・・1/2カップ

溶き卵・・・1個分(Sサイズ・50g)

牛乳・・・100ml

塩・・・小さじ1/2

こしょう・・・少々

[B]

オリーブオイル・・・大さじ1

玉ねぎ(みじん切り)・・・1/2個分(100g)

にんにく(みじん切り)・・・小さじ2

[C]

レーズン・・・30g

塩・・・小さじ1/2

こしょう・・・少々

ホールトマト缶(マッシャーまたは手で潰してなめらかにする)・・・1と1/2缶分(600g)

【作り方】

(1)ボウルにひき肉、[A]を入れ、手で粘りが出るまでよく練る。バットなどに20等分して並べ、手に水をつけて丸める。練った後、冷蔵庫で30分ほど冷やすと丸めやすい。

(2)直径27cmのフライパンにサラダ油を2cm深さに入れ、180℃に熱する。(1)を半量入れて4〜5分、時々返しながらこんがりと色づくまで揚げ、取り出して油を切る。残りも同様に揚げる。

(3)2)のフライパンの油を除いて拭き、[B]を入れて玉ねぎがしんなりするまで中火で炒める。(2)、[C]を加えて混ぜ、ひと煮立ちしたらふたをして、時々混ぜながら弱火で15分ほど煮る。

粘りが出るまでよく練ってから丸める。
揚げ焼きにして旨味を閉じ込める。
最後にトマトソースを合わせて煮込む。

他に、オリーブとマッシュルームのピラフ、ドライフルーツとナッツのにんじんサラダ、芽キャベツのフリットを共に添えて、デザートには、フランス・ブルターニュ地方の伝統的な焼き菓子「ファーブルトン」を。主菜と副菜をバランスよく組み合わせているので、ひとつの献立を作るだけで、まるで料理教室に通った気分になるはずです。

実際にまさみさんの料理教室に8年近く通っている編集の若名さんは、料理の基本を学べたことで自信がついたと話してくれました。

「まずは、あじの三枚おろしをマスターしようと通い始め、当時幼稚園児だった息子が今ではもう中学生に。この8年を通じて、魚をおろせるようになり、料理のレパートリーが増えて家族に喜んでもらえるようになりました(特に食べ盛りの息子の反応がいい!)。しっかりと基本を学べるので、クリスマスやお節料理など、ここぞの行事食レシピを知っている安心感もあります。

月に1回、同じメンバーと顔を合わせてまさみ先生のレッスンを受け、分担して料理を作り、一緒に試食をする時間は、知らないことを学べる貴重なひと時なので、神経を集中させつつも、私にとってはリラックスタイムでもあります。義父のまさるさん、小林家の愛犬ヴァトンに会えるのもおまけのお楽しみですね!」(若名さん)

料理の基本を学びつつ、リラックスタイムにもなっているという若名さん。筆者はkufuraの動画記事の連載をはじめ、雑誌の取材などで、まさみさんには長いことお世話になっていますが、いつも驚くのは、作り方のポイントが明快で、それを聞くと、なぜそのひと手間をしなければいけないのか、料理のコツがスッと腑に落ちること。「あぁ、だから美味しくなるんだな。このひと手間を忘れちゃいけないな」といつも思います。そして、それを守ると、料理はちゃんと応えてくれる。家族が「美味しいね! また作って!」と、とにかくよく食べてくれるのです。

普段、雑誌やテレビでは伝えきれない、まさみさんの作りたいもの、教えたいことがたっぷり詰まったレシピ集には、「イチからきちんと」を届けたい、まさみさんの料理へのまっすぐな想いが込められています。初心者のかたも、ベテランのかたも、みんなに役立つ献立ブックなので、ぜひ一生もののレシピを探してみてください。

撮影/佐々木美果 スタイリング/吉岡彰子 取材・文/岸綾香

【参考書籍】

『小林まさみの料理教室 ていねいな献立づくりがわかる本』(山と溪谷社)

著/小林まさみ 2,200円(税込)

テレビや雑誌で大活躍の人気料理研究家・小林まさみさんの“予約の取れない料理教室”の献立レシピが1冊に。8年以上に渡るレッスンの中で、教室の生徒さんが繰り返し作っている、和・洋・中・韓・アジアの人気献立を厳選。

料理教室のためだけに小林まさみさんが試作を重ねた、他のメディアでは紹介していない蔵出しレシピもたっぷり収録。30献立、152レシピの大ボリュームで紹介しています。

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