芸人仲間も認める料理上手、水田さんが大事にすること
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水田信二さん。2025年3月25日に『水田の小言を熟読するほど一生ものの自炊力が身につく いちいちうるさい定番レシピ』(ワニブックス)を発売。
料理上手な母のもとで育ち、「稀に見る食いしん坊」を自負する水田信二さん。和食と洋食のお店で7年間の経験をもつ元・料理人という特技を活かして、TVやYouTubeでもたびたび料理の腕前を披露。2025年3月には料理本も発売し、細かな段取りまで説明された“うるさいレシピ”が話題です。
「なぜ段取りまで説明するかといえば、料理において段取りがいいことはメリットしかありません。作る時間が必要以上にかからず、失敗も減って、食べる前に台所がキレイになるから片づけも楽。自炊は毎日のことなので、なるべくしんどくないほうがいいと思うんです。
段取りをよくするには、作る前にレシピを読むこと。なるべくきっちり頭に入れておくとスムーズにいくはずですよ」(以下「」内、水田信二さん)

「煮込み料理は別として、香りや食感はできたてがいちばん。作ったらなるべくすぐに食べること」と水田さん。
また、できたてに勝るものはないと言います。
「芸人として月に1万円も稼げていないような頃、100g 90円の豚バラ肉、1袋30円のもやし、1個15円の卵を使った計135円の炒め物とごはんをよく食べてました。たまに営業先でいただく高そうなお弁当もおいしかったんですけど、できたての豚もやし炒めと炊きたてごはんのセットにはかなわなかったですね。
焼き目のついた豚バラ肉の旨みとシャキシャキのもやし、それらをトロッと優しく包み込む卵、ふわっと香るしょうゆのにおい。自炊のよさは、できたての臨場感そのまま、あつあつを食べられることだと思います」
【レシピ】水田流「豚のしょうが焼き」
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水田さん愛用のおろし金「irogami(いろがみ)」は、手に沿わせて持つタイプ。「力をかけなくてもおろしやすいです」。
今回、水田さんが教えてくださったのは、料理本でも紹介している「豚のしょうが焼き」です。
「いちばんのこだわりは、しょうがをすりおろすこと。にんにくとしょうがは、自分ですりおろすと香りが抜群。疲れているときや忙しいときは別として、できるだけすりおろすことをおすすめします。
中でもしょうがは皮を剥かずにおろせばいいから、慣れれば意外と面倒じゃないですよ」

肉は包丁を縦に刺すようにして筋を切り、焼いて縮み、丸まるのを防止。「筋を切っておくと平らに焼けるので、ムラなく全体に焼き目がつき、タレも満遍なく絡みます。イラストの点線部分を切るといいですよ」。
「このレシピでは、粒マスタードの酸味と辛味をきかせて、大人の味つけにしました。お酒にもよく合います。粒マスタードを梅干しに替えてもおいしいですよ。ちょっと酸味を加えると、味が締まり、味わいが軽やかになるんです。
甘みは、はちみつがおすすめ。クセのないものなら何でもいいですが、はちみつだとまろやかさとコクが加わります。
あとは、添えるキャベツはなるべく細く切ってくださいね! しょうが焼きのタレが染みたキャベツを一緒に食べるとき、あまり太いと食感が邪魔してしまうので」
ちなみに、でき上がるまでにかかる時間は18分25秒。本の中では各工程にかかる時間も細かく書かれており、その通りに作ると20分弱で完成します。
【材料:2人分】
- 豚肉(しょうが焼き用もしくはポークステーキ用かバラ肉でも可)・・・200g
- 玉ねぎ・・・1/2個
- キャベツ・・・1/6 玉
- しょうが(すりおろし)・・・大さじ1/2
- 塩・・・ひとつまみ
- 白こしょう・・・4フリフリ
- 米油(サラダ油でも可)・・・小さじ3
- マヨネーズ・・・適量
※白こしょうは粉末タイプを使用。ボトルを振って出すので「フリフリ」で数える。1フリフリ=ボトルを2度振る。なぜ2度かといえば、1度だけでは出が悪い場合があるため。
<タレ>
- しょうが(すりおろし)・・・大さじ1/2
- にんにく(すりおろし)・・・小さじ1弱
- 酒・・・大さじ2
- 濃口しょうゆ・・・大さじ2
- みりん・・・大さじ1
- はちみつ・・・小さじ2
- 粒マスタード・・・小さじ2
【作り方】
1.キャベツはせん切りにして、5 分ほどボウルなどに張った水(分量外)にさらしておく。
−−以下は「1」の間に行う−−
2.玉ねぎは皮を剥き、3〜4mm幅にスライスする。
3.しょうがとにんにくは必要な分だけすりおろし、別々のうつわに入れてお く。
4.うつわにしょうが大さじ1/2、にんにく、酒、しょうゆ、みりん、はちみ つ、粒マスタードをよく混ぜてタレを作っておく。
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5.キャベツの水(分量外)を新しく取り替えたら、すぐにザルに上げて水を切る。冷蔵庫にスペースがあるなら入れておく。
6.肉をまな板に並べて包丁の刃先で刺すようにして筋の部分を切る。
7.肉の片面に塩、こしょうを振る。
8.肉を大きな皿やトレーに並べ、4のタレ大さじ1と1/2を片面にまんべんなく 塗り広げておく。
9.フライパンに油小さじ1をひき、火力5で温め、玉ねぎを60秒炒める。
10.玉ねぎはフライパンの端に寄せ、あいたスペースに油小さじ2をひいて、肉のタレがついてない方を下にして並べて2分焼く。タレがついている方から焼くと焦げやすいので。
11.肉を少し裏返しておいしそうな焼き目がついていたら、火力7にして裏返し、30秒焼いたら残りのタレを全て入れる。
12.タレがジュワーッと沸き立つ状態で全体的に絡めながら30秒加熱し、しょうが大さじ1/2も入れ、混ぜ合わせながら20秒ほど炒めて火を止める。
13.しっかり水気を切ったキャベツを皿の半分に盛って、端の方にマヨネーズをつける。
14.肉をキャベツに少しかかるように盛りつけて完成。
「我が家の火加減」をマスターしよう
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料理をおいしく作るには、火加減もポイント。じっくり煮込むのか、サッと炒めるのかなど、レシピや食材に合わせて火力を調整することでおいしさは変わります。
水田さんは料理本を作るにあたり、初心者にもわかりやすいよう数字で表したそうです。



「弱火といってもいろいろ。だから火加減を“火力1〜10”と、数字で表しています。これは、ガスなのかIHなのか 。またメーカーや家庭によっても微妙に変わるので、試してみて『これが我が家の火力8』などと、 それぞれの火加減を見つけてほしいです」
さらに、もちろん最初から全て完璧にできなくてもいい。でも、まずは「やろう」という気持ちが大切、とも。「今回お話ししたことが役に立つかどうかは、本当にこの気持ち次第だと思います」。
心を込めた料理に勝るものはなし。毎日の自炊と向き合う心を、ほんのちょっと切り替えてみませんか?

水田信二さん。

『水田の小言を熟読するほど 一生ものの自炊力が身につく いちいちうるさい定番レシピ 』(ヨシモトブックス)
『水田の小言を熟読するほど 一生ものの自炊力が身につく いちいちうるさい定番レシピ』(ヨシモトブックス)
時短・簡単・手軽にできる料理本がベストセラーとなる時代に、ピン芸人であり孤高の元料理人・水田信二が立ち上がった。作りたてのおいしさと調理工程にこだわった、単著としては初となるレシピ本を発売! 普通なら省かれる説明や段取りまで細かく書かれているので初心者でも安心な一方で、小言の多さに思わず目をふさぎたくなること必至! 笑いあり、愛ある小言あり、熟読するほどおいしくできると水田が太鼓判を押す自信作です!