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かけて、焼いて、煮込んで…キャンプの万能調味料「ウスターソース」を楽しむ5つのコツとレシピ

アウトドアでごはんをつくるには、特別な調味料が必要? いえいえ、じつは毎日の食卓にも登場する、身近な調味料で簡単においしくなるんです。今回は、ウスターソースを活用して、もっと楽しむヒントをお届けします。

ウスターソースって、どんなもの?

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お話を伺ったのは、トマトケチャップでもおなじみ『カゴメ』のおふたり。「子どもとキャンプごはんをつくっている」というウスターソースの商品企画担当・藤原薫さんと、管理栄養士・安東芳理さんです。

西日本出身者にとって、揚げ物の隣に欠かせない存在ともいえます。

「ウスターソースは、トマト、玉ねぎ、にんじんなどの野菜や果実と、スパイス類を合わせたさらっとスパイシーなソースです。発祥は18世紀のイギリスといわれています。

とくに西日本では、揚げ物をはじめ、カレーライスの味変や、長崎では皿うどんにかけたりもしますね。また、焼きそばのソースとして炒めたり、カレーライスやハンバーグなど煮込み料理の隠し味に加えたり……。なじみの味なんですよ」(藤原さん)

『カゴメ』では、10種類(詳細は企業秘密!)ものスパイス類を使用。乳酸菌のはたらきを活用した、独自の「醸熟」製法により、スパイシーなのにまろやかな味わいに仕上げているそうです。

ウスターソースは万能調味料。かけるだけ、入れるだけで、料理にコクや旨みが出るんです」と、熱く語る藤原さん。

その理由は、原材料と製法にあり!

いわゆる香味野菜と果実、スパイス、塩や砂糖などの調味料がソースにする過程で煮込まれ、熟成されているので、これ1本で煮込みなどができている状態ともいえます。だから、かけるだけ、入れるだけでおいしさがランクアップするんですよね」(藤原さん)

また、ウスターソースはよい意味で専用すぎないところも、万能調味料になりえる理由、とも。

甘みが程よいので味付けで主張し過ぎません。また、ソースの中でもとくにスパイシーなので、食欲をそそる香りも加わり、味わいに奥行きが出ます」(藤原さん)

ウスターソースをもっと楽しむ5のコツ

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コツ1:よく振る

サラサラタイプのソースです。

たくさんの野菜、フルーツ、スパイス類が使われているうえに、ソースの中でもさらりとした質感。だからまずは、よーく振ってから使うのが、キホンのキ!

コツ2:仕上げに「ちょい足し」

加熱することで、スパイスやフルーツなどの香りがふわり炒めものや煮込みなどの仕上げにちょい足しすると、より食欲をそそる味わいになるそうです。

『カゴメ』では、ウスターソースをちょい足しした時のおいしさも研究。

「仕上げにちょい足しすると、とくにスパイスの香りが際立ちます。僕は家族とのキャンプごはんに、よく焼きそばをつくるのですが、このちょい足しでぐんとおいしく仕上がります」(藤原さん)

焼きそばの場合は、香ばしさもプラス。また、外ごはんの定番であるカレーも、ルーを割り入れた後にちょい足しして少し煮込むと、コク深くなるとのこと。

おすすめレシピ「焼きそば」

「お子さんと楽しむなら粉末ソースを半分にしたり、お好みによってはウスターソースだけで仕上げても」(藤原さん)

<材料(1人分)>

  • 粉末ソース付き焼きそば 1人分
  • 豚バラ肉(薄切り) 40g
  • キャベツ 50g
  • にんじん 20g
  • ピーマン 1個
  • ウスターソース 小さじ2
  • サラダ油 小さじ2
  • 水 20ml

<つくり方>

  1. キャベツは2cm程度の角切り、にんじん、ピーマンは細切り、豚肉は3〜4cmの長さに切る。
  2. フライパンにサラダ油を熱し、焼きそば麺を入れ、中火で片面を1分半、裏返して1分焼き、水を加えてほぐしながら1分焼いたら取り出しておく。
  3. 同じフライパンで、豚肉、にんじん、キャベツ、ピーマンの順に炒める。
  4. 2の麺を3に戻し、粉末ソースを加えて炒め合わせる。
  5. 火を消してウスターソースを加え、混ぜ合わせたら出来上がり。

コツ3:トマトケチャップ×ウスターソース

もともと、さっぱりとして様々な味になじみやすいウスターソース。トマトケチャップの甘みが加わることで、デミソースのような味わいになります。

ウスターソース(写真左)とトマトケチャップ(写真右)。どちらも“かける”調味料ですが、組み合わせることでさらにおいしくなる!

1:1で合わせるだけで、簡単にデミソースのような味になります。ハヤシライスのルー代わりにしたり、ハンバーグやトンテキのソース、デミオムライス、また唐揚げの下味など。これさえ覚えておけば、お子さんも大好きなメニューがいろいろ作れますよ」(安東さん)

おすすめレシピ「ハヤシライス」

調理時間は15分ほど。「専用のルウがなくても、ご自宅にある材料でつくれます(安東さん)」。

<材料(3人分)>

  • 玉ねぎ 1個
  • マッシュルーム(お好みのきのこでも可) 100g
  • 牛肉(薄切り) 200g
  • 塩、コショウ 少々
  • サラダ油 大さじ1
  • 小麦粉 大さじ1
  • トマトケチャップ 大さじ3
  • ウスターソース 大さじ3
  • 牛乳 大さじ1
  • 水 150ml
  • バター 10g
  • ごはん 3杯分

<つくり方>

  1. 玉ねぎは縦半分に切り、繊維と直角に1cm幅に切る。マッシュルームは厚さ5mmにスライス。牛肉は塩、コショウをし、2〜3cm幅に切る。
  2. フライパンにサラダ油を熱し、玉ねぎを炒める。玉ねぎが透明になったら、牛肉、マッシュルームの順に加えて炒める。
  3. 小麦粉を加えて炒め、トマトケチャップ、ウスターソースを加えてさらに炒める。
  4. 牛乳、水を加え、とろみが出るまで2〜3分ほど煮て、バターを加えて混ぜ合わせる。
  5. お皿に盛ったごはんにかければ出来上がり。

おすすめレシピ「やみつきソースからあげ」

「フライパンで揚げ焼きにしてもよいです(安東さん)」。ソースのスパイスがふわっと香ります。お肉もしっとりジューシーに。

<材料(4人分)>

  • 鶏もも肉 250g

【たれ】

  • ウスターソース 大さじ2
  • トマトケチャップ 小さじ2
  • 小麦粉 大さじ2
  • 片栗粉 大さじ2
  • 揚げ油 適量

<つくり方>

  1. 鶏肉は、食べやすい大きさに切る。
  2. ビニール袋に【たれ】の材料を合わせ、鶏肉を加えて軽くもみ、30分ほど漬け込む。
  3. 汁気を切ってペーパータオルなどでふき、粉を合わせたものにまぶして170度の油で揚げる。

コツ4:焼きケチャップ×ウスターソース

トマトケチャップとの組み合わせは、“焼きケチャップ”にしてから合わせると、よりまろやかになりますよ焼きケチャップの場合も、ウスターソースと合わせる場合は1:1が基本です」と安東さん。

材料は、トマトケチャップとオイルだけの「焼きケチャップ」。ポテトフライをディップすると抜群のおいしさなんです!

“焼きケチャップ”とは、トマトケチャップを油と混ぜて、かき混ぜながら焼いたものです。トマトケチャップを炒めることで、水分が飛び、味わいが凝縮。さらにオイルと混ざることで酸味が和らぎ、コク深い味わいに。これがまた、ポテトフライのディップをはじめ、スープにアレンジ、またホットサンドの味付けにと、外ごはんでもめちゃくちゃ重宝!

アウトドアメディア『BE-PAL』で「焼きケチャップ」についての記事をチェック!

これを、ウスターソースと合わせるというわけです。

レシピ「焼きケチャップデミソース」

時間がたつと油分が分離しやすいので、使う分だけ都度つくるのがよさそう。

<材料(2〜3人分)>

  • トマトケチャップ 100g
  • ウスターソース 100g
  • オイル(サラダ油、バターなど) 大さじ1(15g)
材料は3つだけ。トマトケチャップもオイルも、いずれも外ごはんに持っていく調味料といえます。
フライパンで加熱し始めると、それぞれがすぐになじみ出しました。
3分もしないうちに、ふつふつと気泡が。あたりには、甘酸っぱくスパイシーなよい香り!

<つくり方>

熱したフライパンにオイル、トマトケチャップ、ウスターソースを入れ、2/3くらいの量になるまで水分を飛ばすように中火でしっかりと焼く。

コツ5:2〜3カ月目安で使い切る

開封後は、直射日光や高温になる場所は避けて、冷蔵庫や涼しい場所で立てて保管。2〜3カ月を目安に使い切ります。外ごはんで使用する場合は、クーラーボックスを活用するのがよさそうです。

写真左が「こぶりちゃん」、右が500mlタイプ。冒頭の写真のように「こぶりちゃん」は片手サイズです。

いろいろな活用レシピを教えていただきましたが、“使い切れるか不安”、“気温差などが激しいキャンプに自宅で使っているものを持っていって大丈夫?”などと思う場合は「小さなサイズから試してみては」と藤原さん。「160ml、300ml、500mlと3つのサイズでご用意しています。荷物を少しでも軽くしたいキャンプには、160mlのこぶりちゃんもおすすめです」(藤原さん)

ウスターソースを愛用しているという人はもちろん、知らなかったという人も、一度使えばその万能ぶりに嬉しくなってしまうはず。キャンプやBBQに持っていって、おいしい外ごはんを楽しみましょう!

 

【取材協力】
カゴメ

ニイミユカ
ニイミユカ

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote

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