余った調味料を一掃!パパッとおいしいレシピに早変わり
null料理研究家・沼津りえさんの大掃除、前回は「キッチン道具」のお手入れについて教えてもらいました。今回は、たくさんの食材を詰め込んでいながらも、実は掃除は怠りがちな「冷蔵庫」に注目。
沼津りえさんの大掃除「前編」はこちら→「キッチン道具」のお手入れテクが満載!料理研究家・沼津りえさんの大掃除に密着【前編】
冷蔵庫は、料理の食材を保管する大切な場所。沼津さんは大掃除のときに、一度食材を全部外に出して、棚も分解し、隅々まで拭き上げているそう。
「そのときは、ストックしているものや使いかけのものなどを整理する大チャンス。意外と出てくるのが、中途半端に残っている使いかけの調味料。これは年内にサッパリ使い切りたい。そこで、これらを使った料理を考えるのが、私の年末の密かな楽しみでもあるんです(笑)」(以下「」内、沼津さん)。
その中から、アイディア満点のすぐに試せるレシピを紹介します!
余ったジャムを混ぜるだけ!「フローズンヨーグルト」
null甘味が強くて食べ切れなかったり、お土産でいただいたけれど使い切れなかったり、冷蔵庫の片隅で密かに余りがちなジャム。賞味期限が迫っていて、急いで使いたいけれど、一気に消費するのはなかなか大変……。
「そんなときのお手軽デザートがこちら。プレーンヨーグルトに余ったジャムを混ぜて凍らせるだけだから、とっても簡単。甘過ぎてなかなか使い切れなかったジャムも、ヨーグルトの酸味でさっぱり食べられるので、驚くほどあっという間に使い切れますよ!」
【材料】
余ったジャム・・・30g
プレーンヨーグルト・・・150g
【作り方】
(1) 保存容器にプレーンヨーグルト、ジャムを入れてよく混ぜ合わせる。
(2) 冷凍室で2〜3時間置く。一度途中で混ぜ合わせて空気を入れ、さらに2〜3時間凍らせる。
今回はブルーベリーとマーマレードの2種類のジャムをそれぞれ使用。ひと口食べるとヨーグルトの酸味でさっぱり爽快! これからホームパーティーの季節、シャリシャリ食感で冬のデザートにもおすすめです。
「ジャムの量は好みの甘さに調節してください。マーマレードジャムは、はちみつと混ぜ合わせて、照り焼きのソースにしてもおいしいですよ」
コンソメもトマト缶も使わない「ケチャップだけスープ」
null次はトマトケチャップに注目。子どもは大好きな味ですが、大きいサイズを1本使い切るのは至難のワザ。気付くと賞味期限切れ……なんてことも。
「トマトケチャップは旨味や甘味、スパイスをギュッと凝縮した調味料。これを使わない手はありません。ツンとした酸っぱい香りから、甘い香りに変わるまでしっかり炒めて水を注げば、おいしいスープに早変わり! コンソメもトマト缶も使わず、濃厚な旨味を味わえます」
【材料】
玉ねぎ・・・1/4個
キャベツ・・・2枚(100g)
にんじん・・・1/3本
ウインナー・・・2本
オリーブオイル・・・小さじ1
余ったトマトケチャップ・・・大さじ2〜3
水・・・300ml
塩・・・適量
こしょう・・・適量
【作り方】
(1) 玉ねぎ、キャベツ、にんじんは1cmの角切りに、ウインナーは輪切りにする。
(2) 鍋にオリーブオイルを熱し、中弱火で玉ねぎを炒める。しんなりしたら、トマトケチャップを加え、甘い香りがするまで3分ほどじっくり炒める。
(3) 甘い香りがしてきたら、キャベツ、にんじん、ウインナーを加え、しんなりするまで炒める。
(4) 水を加え、にんじんが柔らかくなるまで煮て、塩、こしょうで味を調える。
食べてみると、甘いスープに驚き! しっかりとコクがあって満足度も充分。パパッと一品、簡単にスープが完成するのもうれしい限り。
「このスープにショートパスタを入れたり、ごはんとチーズを入れてリゾットにしたり、アレンジも自由自在です」
ピリ辛大人味に!チューブで作る「辛子ドレッシング」
null意外と使い切れないのが、しょうが、にんにく、わさび、辛子などのチューブの調味料。「気付いたら冷蔵庫の中にずっとある!」そんな人も多いのではないでしょうか?
「チューブ系調味料はドレッシングの味変におすすめ。いつものドレッシングに少し加えるだけで、いいアクセントになり、ピリッと大人の味に仕上がります。手作りするのが面倒な人は、市販のドレッシングに加えてもOKですよ」
【材料】
辛子(チューブ)・・・小さじ1
酢・・・大さじ2
しょうゆ・・・大さじ2
ごま油・・・大さじ1
砂糖・・・小さじ1/2
白いりごま・・・小さじ1
【作り方】
(1)辛子を酢に溶かしてから、しょうゆ、ごま油、砂糖、白いりごまを加えてよく混ぜ合わせる。
サラダにかけて食べると、辛子がピリッと刺激的。わさびで作ってもGood!
「チューブの辛子は特に使い切りにくいので、しょうゆと合わせて辛子じょうゆを作って、野菜を漬けてもおいしいですよ」
新感覚の「ソース漬け」でムダなし!
nullさらに、とんかつソースやウスターソース、オイスターソースが残ったときは、「ソースで野菜を漬けると、新感覚の味わいになるんですよ」と、沼津さん。kufuraでおなじみ「ちょこっと漬け」で、過去に人気だった「ソース漬け」のレシピ3選はこちら!
◆大根の皮のウスターソース漬け
ウスターソースと大根の皮という余りがちな食材2つを組み合わせた最強タッグ。大根の皮は水分が出過ぎないのでソースの味が薄まりにくく、スパイシーでポリポリと後引くおいしさです。
詳しい記事はこちらを参考に→新感覚!大根の皮をウスターソースで漬けたら激ウマでした!【ちょこっと漬け♯66】
◆ブロッコリーのごま油&オイスターソース漬け
冷蔵庫の中で余りがちなオイスターソースも実は漬けものに使えました。ブロッコリーの房部分にオイスターソースとごま油の旨味がジュワッと染み込んでヤミツキ必至!
詳しい記事はこちらを参考に→濃厚コク旨!「ブロッコリー」をオイスターソースとごま油で漬けたら…新感覚のおいしさ!【ちょこっと漬け♯71】
◆しいたけのとんかつソース漬け
スパイスや野菜の旨味が複雑に重なりあったとんかつソースでしいたけを漬けたら、旨味の相乗効果で至福の一品に。しいたけの水分でとんかつソースがまろやかになり、奇跡のコラボが誕生しました。
詳しい記事はこちらを参考に→奇跡の組み合わせ!「しいたけ」を「とんかつソース」で漬けたら旨味あふれる箸休めに【ちょこっと漬け♯96】
他にも、余ったポン酢に焼いた野菜を漬けて焼き浸しにしたり、のりの佃煮は米と一緒に炊いて炊き込みごはんにしたり、沼津さんの使い切りアイディアは無限大でした。
ぜひ、この機会に冷蔵庫の中をスッキリさせて、おいしいレシピを楽しみながら、気持ちよく新年を迎えましょう!
撮影/黒石あみ(小学館) 取材・文/岸綾香
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『野菜まるごと冷凍レシピ』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」