「どの国に行って、何を学ぶのか」のプランニングが重要だった
null1:学校やビザの種類、かけられる費用、家族の誰と行くか?
教育移住をする理由は様々あると思います。
- 子どもをバイリンガルにしたい
- 子どもに国際性を身につけさせたい
- 日本以外の教育にも触れさせたい
一番のテーマは「どの国に行って、何を学び、身につけたいか」ということだと思います。
- 英語圏に行けば、現地校の公立か私立か、または日本人学校でも国際学級を持ってバイリンガル教育を行っている学校か
- 非英語圏に行けば、インターナショナルスクールにするか、日本人学校にするか、現地校にするか(ただし非英語圏の現地校は、英語は第二言語に該当します)
移住のスタイルは
- 家族一緒か
- 母子のみか
- 子どものみの留学か
家族帯同なら親の仕事はどうする? 期間は? 収入の確保はできるのか? 学費はどうするか? 寮などの環境はどうか? ビザはどうするか?
大前提として、国からのビザがおりなくては移住ができないので、ビザの種類を調べます。国によっては年齢制限や資産の有無なども関係してくるので、とにかく自分が行きたい国の情報をしっかりと調べることが大切だと感じました。
今の時代ですから、インターネットである程度調べることも可能ですし、私はSNSでオンラインセミナーなどをやっているところを調べていろいろな国の移住セミナーに参加していました。また、日本でも移住のコンサルタントやビザサポートをしてくれる会社などもあるので、そういったところに聞いてみるのもありだと思います。
ビザのシステムは簡単ではなく、変更されることもしばしばです。行きたい国の目星がついたらとにかく情報を集めることが重要だと思います。
2:日本の勉強をどうするかをプランニング
我が家はシドニーの公立現地校に通っています。この連載の前回(シドニー教育レポート#6)でも書きましたが、こちらの勉強に加えて、日本の勉強をどうやってキャッチアップするかも結構悩ましいところです。5教科のうち、やはり日本人としては国語や漢字の書き取りは力を入れてやっておかなければいけないところ。
シドニーには、日本語補習校もいくつかあるのですが、日本からの移民や、両親のどちらかが日本にルーツがある人なども多く、基本的にはこちらで生まれてすぐに補習校を申し込むようで、私たちのように途中からやってきた人はウェイティングをしている人が多いようです。小学校4年生くらいの年齢だと現状3年くらいのウェイティングらしく、決まった時点ですぐに申し込まなくてはならなかったなと後悔しています。
ただ、補習校は土曜、日曜にやっていることが多く、習い事をしている人などは、忙しくなるので行かないという選択をしている人もいます。どこに重きを置くかで変わってくるので、これもどうするのか事前に決めておくといいと思います。
また、私たちは、日本の勉強のサポートを日本で申し込んだ通信教育でやっています。中には日本からでしか申し込めない通信教育もあるので、移住前にチェックしておきたいところです。
準備しておけばよかった「勉強や習い事」
nullこちらに来てからの勉強は基本的に、日本語で書かれた参考書やドリルを使っています。英語はまだまだ勉強中なので、何か勉強をしようと思った時に英語で書かれている本だとどうしてもそこでつまずいてしまいます。準備して来ればよかったと思ったものは、
- 日本語で書かれている英語のドリルや本、参考書
- 国語や算数は日本の教科書に沿ったドリルや本
などです。こちらにも数は少ないですが、販売もしていますし、図書館などでも借りることはできます。ただ、思っていたものが手に入りにくい、値段が高いというデメリットがあります。私はこちらに来て、日本のAmazonで実家に届くように手配し、実家から送ってもらいましたが、英語が得意ではない母に送ってもらうのは結構大変でしたし、送料もかなり高いです。
また、習い事に関しても同様です。オーストラリアではあまり盛んではないのですが、我が家は野球を始めました。野球に関わるものも、サイズが揃っていなかったり、お店が空いている時間が短かったり、Amazonも日本ほど便利ではない上にとにかく高いので、できれば日本から調達しておくのがいいと思います。
日本で準備してくればよかったと思う「アイテム」
null- 日焼け止め(オーストラリアはとにかく紫外線が強すぎるし、日本のものの方が肌に合う)
- 靴下(サイズがよくわからない)
- 靴(高い……。日本の2倍くらいです)
- 文房具(日本のものは高性能)
- お弁当箱・水筒(日本のものの方が気が利いていて使いやすい)
- 折り畳み傘、雨具(軽量で壊れにくい)
日本製のものは基本的に性能がいいですし、やはり使い慣れているということも大きいと思います。
ちょっとしたものは、こちらにある日本の100円ショップ『DAISO』でも手に入りますが、価格は今のところ3.3ドルから(2024年8月現在1オーストラリアドル=98円)と日本の3倍以上するので、持ってこられるものは多めに用意してきた方がいいと思いました。洋服や靴も成長を見越していくつか用意しておくことをおすすめします。
日本で頑張って準備したけれど「不要だったかも?」
null逆に準備として不要だったかも?と思ったのは、日本で通った「英語の塾」です。以前からいつかは海外に住みたいと思っていましたし、子どもに対して英語の必要性も感じていたので、小学校入学と同時に英語の学童に週に2回行かせていました。
先生は外国人でオールイングリッシュだったのですが、我が家は英語の習得まではなかなか行かなかったです。生徒はほぼ日本人ですから、どうしても日本人同士で話してしまいますし、週に2回、正味2時間ほどの授業では英語の習得とまではいかず、コストを考えると割高に感じてしまいました。
耳を慣らしたり、外国人や英語に対して抵抗をなくすくらいは習得できましたが、コストに見合うかどうかは……やや疑問です。コスト面では、参考書やドリル、英語のアニメや映画などを見るといったことがよかったかもしれません。
準備不足もあるけれど、やっぱり前向きに!
nullオーストラリアに限らず、海外で暮らすと、いろいろな理由や目的できている人がいますし、いろいろな暮らし方をしている人がいます。また、日本以外の国からもたくさんの人が来ているので本当に人それぞれの生活です。時には、自分のやっていることが本当にあっているのかと思ったり、いろいろな意見や情報に流されて、こんなはずじゃなかった、周りが羨ましく見えるということもあると思います。
私も実際に暮らしていても気持ちが落ち着かないことや、もう少しこうだったら、こうしてくればよかったなどと思うことがないわけではありません。でも、家族で何度も話し合ってプランニングをして来ましたし、子どもたちが毎日元気に学校に通って、少しずつでも英語が習得できて、いろんな国の子どもと友達になって、「学校楽しかったー」と帰ってくれば、そういった邪念は払って、前向きに頑張らなくてはと思います。
来月(10月15日公開予定)は、「教育移住、準備しておいてよかったこと、逆に要らなかったこと」(生活編)をお送りします。
大学卒業後OLから25歳でアナウンサーへ転職。テレビ、