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「令和の小学校」ってこうなんだ!冷房完備、水筒持参…昔とは違うと驚いたことを、パパ&ママに聞いた

育児中の親が経験した小学校生活と、現在の小学校生活はずいぶん変わっています。

自分の子どもが小学校に通い始めたことで、昭和・平成時代からの小学校の変化を目の当りにすることもあるのでしょうか。

今回『kufura』編集部は、小学生~高校生の子どもがいる男女114人にアンケートを実施。お子さんが通っている(または通っていた)小学校について、「自分が小学生だった頃とは違う」と驚いたことについて聞いてみました。

1:全国の設置率は95.7%!「エアコンが設置」されている

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まず最初は、エアコンの設置に関する回答です。

「学校に冷房完備。暑いと、冷房つきの体育館で体育をする」(42歳男性/研究・開発)

「冷暖房完備。酷暑で有名な場所で、冷房がないと体調を崩しそうなので助かる」(52歳女性/主婦)

「全教室エアコン完備で夏でも快適に授業を受けることができてうらやましい」(56歳男性/営業・販売)

全国(13地点平均)の猛暑日の年間日数(気象庁ホームページより)

近年、最高気温が35度以上の猛暑日が目立って増加しています。

気候の変化に伴い、教育現場では冷房の設置が進みました。

文部科学省の最新データによれば、全国の公立小中学校の普通教室で空調(冷房)が設置されている割合は、95.7%にのぼっています。体育館の空調設置率は、都道府県によって0%~82.1%までばらつきがありますが、設置の割合はにわかに上昇しています。

暑い日に行事で教室に足を踏み入れたときに、涼しくて安心した保護者もいるかもしれませんね。

2:午前で終了!「運動会の簡略化」

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運動会に関する回答です。

「運動会が半日で終わること」(44歳男性/金融関係)

「運動会が午前で終わる。騎馬戦やリレーも無く盛り上がりに欠ける」(43歳女性/主婦)

「運動会が午前で終わるようになった。親としてはとても楽でありがたい」(48歳女性/その他)

「昔より暑い季節が長いので、運動会が秋になったり春になったり、晩秋になったりして、開催してもすぐに終わる。学校もいろいろ大変そう」(42歳女性・パート勤務)

朝から午後までみっちり組まれたプログラム、昼ご飯は家族と大きなお弁当を囲む、クライマックスには高学年の組体操……という運動会の風物詩は、過去のものとなりつつあります。

また、 “楽しい”よりも“しんどい”と感じる生徒が多い種目については、廃止の動きが広がり、プログラムも短縮傾向にあります。

この傾向について、回答者からは、歓迎する声と、物足りないという声がありました。

3:こまめな水分補給のために「水筒の持参」

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続いてもまた、“暑さ”と密接に関連した、水分補給に関する変化です。

「水筒をもって学校に行くこと。水分補給が大切だということが昔とは違うなと思う」(42歳女性/主婦)

「水筒を持っていく。自分はカルキっぽい水道水をカブガブのんでましたけど」(49歳女性/公務員)

親が通っていた学校の設備によっても異なるのでしょうが、「自分たちの頃は体育や授業の合間に、水道水を飲んでいた」という声がありました。対して、自分の子どもが通う学校では、水筒の持参が慣例となっていることについて「昔と変わった」と感じたケースが寄せられました。

4:1人1端末で「授業・連絡帳のデジタル化」

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1人1人の生徒にデジタル端末が配布されていることに着目している人も。

「授業でタブレットを使うこと。自分のときはパソコンすらほとんど使用しなかったから」(39歳女性/その他)

「パソコンを使用して宿題をする」(40歳男性/医師)

「授業でPCを使用する。黒板をあまり使わないでマグネットで貼り付けるスタイルで授業をする」(50歳男性/研究・開発)

「欠席の連絡がアプリで行えること。昔は連絡帳か電話連絡のみだったので時代だなぁ。と」(45歳女性/主婦)

小学校の教育現場では、デジタル化が進み、1人につき1台の端末が配布されています。コンピューター教室に移動して、複数人で1台のパソコンを順番に使っていた保護者世代にとっては、“1人1端末”を目の当たりにして“隔世の感”を抱くようです。

5:「引き継がれてきたルール」の緩和

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各学校で引き継がれてきたルールが、緩和された事例もありました。

「給食は始めから食べられない分を減らすことができる(だから残らない)、忘れ物をしても厳しく注意されない」(39歳女性/その他)

「教科書などの“置き勉”が許されていること」(40歳男性/その他)

給食は必ず完食、教科書は全て持ち帰る、通学用のかばんは色や形は指定されたものだけ……といったルールが緩和されたことで、子どもの心やからだの負担の軽減につながっているようです。

6:「保護者・先生」「保護者・子」の関係性

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保護者の皆さんが先生に抱くイメージは、個々の記憶や経験がベースになっていると思います。回答者が抱く先生像と、子どもがお世話になった先生とのギャップを感じている人も。

「先生が親に気を遣っている。お客さんの対応をしているような喋りかたをする先生が多いから」(40歳女性/主婦)

「昔より怒る先生がいなくなったこと」(46歳女性/営業・販売)

「新年度の家庭訪問がないこと。あれば先生に気を遣うが、学校とのつながりが希薄になったように感じる」(54歳男性/総務・人事・事務)

「先生が保護者のクレームに対応するのが大変そう」(42歳女性/パート勤務)

「児童が過保護にされすぎている。先生の立場が萎縮しているように感じる」(45歳男性/その他)

「雨が降ると学校まで送っていく家庭が多いです。私の時代は、雨でも傘をさして歩いている子がほとんどでした」(34歳女性/主婦)

現在、教育現場において、行き過ぎた指導は不適切とされています。親の時代の先生と比較して、先生が“怒らなくなった”“優しくなった”という声がありました。一方、さまざまな配慮が求められる教師の負担を案じる声もありました。

 

以上、今回は育児中の親の視点から見た、“令和の小学校”についてのアンケートをご紹介しました。

気候の変化、教育環境の変化、人の変化。さまざまな変化が寄せられました。小学校との接点を通じて、過去との共通点・相違点を見つめると、子どもが身を置く教室の空気感が見えてくるかもしれませんね。

参考:公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況-文部科学省

 

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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