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何を聞いても「楽しかった」としか言わない娘(11歳)だけど…【お米の農家のヨメごはん#10】

こんにちは。富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・11歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らしている、そんな私たちの食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載の10回目。

今回は、暑い日でもパクッ!と食べられるおむすび、娘との夏の思い出、そして稲刈り準備の様子をお届けしたいと思います。

家事育児も本当に適当になる夏だからこそ、ひと手間かけておにぎりを握る。

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冷夏の予報だったような気がするけれど、気のせいだったのかもしれない。それが一体いつの予報だったのか、思い出せないし考えたくないくらい、この夏も暑かった。

暑いと、すべての事がどうでもよくなる。仕事だけはどうでもよくないので何とか頑張る。その反動か、家事と育児は、もう本当に適当だ。ご飯なんて、作る方も食べる方もどちらも、冷たいツルツルしたものを求めがちで、栄養バランス大丈夫かな、と頭にチラッとよぎりつつ、ツルツルに頼る日々。

でも時には、やっぱりちゃんとしたものを! 何をもってちゃんとしたものかはわからないけれど、でも、簡単に用意できて、なおかつ、美味しくて食べやすいもの。となると、おむすびが一番だと思う。

お米農家だからといって、特におむすびに強いこだわりがあるわけれではないけれど、でもやっぱり、お米そのものを味わいたいからシンプルに。

美味しい塩ならもう本当に、塩むすびが一番美味しいと思うし、ちゃんとした海苔をただ巻くだけとか、塩がしっかり効いた昔ながらの梅干しとか、そういうのが私は好きだ。具だくさんの豚汁と合わせれば、夏バテ知らず、栄養たっぷりご飯の完成だ。

夏ならではの、枝豆とトウモロコシを混ぜ込んだこんなおむすびもいい。わざわざ茹でるのは面倒なので、前の晩の残り物で。どちらか一方しか残っていなかったら、それはそれ。

ただ具を混ぜ込むだけ、お茶碗によそうだけでもいいような気もするけれど、そこだけはひと手間かけて、おむすびに。

おむすびにするだけで、少しだけかもしれないけれど、愛情が加わるような気がする。だからきっと人は、おむすびなら夏の暑い時期でもパクっと食べれるんだと思う。

ホールの舞台裏見学ツアーで娘が感じたことは……

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いつもちゃんと夏休みをとって、家族で旅やキャンプに出かけるんだけど、この夏は忙しくてどこにも出かけられなかった。

それでも、週末の隙間時間で近場のあちこちにお出かけした。黒部川扇状地を見下ろす展望台で一緒にヨガ(?)をしたり、お祭りにも参加したし、花火も見た!

富山市の芸術文化ホールでは、舞台裏を見学できるツアーにも参加した。

私自身が学生時代に演劇部だった事もあり、小さい頃から娘を舞台鑑賞に連れ出していた。そのおかげで娘は舞台が大好き。特にミュージカルの世界に夢中になり、そのうち自分自信がその舞台に立ちたいと思うようになり、今ではバレエやミュージカルをやっている。

親としてはこのツアーで「舞台の裏側ではたくさんの人が支えてくれている。それを見て聞いて体験して、人と人とが支えあってこその舞台という事をわかってほしい」なんて思っていた。……そんな私の気持ちとは裏腹に、娘はとにかく舞台裏の仕事、音響も照明も大道具も、ただただ楽しくて楽しくて仕方なかったようだ。

おもしろかった!楽しかった!としか言わない娘に、実は私は少し不満があって、どこがどうおもしろかったのか、どういう風に楽しかったのかを伝えて欲しいのだけど、それは大人の勝手な願いなのかな。

うちは、振り返ってみるとあんまり会話がない親子なのかもしれない。でも、言葉にして伝えてくれることはなくても、きっと娘の心の中には大きな、何かしらの思いがあると、私は信じている。

朝晩の風の質が違ってきた。稲穂も充実してきて、もう間もなくすると稲刈り

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さて田んぼの様子。

8月も下旬に入ると、日中の暑さは変わらないけれど、朝晩の風の質が全然違ってくる。稲穂も充実してきて、その首が少しづつ垂れてきた。これからどんどん色づいてきて、もう間もなくすると稲刈りだ。

というわけで、今は稲刈りの準備に追われる日々。

何事も準備8割というけれど、稲刈りだってそう。10日間程度の稲刈りの為に、たくさんの事前準備がある。

コンバインの整備はもちろんだけれど、刈り取った籾(もみ)を乾燥させる機械(写真の通り)、乾燥させた籾から籾殻を取って玄米にする機械、混入物や未熟な粒を選別する機械、選別された玄米を袋詰めにする機械などなど、これらたくさんの機械は1年に1回、この時期しか使わないので、すべてを綺麗に掃除して整備しておく。

稲刈りという表舞台を裏で支えるたくさんの機械の準備。非常に地味な作業だけれど、これも間違いなく米作りの一工程だ。

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