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夜ごはんを作りたくない日の、ラムチョップとベートーヴェン【お米農家のヨメごはん#8】

こんにちは。富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・11歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らしている、そんな私たちの食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載の8回目。

今回は、手抜きなのに抜群の美味しさのオーブン料理と、 稲の茎の中に隠れている稲穂の赤ちゃん様子をお届けしたいと思います。

夜ごはんを作りたくない……そんな日はオーブンにおまかせ!

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蒸し暑い日が続いている。日中は必死の形相で働いているから、夕食時はもう本当にクタクタ。

本音を言うと夜ごはんを作りたくない。許されるなら毎日外食がいい。けど出かけるのは面倒だし、お惣菜を買いに行く時間もないしその時間がもったいないし、誰か、ケータリングでもしてくれないだろうか……。と、現実逃避していても仕方ないので、ビールをグビグビ飲みながら、重い腰を上げて夜ごはんを作り始める。

田舎ではラムが売れない?!

こういう時は、オーブン料理に限る!大好きなラムチョップ(田舎ではラムが売れないのか、だいたい半額シールが貼られている!)に、塩コショウ、ニンニクとローズマリー、オリーブオイルを回しかけて、ビールを飲みながら待つこと少々。

ビール1本飲み終わったら、今度は冷やしておいた赤ワイン(夏は冷やします!)に変えて、ちょうどいい頃合いでマリネされたラムを、フライパンで焦げ目をつける程度に焼いていく。

私の場合こうやって、飲みながらご飯を作る事で、ご飯づくりの苦痛から逃れようとしているのかも。

やる気スイッチを入れる時は、ベートーヴェンやラフマニノフ!

BGMも重要。

クラシック好きな我が家はバッハを好んで聞く時間が多いんだけど、否が応でもやる気スイッチを入れる時は、ベートーヴェンやラフマニノフ、チャイコフスキー。情緒的な旋律が気分を盛り上げてくれる。キラキラしたい時はモーツアルトやドビュッシー、しっとりしたい時はショパン、などなど、気分によって作曲家をチョイス。

娘も親の影響で、クラシックに慣れ親しんでいる。漫画『のだめカンタービレ』の影響も大きいかもしれない。ありとあらゆる事を漫画で学んだ私は、だから娘にも、積極的に漫画を読ませて、いろんな世界を体感してもらっている。

今は『ちはやふる』という百人一首をテーマにした漫画に夢中で、百人一首を一生懸命に覚えているけれど、それだけでなく、人物や地名、仮名文字、そして日本の伝統美意識も感じていると思う(思いたい)。そしてもちろん恋、という感情も。

漫画や本、そして映画に音楽、私はよく知らないけれど、きっとゲームも、学校で教えてくれない事や親が教えてあげられない事は、そういう世界を通して学び感じていくんだと思う。

焦げ目をつけたラムチョップは、ジャガイモや玉ねぎ、トマトと一緒に天板に並べて、あとはオーブンにおまかせで! これだけで、ちょっと豪華な気分が味わえる夜ごはん、できあがり! ほろ酔い気分で聴くバッハは、少しだけ柔らかい音色に感じた。

田んぼでは、稲穂の赤ちゃんが育ってます!

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さて、田んぼの様子。

腰丈まで伸びた稲の葉はかなりチクチクして、こうして顔を田んぼに突っ込むと、顔が少し痛い。強面だけど敏感肌の旦那さん、痛がりつつ頑張って何をしているのかというと、稲の茎を根元から1本採取、成長具合をチェックしているようだ。

茎の表面をカッターで削るようにすると、中から稲穂の赤ちゃんが出てきた。幼穂(ようすい)と呼ばれるそれは、まだ茎の中に隠れているけれど、しっかりと養分を蓄えて成長し、もう少しすると茎から顔をのぞかせて花を咲かせる。そう!稲もお花を咲かせるのだ!!

どんなお花なのか、それは次回を楽しみにお待ちください。

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