温めるのは足よりもまず「内臓」! 次に首回りと足首を
null内臓を温めるには、腹巻やカイロでホカホカに
冷え性で悩む女性によくあるケースは、手先や足先が冷える“末端冷え性”。
とくに冷たくなりやすい足先の冷え対策として、靴下を何枚も重ね履きする人も少なくないようです。それって本当に効果的なのでしょうか?
「手足が冷える場合、実は一番温める必要があるのは内臓です。人間はまず内蔵を守る性質があり、冷えると内臓を最優先に温めようとします。つまり内臓が十分に温まらないと、手足を温めるところまでいきません。
ですから、靴下を何枚も履くより、腹巻などで内臓を温めるほうが効果的なのです」(以下「」内、竹ノ子さん)
内臓を温める方法としては、腹巻やお腹が隠れるインナーパンツのほかに、使い捨てカイロを貼るのも効果的だそう。
その際、仙骨の上部分、腰を下になぞっていくと触れる骨盤の上部に(洋服の上から)貼ると、手足をはじめ全身を温めることができます。
首回りと足首で冷え対策…マフラーとタイツは必需品
「内臓を温めたら、今度は首回りと足首を重点的に温めるように意識してください。マフラーは首回りの冷え対策にとても効果的なアイテム。
そしてとくに働く女性は、冬場でもスカートに薄手のストッキングで外出する機会があると思いますが、できればタイツなどで足首を冷やさないほうがいいですね。
職場だと環境にもよりますが、寒い場所に長時間いなくてはならない場合は、足首を重点的に温められるレッグウォーマーを活用してもいいでしょう」
長湯よりも熱めで短時間! 面倒でも「湯船に浸かる」こと
null週に数回、熱めのお湯に数分浸かるだけでも温まる
次の冷え対策ポイントは“お風呂”。忙しいとつい冬場でもシャワーだけで済ませてしまう人も多いのではないでしょうか?
しかし竹ノ子さんによれば、「毎日じゃなくても、週に数回でいいから湯船に浸かると体がより温まりますよ」とのこと。
「よくダイエットや美容効果のために半身浴で30分以上入浴する女性がいますが、冷え対策的にはさほどオススメできません。上半身が湯船に浸からないと冷えてしまいますし、何より長時間入っていると体力的に疲れてしまうことも。
冬場は41度~43度のやや熱めのお湯に、じわっと体に汗をかくタイミングまで浸かれば十分。個人差がありますが、だいたい10分もかからない人がほとんどだと思います」
リラックスするため、好きな香りの入浴剤もオススメ
また、お湯にお気に入りの入浴剤を入れて香りでリラックスすると、より相乗効果が出るそうです。
「リラックスすると自律神経にとても良い効果が期待できます。
自律神経は日中の活動時間に活発となる“交感神経”と、夜間や安静中に活発となる“副交感神経”という2つの神経系で構成されています。
働く女性は緊張状態が続いているので、つねに交感神経が活発になりがちですが、リラックスすることで交感神経を副交感神経にシフトさせることができるのです」
食事も大切!「温野菜+肉」で体内温度を上げる
nullそしてもうひとつの冷え対策は“食事”。冬場に体を温める食べ物といえば鍋料理やおでんなどが代表的。具材をいろいろと変えて楽しむことができますよね。なかでも竹ノ子さんがオススメするのは、“旬の野菜”と“肉”。
ポイントは旬の野菜! 冬に採れる野菜をあったかメニューで
「野菜というと、女性はサラダを好んで食べる人が多いですが、生野菜は体を冷やします。食事にはできるだけ旬の野菜をとり入れて、火を通して温かくしたものをいただきましょう。
冬の野菜は体を温め、逆に夏に採れる野菜は体を冷やすものが多いと言われています」
体を温める冬野菜として代表的なものは、カブ、にんじん、かぼちゃ、長芋、ネギ、ニラ、ショウガなど。逆に体を冷やす夏野菜は、キュウリ、トマト、レタス、ゴーヤ、ナスなどが該当するそう。
冬に旬をむかえる野菜でも、大根や白菜、ゴボウなどは体を冷やす作用があるとも言われるそうなので、冬場は温かく調理して食べたいですね。
さらなる冷え対策! 肉のエネルギーで体温を上げる
そしてもうひとつは、“肉”。肉類を摂取すると体の体温が上昇し、さらなる冷え対策が期待できるそう。肉は牛・豚・鶏・羊と変化をつければ、料理のバリエーションも広がります。
温かく調理した旬の野菜と肉類、これこそが冬に体を温める最強の組み合わせと言えそうです。
いかがでしたか? 冬場の頭痛や肩こりを軽減させるためには、まず冷え対策を万全にして“温まる生活習慣”を心がけることが第一。冷えに悩まされている方は、少しでも温まる体になるように生活を改善していきましょう。
【取材協力】
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
竹ノ子みどり(たけのこ みどり)
大手電機メーカーで経営企画部門や営業部門を経験するも、自らの手で目の前の人の身体も心も楽にしたいと思い離職。国家資格を取得し、現在は幅広い年齢層が通院する接骨院で、西洋医学と東洋医学、両方の知識と技術を融合した治療を行っている。趣味は日本民謡を歌うことと銭湯めぐり。