現代人の悩みの種…女性は「肩こり」、男性は「腰痛」が多い傾向に
null「PCやスマホを操作していると体が前傾に傾きがちになり、肩の位置が内側に入り込んで肩や首に大きな負担がかかります。
デスクワークなど長時間同じ姿勢で座っていることで起こる代表的な症状といえば“肩こり”と“腰痛”ですが、女性は肩こり、男性は腰痛を訴える患者さんが多い傾向にありますね。
おそらく女性は男性と比べて骨格のサイズが小さいこと、筋肉量が少ないことに関係していると思います。胸が大きい方も肩こりに悩まされることが多いようですね。
肩がこったときは、肩をもんだり叩いたりすると気持ちがいいものですが、実は肩こりに効くツボは肩以外にもたくさんあるんです」(以下「」内、竹ノ子さん)
1:首のツボ「天柱(てんちゅう)」
nullツボ押しで期待できる効果:首のコリ
「眼精疲労に効果があるツボとして、『ずっしり重い…眼の疲れと頭痛に!鍼灸師が教える“簡単ツボ押し”3つ』でお話した『風池(ふうち)』(後ろ髪の生え際を首の中心から外側へなぞり、上を向いた時に止まる場所)の下には、それぞれ左右に太い筋肉があります。
その筋肉の斜め下、頭の筋肉と首の筋肉が交差すえる部分が『天柱(てんちゅう)』です」
「ここは主に首まわりのコリに効果的なツボです。刺激するときは両手の親指を使い、押して気持ちがいいと感じる『天柱』のポイントを探ります。
押しにくかったり、肩こりなどで腕を上げるのが大変な場合は、『風池』と同じように頭を親指に押し付けるように後ろに傾けて押してみましょう」
2:肩のツボ「肩井(けんせい)」
nullツボ押しで期待できる効果:首のコリ、肩こり
「肩がこると無意識に押している人が多いのが、肩の真ん中にある『肩井(けんせい)』というツボ。
人によって微妙に位置が違いますが、肩がこっている人は触ると固い感触があるので、すぐに分かると思います。
『肩井』は指1本で押すよりも、中指を中心に4本くらいの指で刺激すると効果的。押したい肩と反対側の4本の指を『肩井』にかけ、手前に押しつけるようにすると力をかけやすいので、楽に強く押すことができるのです」
「そして私のイチオシが、4本の指で『肩井』に手をかけて押したまま肩をぐるぐる回す方法。
ツボを押しながら回すことで背中の肩甲骨も刺激され、肩全体がほぐれやすくなりますよ!」
3:肩のツボ「中府(ちゅうふ)」
nullツボ押しで期待できる効果:肩こり
「実は肩こりのツボは肩以外にもあります。例えば、鎖骨の下のリンパ部分にある『中府』」
「ここはまさにパソコンやスマホを長時間操作していると内側に入り込んでしまう部分で、酷使していると固くなりがちです。バストが大きい人がこりやすいのもこの部分ですね。
『中府』も『肩井』と同様に、肩と反対側の4本の指使って押しましょう。マッサージのようにくるくると回しながら押すように刺激するといいですよ」
4:腕のツボ「支正(しせい)」
nullツボ押しで期待できる効果:肩こり
「肩こりに効くツボは腕にもあります。手の小指から肘(ひじ)に上がっていくラインにある『支正(しせい)』は、細い筋肉が何本も密集している場所」
「ここは肩につながっているので、押してほぐすことで肩こりにいいですよ。押すときは、反対側の手全体で腕をつかむようにしながら、親指を使って刺激してください。
実は私もお気に入りのツボで、押すと肩がスーッと楽になる感覚がありますね。非常に楽に押せる場所なので、気軽にできるセルフケアとしてはとてもオススメ。
肩こりだけではなく、腕が疲れてつらいときにも効果的ですよ」
肩こりや首まわりのコリが気になると、自然に肩や首をマッサージしている人は多いはず。
今回ご紹介した首や肩、また腕のツボも覚えて、より効果的にツボ押ししてみましょう。同じ場所を刺激しすぎて起きる揉み返しを防ぐためにも、いろいろなツボを知って、疲れを感じたときに刺激してみてくださいね。
【取材協力・監修】
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
竹ノ子みどり
大手電機メーカーで経営企画部門や営業部門を経験するも、自らの手で目の前の人の身体も心も楽にしたいと思い離職。国家資格を取得し、現在は幅広い年齢層が通院する接骨院で、西洋医学と東洋医学、両方の知識と技術を融合した治療を行っている。趣味は日本民謡を歌うことと銭湯めぐり。