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【熱中症対策】に知っておきたい…「夏の猛暑に、ヨーグルト。」水分補給に加え、ヨーグルトの「水分保持力」が予防の決め手に!

全国各地で40℃を超える危険な猛暑日が続いており、日本の熱中症警戒度は過去最高に。いよいよ熱中症がより身近な問題となってきました。

先日行われた『一般社団法人 日本乳業協会』の発表会に参加したところ、今年は「夏の猛暑に、ヨーグルト。」がキーワード。なんとヨーグルトの「水分保持力」が熱中症予防の鍵になるそうです!

熱中症の最も多い発生場所はなんと「住居」だった!

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今年は6月で既に30℃を超え、8月には40℃を超える日々が続いている。

今年8月5日、群馬県伊勢崎市では国内の史上最高気温となる41.8℃を観測。同日、全国計14地点でも40℃以上を観測し、40℃以上を観測した1日あたりの地点数も過去最多を更新。今年は過去最高に暑い夏となっています。

7月24日に行われた『一般社団法人  日本乳業協会』の発表会では、熱中症の専門家である医師の谷口英喜先生が、熱中症の新たな新常識を解説。谷口先生によると、昨年、熱中症で救急搬送された人は全国で約10万人に最も多い発生場所はなんと「住居」だったそう。

総務省の「令和6年の熱中症による救急搬送状況」によると、2024年の救急搬送者数は97,578人に。

「以前は熱中症は直射日光を浴びる屋外で起こりやすいイメージでしたが、最近は家事や睡眠中など、屋内で熱中症になる人が急増しています。

特に熱帯夜にエアコンを使用せずに就寝することで起こる、睡眠中の熱中症が増加傾向にあります。

また、最近は日中暑い場所で過ごし、帰宅後や翌朝などに後から症状が出る“時差熱中症”も増えています。時差があるため、発見や対処が遅れがちで、特に注意が必要です」(以下「」内、谷口先生)

筆者も過去に、炎天下の長時間ロケの後、帰宅してからひどい頭痛に襲われたことがあります。今思うと、あれはまさに時差熱中症でした。さらに今年6月から、厚生労働省が全企業を対象に「熱中症対策の義務化」をスタート。近年、熱中症問題はより深刻化しています。

特に熱中症に気をつけるべきは「高齢者」と「乳幼児」

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熱中症の初期症状は、脱水症をはじめ、体のだるさ、頭痛、吐き気などが中心で、重度になると、各種臓器不全が現れます。危篤状態になると深部体温は40℃を超え、肝臓や腎臓が機能不全に。心臓や肺が異常をきたすと血圧が保てなくなり、場合によっては心肺停止に陥るそうです。

さらに怖いのは、熱中症で異常高体温になった場合、熱で障害が生じた臓器はもう元には戻らず、脳神経障害などの後遺症が一生残ってしまうことも。熱中症は、命を奪われたり、後遺症が残ったりする可能性もあるとても怖い症状なのです。

加齢と共に、喉の渇きや暑さに鈍感になるケースも。

なかでも、特に気をつけるべきは高齢者と乳幼児。熱中症で亡くなっているかたの8割以上が高齢者(65歳以上)とのこと。

高齢者は体に水分を蓄える役割を持つ筋肉の量が年齢と共に減少するため、体内の水分保持機能が低下しているのも原因のひとつだそうです。

子どもは体に十分な水分を蓄えられず、すぐに体外に排出されやすい。

乳幼児は体の中でエネルギーを作り出す際に多くの水分を必要とするため、大人よりも水分の消費が激しく、脱水症状になりやすいとのこと。

特にプールや海など水の中にいると涼しくて安心しがちですが、水の中での運動は想像以上に体力を消耗し、大量の汗をかいている場合も多く、こまめな水分補給と休憩は必須だそうです。

子どもは遊びに夢中になると水分補給を忘れてしまうことも多いので、特に大人が気をつけないといけませんね。

ヨーグルトの「水分保持」が熱中症予防の決め手に!

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さらに谷口先生は、これからの時代の熱中症対策について、このように話します。

発表会では、谷口先生と共に、左から内田篤人さん、鷲見玲奈さん、アンガールズさんも登壇して、熱中症について学んだ。

「熱中症予防にはこまめな水分補給は必須ですが、水分を補給してもすぐに尿として体外に排出されてしまいます。

そのため、これからの熱中症対策は、十分な水分補給をしたうえで、普段から“体内の水分保持力”を高めておくことが大切です」

そこでおすすめなのが、なんと「ヨーグルト」!。ヨーグルトは80%以上が水分なので、食べるだけで水分補給効果があるそう。

さらに注目すべきは、ヨーグルトの「水分保持力」。乳たんぱく質を糖質などの炭水化物と一緒に摂ると、血管中の水分を保持する「アルブミン」というたんぱく質の合成が促進されます。アルブミンが増えることで、血管内に水分を多く蓄えることができるため、熱中症や脱水症の予防効果が期待できるそうです。

ヨーグルトが腸の調子を整えたり、免疫力を高めるのは周知の上ですが、「体内の水分保持」にも役立つとは、知りませんでした!

1日2パックを目安に、朝晩食べよう!

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ヨーグルトは種類も豊富。さまざまな味があるので、飽きずに毎日続けやすい。

谷口先生が推奨する食べ方は、食べ切りサイズ1パック(100g程度)を1日1〜2パック、朝と夜の2回、こまめに分けて摂るのが理想的とのこと。

朝は、1日の活動が始まる前に食べることで、日中の水分保持力を高める効果があるそう。

一方、就寝中に成長ホルモンが出て、筋肉とたんぱく質が作られるため、寝る前に食べるのも効果的。特に高齢者は夜間トイレに行くのを避けるために水分補給を控えがちですが、就寝前にヨーグルトを食べると睡眠中の熱中症予防にもなります。

谷口先生も毎日ヨーグルトを食べているとのこと。毎日継続して食べ続けることで、熱中症に強い体作りにつながるそうです。

きなこ&はちみつ、ドライフルーツ&ナッツなど、好みのトッピングを楽しんで。
ヨーグルトの化身「グルトくん」のCMも公開中。

他にも、ヨーグルトは乳酸菌、ミネラル、カルシウム、ビタミンB群なども豊富で、夏に摂りたい栄養素がたっぷり詰まっており、夏バテ気味の食欲不振の時でも食べやすいのも嬉しい限り 。

1日1〜2カップを目安に食べるのがおすすめ。

さらに、フルーツやはちみつを加えたり、凍らせてシャーベットにしたり、料理のトッピングにしたり、アレンジしやすいのも魅力的ですね。

まるで沸騰するような日本の夏。異常気象ではなく、これがスタンダードになりつつあるこれからの時代、ひとりひとりの熱中症対策がますます必須になってきました。

そのような中、ヨーグルトはとても身近な食材で、大人も子どもも食べやすく、日々の生活に取り入れやすいのも嬉しいですね。

谷口先生の話をきっかけに、熱中症対策を兼ねて、我が家でも早速ヨーグルトを積極的に食べるようになりました。

ぜひ、みなさんも自分と大切な家族を守るために、「夏の猛暑に、ヨーグルト。」を習慣化してみてはいかがでしょうか。

岸綾香
岸綾香

ライター&エディター。『女性セブン』(小学館)で約 20年、料理、家事、美容、旅、タレント取材など、実用記事を中心に幅広いジャンルで取材&執筆を行う。『kufura』では2017年のローンチより、料理やヨガなどを中心に動画記事を350本以上作成。好きなものは絵本、美術館、音楽フェス、自転車。週刊誌で鍛えられた体力&根性で 40代から子育て奮闘中。

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