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風邪を早く治すために!医師が教える「よく聞く風邪の治し方」本当のところは…

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この季節、うっかり体調管理を怠ると誰もがひきがちな風邪。咳、鼻水、のどの痛み、発熱など症状はさまざまですが、できるだけ長引かせたくありませんよね。
風邪を早く治す方法についてはあれこれよく聞きますが、一体どれが正しいのでしょうか? 調布東山病院の児玉華子医師にお話をうかがいました。

風邪を早く治すための生活習慣4つ

まずは、風邪を早く治すための生活習慣から。

(1)ゆっくり寝る

「病気の予防・改善にとって睡眠をしっかりとるのは基本中の基本です。風邪をひいているのに睡眠不足では免疫力が下がり、症状が長引くおそれがあります。

日頃から規則正しい生活を送ることが望ましいですが、とりわけ風邪をひいたときには十分な睡眠時間を確保しましょう」(以下、「」内は児玉華子医師)

(2)体を温める

「人間のからだは体温が上がると免疫力がアップするともいわれています。免疫力を高めて、ウイルスに対抗するために体を温めることは大切です。

具体的には、温かいものを飲んだり、しっかりと重ね着をしたりして、免疫力アップを心がけましょう」

(3)うがい手洗い

うがい手洗いは、風邪の予防として知られていますが、風邪をひいてしまってからでも、早く治すために励行するほうがいいのでしょうか?

「ウイルスは種類がとても多く、あるウイルスが原因で風邪をひいたあと、また別のウイルスに感染して、重症化を招くおそれもあります。

とりわけ、風邪をひいているときには、のどの防御機能が弱くなっており、普段よりもウイルスの侵入を許しやすい状態になっていますので、うがい・手洗いは欠かさず行いましょう。

殺菌成分の入っている“うがい薬”を用いるとより効果的だといえますが、うがい薬がない場合は水だけで行ってもOKです」

(4)水分補給する

「“不感蒸泄”といって、人間のからだからは自然と水分が蒸発しており、その量は体温が1度上がるごとに15%ほど増えるといわれています。つまり、風邪をひいて発熱した状態では、どんどん水分が失われて脱水状態になりやすいのです。

脱水状態は免疫力低下を招き、風邪の回復をおくらせることにもつながります。それを防止するためにも、水分補給はこまめに行うべきでしょう」

風邪を早く治すための食生活とは

風邪を早く治すにはどんな食生活を送るべきなのでしょうか?

(1)ビタミンC

「ビタミンCは風邪のひき始めに摂ると、治るまでの期間が短くなるといわれています。体内にウイルスが侵入すると、白血球がこれを撃退する役割を担いますが、ビタミンCは免疫細胞を活性化し、白血球のはたらきをサポートしてくれるのです。

また、ビタミンCは過剰に摂取しても不要な分は通常、尿として排出されるので、摂りすぎによる害もありません。

手軽にビタミンCを摂取したいなら、顆粒のビタミンC飲料に頼るのもアリでしょう」

(2)みかん

「みかんはビタミンCが豊富で抗酸化作用もあるため、風邪をひいた際に積極的に摂ってもよい食品の1つです。

成人の場合、ビタミンCの推奨量は1日あたり100mg。みかん1個には35mgのビタミンCが含まれるので、1日3個食べれば推奨量を満たします」

(3)しょうが

「しょうがはからだを温めるはたらきがあるので、風邪を予防するにも早く治すのにも有効だといえるでしょう」

(4)ビタミンA

「緑黄色野菜などに含まれるビタミンAは、気道の粘膜を保護・強化するはたらきがあります。風邪のウイルスは気道粘膜からからだに侵入しますから、そのバリア機能を高めるために、ビタミンAを積極的に摂るようにしましょう」

(5)栄養ドリンク

風邪をひいたときには、しっかり栄養をとるべきとはいえ、体調が悪いなか食事の準備をするのもなかなか大変……。また、食欲がなくて食事が喉を通らないこともありますし、栄養ドリンクに頼っても大丈夫でしょうか?

「栄養ドリンクの主成分であるタウリンやビタミンBには、疲労回復や粘膜を正常に保つ効果があるので、風邪の症状改善に有効だといえます。

また、タウリンには肝臓のはたらきをサポートする効果も。肝臓は、栄養をエネルギーに変換したり、老廃物や毒素を排出したりする臓器なので、風邪でからだが弱っているときに、栄養ドリンクでタウリンを摂取するのはよいと思います。

ただし、過度に栄養ドリンクに頼るのではなく、あくまで食事の補助として利用することが望ましいでしょう」

(6)ねぎ

昔から、“風邪をひいたらねぎを首に巻け”などといわれますが、ねぎは風邪の患者にとって、お助け食材なのでしょうか?

「“ねぎを首に巻く”というのは、おばあちゃんの知恵袋的に伝えられていますが、医学的に推奨されているわけではありません。

ただ、ねぎ自体には、各種ビタミンが含まれているほか、特に白い部分には、ビタミンB1の吸収を助ける“アリシン”という成分があります。首に巻くのではなく、食品として摂るとよいでしょう」

(7)卵酒

これまた昔からの言い伝えで“風邪をひいたら卵酒”といわれますが、本当に卵酒は風邪に効果があるのでしょうか。

「卵酒が風邪によいとされるのは、卵が高級食材だった頃のなごりかもしれません。栄養価の高い卵と、体を温めるお酒を組み合わせたものですから、昔の人は風邪のときに卵酒を重宝したのでしょう。

ただ、卵酒を飲めば風邪が早く治るという医学的なエビデンスはありません。もちろん、からだに害のあるものではないので、あくまで“お好み”で飲むといいでしょう」

 

風邪を早く治すための薬との上手な付き合い方

(1)葛根湯を飲む

昔から風邪のお薬として葛根湯は有名ですが、はたして効果はあるのでしょうか?

「葛根湯には、体温を上げて菌を弱らせる作用があります。このため、ブルッと悪寒がするような風邪のひきかけ段階では有効だといえるでしょう。

他方、すでに発熱してしまった状態では、あまり効果が期待できません。また、葛根湯の成分“麻黄(まおう)”には交感神経を優位にするはたらきがありますので、血圧が高い人や心臓が弱い人は服用を避けるほうがいいでしょう」

(2)病院の薬と市販の薬との違いは?

病院で処方される薬と市販の薬にはどのような違いがあるのでしょうか? 仕事や家事、子育てに追われていて、できれば病院に行かずに市販の薬で済ませたい人も多いようですが……。

「市販の薬には、風邪の諸症状を緩和するさまざまな成分が含まれていますが、なかには患者さんの健康状態に悪影響を及ぼす可能性があるものもあります。

たとえば、先日、高齢の男性患者さんが、前立腺肥大が増悪して来院されました。抗コリン作用のある市販の風邪薬を服用したのが原因です。

このほか、市販の風邪薬のなかには、緑内障など眼圧が高いかたは避けたほうがよいものもあります。

たしかに、市販の風邪薬は便利ですが、患者ひとりひとりの症状や体質などに合ったものとは限らないので、より安全を期すなら病院で処方してもらうほうが望ましいでしょう」

 

最後に、「風邪を早く治すために最も気をつけたいことは?」と質問したところ、「十分な栄養と休息」とのことでした。

うっかり風邪をひいてしまったら、今回ご紹介した方法で、できるだけ症状を長引かせないようにしましょう。

【取材協力】

児玉華子・・・北里大学医学部卒業、北里大学病院での研修後、膠原病・感染内科学教室に入局。東京逓信病院、北里研究所病院および北里大学病院勤務を経て現在は、医療法人東山会調布東山病院内科・リウマチ科として勤務。日本リウマチ学会、日本内科学会、日本感染症学会、日本東洋医学会所属。『女医+(じょいぷらす)』所属。

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