挫折しない目標の立て方のコツは?
nullE子:ダイエットには挫折がつきものですが、「挫折しない目標の立て方」はありますか?
冨山さん(以下、敬称略):まずは自分を客観視して、なぜダイエットしたいのかを考えて欲しいですね。例えば「夫にキレイだと思われたい」「同僚に年齢より若いと思われたい」といったことです。「〜したい」ことによって具体的なダイエット方法を決めましょう。
よく「体重を●kg落とす」という目標を立てがちですが、体重を減らすのは手段であって、目的にしないほうがいいと思います。目標体重ばかりを重視して「食べないようにしよう」となってしまうと、ダイエットが過度になり、目標を達成したとしても燃え尽き症候群になってしまいます。
ウエストを細くしたいということであれば、「毎日子どもと一緒にフラフープをする」などと、できそうなことを始めましょう。
E子:毎日じゃないとダメでしょうか?
冨山:脂肪を燃やし続けた方がいいので、2日に1回以上、できれば毎日できることがいいですね。筋肉がリセットしてしまわないように、プロのアスリートは“48時間以内”を意識してトレーニングしているそうです。
また、例えば糖質制限ダイエットをする場合、「夜は白米を食べない」というように否定語で目標を定めると逆に食べたくなってしまうので、「夜は白米の代わりにとうふを食べる」というように、肯定語で目標を作ります。
E子:行動科学としては、「大きな目標を定めてから具体的な行動に落とし込む」という考え方でしょうか?
冨山:そうです。小さな行動にしないと継続できません。家に帰るとき毎日遠回りして帰ったり、エレベーターを使わず階段を歩くようにしたりと、生活の中にダイエットを組み込んでしまいましょう。
リバウンドはどうしたら防げる?
nullE子:ダイエット中の編集部員がいるのですが、リバウンドしてしまうのだそうです。リバウンドをしないよう、モチベーションを維持する方法はありますか?
冨山:リバウンドするということは、短期間で頑張りすぎてしまっているんですね。
“頑張る”というのは、自分の意思の力で働きかけている状態です。スーパーウーマンでもないので、ある時それが外れてしまうと、バーンアウトしてしまうのですね。それは生理学としては普通のことです。ストレスがかかると体を守ろうとしてバーンアウトしてしまうのです。
あとは、行動が“習慣”になっていないのだと思います。よく噛んで食べたり、体にいい食物を選ぶことを習慣にしましょう。
E子:お酒が好きで、たくさん飲んでしまうせいかもとも言っていました。
冨山:お酒が厄介なのは、理性が外れやすいので「まあいいや」となってしまうことですね。それを防ぐには、飲む前に食べ物が身の回りにないように環境を設定することです。
1日たった3分でも腹筋が割れる!冨山流エクササイズ
nullE子:冨山さんは、どんなダイエットをされていますか?
冨山:私は体幹を鍛えるために3種類の体操をしています。燃えやすい体を作っておくことが重要なんですね。
私、ジムに行ってないのですが、この3つの運動だけで腹筋割れてます(笑)。
E子:えっスゴイ!
冨山:みなさんにもやっていただきたいです。私も以前はジムに行っていたんですが、大変でやめてしまいました。もっと簡単に維持できる方法はないかと探して、体幹トレーニングの先生に教わりました。そしてこの3つの体操に行き着きました。3分で終わります。
Y子:食事制限はしていないのですか?
冨山:私はよく噛むようにしています。食べたいときは我慢しないで食べて、ひと口20回は噛みます。「もしもしかめよ〜かめさんよ〜」と鼻歌を歌いながら噛んでます(笑)。
E子:毎日生活に取り入れることで、体型をキープできているわけですね!
冨山:行動科学では、それを理想としています。気が付いたらキープできていたという状況がベストだと思います。
億劫なことこそ楽しくできるといいですね。子どもと遊びながら、犬と散歩しながら。生活にダイエットを組み込んでしまいましょう。
“リバウンドしないダイエット”でしたが、いかがでしょうか?
無理なくダイエットできるよう、参考にしてみてくださいね。
構成・文/kufura編集部 人物撮影/横田紋子(小学館)