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ダイエッターは「ラジオ体操」を!有酸素運動をメインに、筋トレは10分でいい

ダイエット中なのに痩せない人は、そもそも生活習慣がデブ寄りのものになっているのかもしれません。
書籍『これをやめれば痩せられる』(東洋経済新報社刊)の著者で医学博士の奥田昌子先生に、痩せられない行動について教えていただきました。今回は運動編です。

ジムでは筋トレをメインに頑張っているのはNG

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「脂肪を燃やすなら有酸素運動、っていうのはわかっているけど、筋トレも大事なんだよね。どのくらいのバランスでやったらいいのかな。ジムに行ったら、筋トレひと通りやって、あとランニングマシンかエアロバイクで流すって感じ。時間がないと筋トレだけで終わっちゃう」

そんな方は、有酸素運動と筋トレを組み合わせる場合も、有酸素運動を中心にメニューを組んでください。

先に筋トレを少し行うことで、有酸素運動の効果が上がります。

筋トレをすると、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンには、筋肉と肝臓に蓄えられたグリコーゲンと、体についた脂肪、両方の分解を促す作用があります。そのため、この状態で有酸素運動を実施すれば、体に蓄積されたエネルギー源をどんどん消費できるわけです。

では、筋トレと有酸素運動の時間配分は? トレーニングを通じたダイエットの専門家は、筋トレ20分+有酸素運動40分のバランスをすすめることが多いようですが、筋トレは10分くらい、軽く行うだけでも効果があります。

ただ、運動初心者は、まずは有酸素運動だけを行い、運動に慣れたら筋トレを加えるようにしてください。現時点で体重がかなりオーバーしている人も、心臓に負担がかかるのを避けるため、体重を5キログラム程度落としてから筋トレを加えるのが安全です。

ランニング、ウォーキングなどは有酸素運動。

自宅でもできるトレーニング

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ジムでマシンを使わなくても、自宅でダンベル運動や腕立て伏せ、縄跳びをしてもよいですし、もっと手軽に、ペットボトルをダンベル代わりにする手もあります。ペットボトルは、水量を調節して重さを自由に変えられるから便利です。握りやすい形になっているのも嬉しいですね。まずは、500ミリリットルのペットボトルを使いましょう。

ペットボトルを両手に1本ずつ持ち、体の横に腕をたらして、肩をすくめるように引き上げて、おろします。胸を張ってゆっくりと。また、ペットボトルを持つ腕を体の前にたらして前かがみになり、ゆっくりと体を起こします。続いて腕を前から肩の高さまで上げたら、ゆっくりとおろしましょう。他にもさまざまな運動がありますから、インターネットで「初心者 ペットボトル運動」のように検索するか、書籍を参考にしてください。

最初は椅子にかけて実施するとよいかもしれません。無理なく、長く続けることが大切です。

物足りなくなったら、ペットボトルの重さを変えましょう。

縄跳びもおすすめ。

ラジオ体操はとても有効

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有酸素運動も自宅でできるものがたくさんあります。その代表が、おなじみのラジオ体操です。もう何十年もやってないなあ、という人は、放映している「テレビ体操」でおさらいを。

ラジオ体操には第1と第2があり、第1は有酸素運動、第2は有酸素運動+無酸素運動です。

消費するのは30キロカロリー程度ですが、第1、第2を続けて6分20秒、インストラクターになった気分で、きびきびと体を大きく使いましょう。第1と第2をセットにして、1日に2セット実施するといいですね。

踏み台昇降もおすすめです。最近は運動用の踏み台を販売していますし、玄関の段差や階段を利用してもかまいません。足を上げたときに、膝が股関節を超えない高さ、20センチメートルくらいがよいでしょう。近くに手すりや壁があれば、初めは手を触れながら実施します。

踏み台昇降は動きが単調なので、テレビを観たり、好きな音楽をかけたりしながら行うと楽しめます。爽やかな汗が流れるまで、しっかり続けましょう。

夏休み、子どもと一緒にラジオ体操をはじめてみては?

まとめ

デブ行動……筋トレばかりのトレーニング

痩せる行動……有酸素運動をメインに、筋トレは10分でOK

奥田昌子先生。

【教えてくれた人】

奥田昌子先生

医学博士/内科医。京都大学大学院医学研究科修了。京都大学博士(医学)。博士課程にて基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何かを考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関でのべ30万人以上の診察/診療にあたる。航空会社産業医を兼務し、ストレス対応を含む総合診療を続けている。著書に『これをやめれば痩せられる』(東洋経済新報社)、『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)、『内臓脂肪を最速で落とす』(幻冬舎新書)などがある。

『これをやめれば痩せられる』(東洋経済新報社)

『これをやめれば痩せられる』(東洋経済新報社)

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