夏の「かかと荒れ」のメカニズム
null「かかと荒れ」というと、皮膚の乾燥が気になる冬のトラブルと考えがちですが、実は夏もかかと荒れで悩む女性は多いようです。
足育研究会理事で皮膚科医の今井亜希子医師が、勉強会の中で夏のかかと荒れのメカニズムについて解説しています。
今井先生によると、夏は足も汗で湿っていることが多いため、かかとなどの乾燥は気にならないかもしれませんが、足の裏には皮脂腺がないので、実は乾燥しているのだそう。また、かかとには体重の約70%の圧力がかかるので、かかとの皮膚は日々重圧に耐えているのです。
かかとは歩くときの衝撃を吸収するために皮下脂肪が厚く、毛細血管がこの中を通って非皮膚に栄養を届けていますが、かかとは体の末端で血流が悪くなりやすい部位。クーラーなどの冷えから起こる血行不良や、靴や歩き方によって起きる摩擦により、夏でもかかとが硬くなる角化が起こるのだそうです。
たしかに、夏は素足にサンダルで過ごしていると、かかとがなんとなく乾燥して白っぽくなることがありますよね。ストッキングや靴下を着けていない分、靴やサンダルによる摩擦もかかとにダイレクトに影響しそうです。
かかと荒れのケアを始めるサインは‟サンダルダコ”
nullかかと荒れは靴や歩き方による摩擦によっても起こるとのことでしたが、勉強会ではさらに、おしゃれ優先でサンダルを選ぶと足のトラブルの原因になることがあり、夏のサンダル選びには注意が必要だとフットケアスペシャリストの桜井祐子さんが指摘しています。
桜井さんによると、夏に起こりやすいかかと荒れは、かかとの皮膚が硬くガサガサした‟サンダルダコ”。自分の足にこのサンダルダコを見つけたら、かかと荒れのケアを始めるサインと考えて、すぐにケアを始める必要があるそうです。
また、先の今井医師によると、夏のかかと荒れをそのまま放置していると、秋冬に向けてかかとがひび割れるほど重症化する可能性もあるため、今の時期からかかとケアの習慣をつけておくことが大切ということでした。
このように夏はもちろん、秋冬もつるつるの美しいかかとをキープするためには、夏のサンダル選びがとても重要になってくるようです。正しいサンダルを選んで、今からしっかりかかと荒れ予防をしていきましょう。
間違ったサンダル選びが及ぼす影響とは?
nullサンダル選びがかかと荒れの原因になることもあるということでしたが、間違ったサンダル選びをしていると、ほかにもいろいろな悪影響が出てくるとのこと。実際にどのような影響があるのか見ていくことにしましょう。
上のサンダルの写真を見ると、足首やかかと、足の甲の支えが不十分で、かかとが不安定なのがわかります。バランスを取るために左右に揺れながら歩くなど、不自然な姿勢で歩いてしまうことにより、サンダルダコなど足のかかと荒れのトラブルはもちろん、膝から腰、肩こりなど、全身のトラブルにつながる危険性もあるそうです。
また、上の写真のようなサンダルでは、足が前にずり落ちてしまうため、歩くときに膝が曲がり、上体が前に傾いた “すり足歩行”になりやすい特徴があるとのこと。
このようにサンダル選びを間違うと、足のトラブルだけでなく、体が歪んで全身にさまざまなトラブルが発生する可能性もあります。一般的に、サンダルを選ぶ際は見た目を重視する人が多いと思いますが、今後は履いたときの自分の姿勢なども細かくチェックして選ぶようにするといいでしょう。
かかと荒れを予防するためのサンダル選びのポイント
nullでは実際に、かかと荒れなどのトラブルを予防するためにはどんなサンダルが適しているのか、選び方のポイントを見ていくことにしましょう。
安定感のある歩行でトラブルを防ぐためには、まず第一に足の甲全体を覆うストラップのあるサンダルがおすすめ。甲全体を覆うことで、かかととつま先のずれが少なく、大きな歩幅で早く歩くこともできるそうです。
このほかサンダル選びのポイントとしては、以下のものがあります。
・ヒール部が太くて安定している
・ヒールの高さは3cmまで
・アンクルストラップがある
・かかとがヒール部にまっすぐ乗る
・かかとが乗る部分がフラット
いかがでしたか? 意外と多い夏のかかと荒れ。実は、夏のファッションアイテムの定番「サンダル」の選び方も影響していたんですね。つるつるピカピカの魅せるかかとにするためには、サンダル選びが重要になってきます。安定感のある歩行で、足やかかとに余計な負担をかけないためにも、ポイントを押さえた正しいサンダル選びを心がけてみてください。