疲れた体や心と向き合って、自分自身を癒してあげて。
nullインド発祥の修行法であるヨガには様々なスタイルがあり、今回は若松由貴子さんに「ハタヨガ」という種類のヨガを教えてもらいました。ご自身も2児の母として育児に家事に仕事に忙しく奮闘する日々を送っており、イライラした心を鎮めて、体をゆるめるプログラムをkufuraのためにオリジナルで考えてくれました。
「1日の中で外側に向けていた意識を、自分の中に向けてゆっくりと動いていくヨガです。夫や子ども、ママ友や会社の人間関係……ヨガを行う時間だけは、自分自身のことだけに集中して、心も体も解放してください。心地いい感覚を大切にしながら行っていきましょう」(以下「」内、若松さん)
今回の企画では、動画を流しながら、若松さんの動きと声に合わせて、一緒にヨガを体験できるようになっています。夜眠る前、少し早く起きた朝、のんびりできる休日など、時間のある時にぜひ試してみてください。
リラックスヨガ1:山のポーズ【ターダ】で意識を内側に。
null今回の「リラックスヨガ」では、全部で5つのポーズを行います。立位、座位、四つんばい、仰向けと、様々なポーズが出てきますが、若松さんがゆっくりと導いてくれるので、無理のない心地よい範囲で行ってください。
「まず最初に行う山のポーズ『ターダ』は、立位の基本となるポーズ。足の裏に根を張るイメージで立ち、自分の呼吸を感じながら体の中心を整えます。意識を内側に向け、気持ちを集中させる準備の時間です」
こちらのポーズは、呼吸器系の内臓機能を高め、神経伝達の促進に繋がります。
リラックスヨガ2:片足木のポーズ「ブリクシャ」で心を穏やかに。
null「次に行う片足木のポーズ『ブリクシャ』は、片足立ちで体のバランスをとることで、自然と意識が内側へと集中するポーズです。肩や首の余分な力を抜いて、目線を一点に集中させ、穏やかな気持ちで行ってください」
こちらのポーズは、集中力向上、精神鎮静へと導きます。
リラックスヨガ3:座位の体側伸ばし「パリプリッタジャーヌシルシ」で自律神経を整える。
null「そして、今回のプログラムの要となるのが、こちらの座位の体側伸ばし『パリプリッタジャーヌシルシ』です。座って体をねじることで胸を開き、脇の下にスペースを作るポーズです。
肋骨や肺が閉じていると緊張やイライラに繋がるので、体をねじることで脇の下が伸び、胸が大きく開くため、肋骨や肺も開放されます。これにより、副交感神経が優位になって自律神経が整います」
このポーズが今回のいちばんのポイント。こちらのポーズは、呼吸器系内臓の活性、半身の気の流れや自律神経を整えてくれます。
リラックスヨガ4:猫のポーズ「マールジャーラ」で神経伝達をスムーズに。
null「次に行う猫のポーズ『マールジャーラ』は、背骨の柔軟性を高めるポーズ。四つんばいになり、猫のように背中を丸めたり、反らしたりします。背骨はたくさんの神経が通っている体の要の部分。背骨の柔軟性を高めることで、神経伝達がスムーズになり、自律神経の調整へと導きます」
こちらのポーズは、背骨の柔軟性の向上や、神経伝達をスムーズにし、自律神経の調整に繋がります。
リラックスヨガ5:橋のポーズ「セツバンダ」で背部を強化。
null「最後は橋のポーズ『セツバンダ』で、仰向けになって胸を開き、背面に刺激を与えましょう。終了したらポーズから離れ、体を解放し、自分の体の感覚をじっくり味わってください」
こちらのポーズは、背部の強化、呼吸器系の内臓機能の活性に繋がります。
「リラックスヨガ」いかがでしたか? 若松さんがおすすめのポーズを全部入れながら、バランスよく組み合わせてくれたので、全身を整えることができるスペシャルなヨガになっています。
実際に行ってみると、普段パソコン作業で猫背になって、凝り固まりがちな背骨が気持ちよくほぐれ、心地いい刺激がありました。無意識な呼吸を意識的な呼吸に変えるだけでも、自分自身の体や心と向き合えて、気持ちが少し穏やかになるのを感じます。
忙しいと心の余裕がなくなり、些細なことでもイライラと心が波立ってしまうこともあると思います。そんな時は無理をせず、このヨガを行うだけでも、気持ちが落ち着いて、心も体もスッキリするはずです。
ぜひ、自分自身の体や心のメンテナンスのために、普段の生活にヨガを取り入れてみてくださいね。
【取材協力】
若松由貴子
東京・南青山にある、日本人女性として初のアシュタンガヨガ正式指導資格者となった吉川めい主宰のコンセプトスタジオ『veda』所属。2016年にadidas Training Academy『ADIDAS YOGA』トレーニングコースを修了し、以降、アディダスジャパンのスポーツコミュニティ『MeCAMP』のメイン講師を務める。さわやかな笑顔と丁寧で分かりやすいレッスンが人気。年に一度インドに渡り、伝統的なヨガの精神をもとに、現在も学びを深めている。
取材・文/岸綾香