子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

意見が通りやすいのはどんな服?「会議でのノンバーバル」顔・表情・服装編

コミュニケーションには、“言語・話の内容そのもの(バーバル)”と“非言語・話以外の部分(ノンバーバル)”があります。相手への印象に大きく作用するのは、じつはノンバーバルのほう。会議はもちろん、あらゆるビジネスのシーンでも影響を及ぼします。

今回の【踊らず進む!会議のお作法】vol.11では、会議に参加するときのノンバーバルコミュニケーションで、とくに「顔・表情・服装」の基本について、チームビルディング・コンサルタントの尾方僚さんに詳しく教えていただきました。

クイズ!「意見を通したい会議」ではどの服装がベスト?

null

突然ですが、質問です。

Q.「今日の会議では、何がなんでも自分の意見を通したい!」と思っているとき、着ていく服としてベストなものはどれでしょうか?

a.赤いシャツ

b.黒系のパンツスーツ

c.黒いワンピース

……答えはズバリ、

A.「b.黒系のパンツスーツ」です。

a~cの中では一番引き締まったスタイルですよね。ではなぜ「黒系のパンツスーツ」がベストなのでしょうか、その理由は後ほどご説明しますね。

下を向かずに「顔を平行にして口角を上げる」

null

「目は口ほどに物を言う」といいますが、相手に一番よく見られるのはやはり目、そして顔全体です。Vol.10の「説得力が増す!? 会議で“印象がUPするノンバーバル”は…」でもお伝えしましたが、会議に参加するときには、以下の点に気をつけましょう。

顔を平行にする

会議のときはどうしても下を向きがちになってしまう、という方も多いはず。ですが、顔が下を向いていては、発言など何かの拍子に顔を上げたときに、上目使いになって印象が悪くなります。なるべく下を向かずに顔を床や机と平行になるように保ちましょう。

また、顔を少し上に上げるクセがある方も要注意。あごが上向きの状態で相手を見ると、高圧的で威圧的な印象を与えることがあるので注意しましょう。

口角を上げる

口角を上げて、表情を明るくすることも重要です。不満があったり否定的なことを考えているわけではないのに、顔つきや表情の無さだけでそのように思われるのは損ですよね。

常に笑顔でいる必要はありませんが、なるべく口角をあげておくことを意識しましょう。

「服装や髪型」は会議の目的によって決める

null

会議に参加するときは、まず「自分がその会議で成し遂げたいことは何か?」を考えましょう。
“書記”や“発表者”などの役割が与えられなかったとしても、事前に「自分はどういう立場で会議にのぞめばいいのか」を見極め、それに合った服装を心がけましょう。

どうしても「意見を通したい」とき

例えば「意見を通したい」ときに、胸元の開いたニットや短いスカートなど、カジュアルな服装はNGです。スーツやジャケットなどフォーマルに近い服装でのぞみましょう。

フォーマルなスーツでのぞめば “本人の気合”を十二分に伝えられますし、内容自体にもより説得力をもたせることができるでしょう。普段カジュアルな服装の人であればなおさら、そのギャップに周囲が驚いて注目を集められます。

色は黒が無難ですね。また、赤は相手を威嚇する色なので、場合によっては効果的に働くときがあります。
淡いピンク色やクリーム色などの薄い色はやわらかい印象になるので、強い態度で話したいときはできるだけ避けるのがベスト。

髪が長い人はひとつにまとめると「きちんとしている」「やる気がある」という印象を与えることができます。いわゆる“気合いを入れてラーメンを食べる”ときのスタイルですね(笑)

中立の立場などで「雰囲気を和ませたい」とき

逆に“雰囲気を和ませる役”として会議に参加するときは、スーツなどではなく、あえてオフィスカジュアルのようなかっちりしすぎない服装にしてもよいでしょう。

色味も淡いピンク色やパステルカラーなど、暖かくやわらかい色の服が功を奏する場合も。髪型もぴっちりきっちりまとめすぎると威圧的な雰囲気を出してしまうことがあるので、ナチュラルなスタイルを心がけるといいでしょう。

もしものために…「黒のジャケットを常備」しておく

急な会議や来客に備えて、黒のジャケットを1枚職場に置いておくのもオススメです。

例えば、他部署との急な会議でメンバーの中に初対面の人がいることもあるでしょう。Vol.9「最初の15秒が肝心!? “ノンバーバルコミュニケーション”とは」でお伝えしたように、人は第一印象が大切で、「出会って最初の15秒で相手への印象の85%が決まってしまう」といわれているのです。

カジュアルな服装でのぞむと初対面の人にはその印象が残り、イメージを変えるのに時間がかかります。また、フォーマルな会議で自分だけが崩した身なりだと、それだけで周りに“雰囲気負け”してしまうことも。

黒いジャケットは、羽織るだけで簡単に引き締まった印象を与えられる優れモノ。ぜひ常備してみてください。

 

今回は、会議での “顔・表情・服装”にフォーカスしてお伝えしました。
基本的なことをマスターしたら、“笑顔”や“ジャケットのこなれ感”“スーツの着こなし”などでキャラクターを出していくと、自分ならではの“味”もノンバーバルコミュニケーションのひとつとして成立するかもしれませんよ。

 


 

【取材協力・監修】

チームビルディング・コンサルタント

尾方僚

大手就職情報会社に9年間勤務した後、コンサルタントとして独立。大学や企業人事担当者向けの講演を数多く行い、企業の採用コンサルテーション・研修に従事する。現在、日本女子大学リカレント教育課程 講師、日本工業大学、デジタルハリウッド大学の非常勤講師としてキャリア系科目を担当。著書は『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)、『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニュケーションズ)など多数。

【参考】

尾方僚(2011)『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)

尾方僚(2007)『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニケーションズ)

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載