kufura(クフラ) 仕事も家庭も、私らしく!を叶えるヒント

資料の作りこみ過ぎはNG? 「口頭とプレゼン資料」のベストバランスは… 【届く、響く! プレゼンのお作法】vol.7

はてなブックマーク facebook Twitter LINE

文字で埋め尽くされた資料を、ただただ読み上げる発表者……そんなプレゼンや発表会に遭遇してうんざりした経験はありませんか? プレゼンテーションのメインは話し手の話ですが、もちろん資料も大切な要素のひとつ。説明の仕方にも工夫が必要です。資料と口頭をどういったバランスで展開すると、聞き手に伝わりやすくなるのでしょうか。

【届く、響く! プレゼンのお作法】7回目の今回は、プレゼンや発表会における「口頭と資料のバランス」についてチームビルディング・コンサルタントの尾方僚さんに伺いました。

クイズ! スライド1枚に入れるコンテンツの数は?

突然ですが、ここで質問です。

Q.プレゼンや発表会で資料をスライドで見せるとき、1スライドにコンテンツをいくつまで盛り込むのがベストでしょうか?

a.1つ

b.3つ

c.5つ

1つだと少ないような、でも5つだと多いような気がしますよね。ズバリ、正解は…

A.「a.1つ」です。

少なく感じられる方もいらっしゃるかもしれませんね。では早速、その理由を詳しくお伝えしましょう!

あくまでもメインは話! 資料は「道しるべ」に

プレゼンや発表会は、まず何を伝えたいのかを明確にしてそれをベースに構成を考えます。そしてそれを視覚化し、さらにプレゼンで伝えたいことのポイント、理解を促すデータや画像などを資料に落とし込んでいくのが手順ですが、話したいことをすべて盛り込むのはNG。見づらくなるだけでなく、何が言いたいのかも分かりにくくなる可能性大。

あくまでもプレゼンや発表会のメインは話で、資料はテーマに沿って話すためのいわば“道しるべ”。資料に盛り込むのは、“概要、テーマ”“見出し”“覚えていってほしいポイント”“データやグラフ、画像などの資料”といった最低限の要素に抑えましょう。

1枚(スライド)に1コンテンツ、口頭3分をベースに

資料1ページに盛り込むのは基本1コンテンツにして、その中のテーマも最大3つまでとしましょう。自己紹介1枚、プレゼンの概要と目的で1枚、章の見出し1枚、各項目の説明1枚ずつ、といった感じです。

そして細かいことは資料に書かずに口頭で説明を。聞き手の目線を、資料ではなく話し手(自分)に向けさせてください。

資料の流れに沿ったプレゼンでは、1枚にかける時間を決めておくことも大切。見出しは別として、喋り時間は1枚3分程度がよいでしょう。

壇上に机や台があるなら、パッと見て時間がわかるデジタル表示の時計を置いておくといいですね。

資料を見せながらも、目線と身体は聞き手に向ける

Vol.6「適したフォントがあるって知ってた? “プレゼン資料”を作成するコツを伝授」でもお伝えしましたが、資料は1枚の情報量を少なくしてできるだけシンプルに、を心がけて。要素を絞ってシンプルにすることで、大きな会場で壇上スクリーンやモニターにスライドを映した場合も、後方の座席にいる人も見やすくなります。

PCの資料をスライドに映す場合、スライドやPCのほうを見て喋るのはNG! 身体と目線は常に聞き手に向けることを心がけてください。

パワポを使う場合、アニメーションなどの仕掛けは避ける

スライドで展開する資料にパワポ(PowerPoint)を使う場合は、アニメーションなどの仕掛けは避けたほうがいいでしょう。アニメーションを入れた場合、アシスタントがいない限り喋りながら自分でPCを操作する必要もあり、全体の流れが止まったり飛んだりしてしまう危険性があります。喋りに夢中になっていると、操作を忘れてしまうことも。

さらに、聞き手が内容よりもアニメーションの動きに気を取られてしまう、という本末転倒なことにもなりかねません。

資料とは別に「口頭のシナリオ」を用意

プレゼン慣れしている人、人前に出る経験値が高くて喋りが得意な人以外は、資料とは別に“口頭のシナリオ”を用意することをオススメします。資料を見せながら喋る練習もしやすくなります。

練習用として使えるのはもちろんですが、当日も持参しておけば、構成を見失ったときや頭が真っ白になったときに立ち返ることができます。緊張しがちな人や不安な人にとっては「いざとなればシナリオを読めば大丈夫」と、心の安心材料にもなりますよ。

資料が1人歩きする可能性も…自分の見解や肝心なことは口頭で!

とくに配布した場合に言えることですが、発信した本人の知らぬところで資料が“一人歩き”してしまうことがあります。つまり作成者(話し手)の意図せぬところで、勝手に使われてしまう可能性があるのです。このことを念頭に置いて、基本的に資料にはデータなどの事実のみを記載し、自らの見解や肝心なことは口頭で伝えるとよいでしょう。

また、プレゼンが終了した後、スライドなどで見せた資料をデータかプリントで欲しいと言われることがあります。新製品や新事業の発表など、こちらから売り込みたい情報であれば渡しても問題ありませんが、独自のノウハウや重要な仕組みを開示しているなど安易に他人に渡したくないものでしたら、断っても大丈夫。私自身も外に出したくない資料は一切渡していません。

 

いかがでしたか? プレゼンや発表会に慣れるまでは、こなれるまで練習して挑みたいもの。そのためには、できるだけ早めに資料とシナリオを用意できると安心ですね。次回は「伝わるプレゼンにするコツ【実践編】」です。


 

【取材協力・監修】

チームビルディング・コンサルタント

尾方僚

大手就職情報会社に9年間勤務した後、コンサルタントとして独立。大学や企業人事担当者向けの講演を数多く行い、企業の採用コンサルテーション・研修に従事する。現在、日本女子大学リカレント教育課程 講師、日本工業大学、デジタルハリウッド大学の非常勤講師としてキャリア系科目を担当。著書は『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)、『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニュケーションズ)など多数。

【参考】

尾方僚(2011)『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)

尾方僚(2007)『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニケーションズ)

はてなブックマーク facebook Twitter LINE
連載