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社長の遅刻…どうする? 「大人数の会議をスムーズに進行する」ための注意点 【踊らず進む!会議のお作法】vol.18

毎日のように行われる仕事の会議を“知的生産性のある時間”にするための基礎知識やテクニックをご紹介する本連載も18回目に突入! 今回からは10人以上の大人数会議編です。何人の会議であっても大切なことは基本的に同じですが、人数が増える分、注意しなければいけないポイントがあります。

今回は、とくに会議の司会者を兼ねることが多い主催者にとって、「大人数の会議をスムーズに行うために気をつけたいこと」をチームビルディング・コンサルタントの尾方僚さんに教えていただきました。

クイズ! 社長が会議に遅れるとき、ベストな対処法は?

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突然ですが、ここでクイズです。

Q.10人以上が参加する大人数の会議に、社長が30分遅れるとの連絡が! ベストな対処法は次のうち、どれでしょうか?

a.開始時間を遅らせる

b.定刻通りに会議を始める

c.いったん白紙にしてリスケする(別の日時にする)

ズバリ、正解は……

A.「b.定刻通りに始める」です。

社長の会議への関わり方にもよりますが、会社で最も高い役職である社長の到着を待たずに始めてしまうと問題があるのでは?と思う方も多いかもしれません。

定刻通りにスタートすべき理由は、後ほどご説明しましょう。

参加人数が多い分、より「時間通りの進行」を

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これまで、vol.1「脱ストレス会議!プロが伝授“決して忘れてはいけないこと”」やvol.14「早めorゆっくり話す…どっちが効果的!? “中人数会議”で覚えておくこと」でもご紹介してきましたが、会議はテーマと目的を明確にし、時間内に目標を達成することが“知的生産性を上げる”ための重要なポイント。

そのためには、アジェンダ通りの進行とタイムスケジュールを厳守しなければなりません。何人の会議でも同じですが、参加人数が増える分、主催者や司会者はみんなの時間をムダにしないように意識しましょう。

主催者の自分が遅刻するときは? …「開始を遅らせる」ほうがベター

時間通りの進行には、まず開始時刻に全員が揃っていなければなりません。では、もし会議の主催者である自分がどうしても時間に遅れてしまうことになったら、どうしたらよいのでしょうか?

その場合は、開始時間を遅らせたほうがいいでしょう。そして、以下2つのことを覚えておいてください。

(1)開始時間の変更を早めに告知

ひとつは、時間に遅れると分かった時点で早急に参加予定者に「開始時間を遅らせる」旨を知らせること。スタート時間変更の告知が遅くなり、知らずに会議室に集まってしまうと、みんなの時間をムダにすることになります。

(2)5分~10分ではなく、30分などまとまった時間遅らせる

もうひとつは、もし5~10分程度遅らせるのならば思い切って30分遅らせてしまうこと。
そのときの状況にもよりますが、30分程度まとまった時間が空くことが早めに分かると、大抵の人は「この時間にひと作業できる!」と、まるでボーナスをもらったような前向きな気持ちになるものなのです。

オブザーバーなどが遅刻するときは? …「予定通り開始」を

主催者や司会者など、不在では会議を進められない人物以外が遅刻する場合は、定刻通りに始めましょう。

前出のクイズのように、それが社長であっても同様です。社長を中心とした会議なら待つ必要がありますが、オブザーバーとしての参加であれば、定刻通りに開始するのが無難でしょう。

大人数の会議で気をつけたい「席順」

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目的に応じた会議室の確保、配布資料の準備、当日のセッティング――入念な事前準備は、時間通りに会議を進める上でとても大切。
作業量も多くなる大人数の会議で、とくに気をつけたいのが席順です。

他部署・他社参加の会議で避けたいのは「身内で固めすぎること」

会社のルールや上座・下座に気を配りながら、避けたいのが“身内で固めてしまうこと”。とくに他部署や他社を招いての会議の場合、主催者側が固まっていると招かれる側はそこはかとない“アウェイ感”を感じてしまいます。

書記や雑務などサポートをしてくれる役割で、主催者や司会者、発表者の近くに座ったほうが会議がスムーズに運ぶ人以外は、遠い席でも支障はないでしょう。
均等に混ぜる必要はありませんが、同じチーム以外の人が“アウェイ感”を感じない席順を心がけましょう。

当日、席の誘導であたふたしないためにあらかじめ席順を決め、席順表や名札を作っておくことをオススメします。

参加者の立場やバックグラウンドを明確に

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いざ会議がスタートしたら、主催者や司会者としてまず忘れずに行いたいのは参加者の紹介です。

社外の人を招く場合はもちろんですが、大きい組織であればあるほど、他部署など社内でも知らない人同士が同席するケースは多いもの。自分で自己紹介をしてもらってもいいですし、主催者や司会者が簡単に紹介してもOK。
重要なのは、なぜその人が会議に参加しているのか、参加者全員が理解することです。

開始時には、会議全体の流れとともに終了予定時刻をアナウンスするのもお忘れなく。

 

いかがでしたか? 時間通りの進行やスケジューリングは、大人数になるほど難しくなるもの。入念な準備と臨機応変な対応で、会議を“知的生産性を上げる場”にしましょう!

 


 

【取材協力・監修】

チームビルディング・コンサルタント

尾方僚

大手就職情報会社に9年間勤務した後、コンサルタントとして独立。大学や企業人事担当者向けの講演を数多く行い、企業の採用コンサルテーション・研修に従事する。現在、日本女子大学リカレント教育課程 講師、日本工業大学、デジタルハリウッド大学の非常勤講師としてキャリア系科目を担当。著書は『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)、『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニュケーションズ)など多数。

【参考】

尾方僚(2011)『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)

尾方僚(2007)『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニケーションズ)

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