宛名をきれいに書くコツ
null大切な宛名を書く面は、「一度、別の紙で練習しておくとスムーズです」と、ゆめふでさん。
その上で、バランスよく見えるポイントやコツとは?
字の大きさ
「相手の名前をいちばん大きく書きます。目安は、一文字が一円玉より少し小さいぐらい。その次に、相手の住所→自分の名前→自分の住所というふうな順で、小さくしていきます。
相手の住所は、郵便番号の枠よりも少し大きめに書くことを意識するとよいでしょう」(以下「」内、ゆめふでさん)
苗字と名前の割合
「苗字2文字、名前2文字なら、すべて等間隔に書きます。苗字3文字、名前2文字や苗字2文字、名前1文字などどちらかが奇数になる場合、苗字と名前の間を広めにあけて書きます」
「様」をやや大きめに
「名前との間隔をあけ、名前よりやや大きめに書くときれい。あけるスペースは1/2文字分ぐらいでしょうか」
余白も大切にする
「はがきの上下左右の余白も大事に。キチキチに書くより、余白があるともっときれいに見えます」
「様」をきれいに書くコツ
nullどの宛名にも入る「様」は、画数も多く、むずかしい字の一つです。
「まず、きへんは2画目の縦画が肝心。1画目の左右が2:1になるよう縦画を入れて、長めに書くときれいに見えます。
3画目の左払いは、1画目と2画目との距離が等間隔になるように。
4画目の点は、1画目にピッタリつくように書くと詰まって見えるので、やや下の位置から書きます。短く丁寧に点を打ち、1画目の書き終わりの位置とそろえます」
きへんのコツを押さえた上で、へんとつくりのバランスを意識すると、一層きれいな「様」に近づくそうです。
「様は、へんが4画、つくりが10画と、つくりのほうが画数が多いです。だから、一文字の割合として、1:2の割合で書くとバランスよく見えるでしょう。とくに縦書きの場合、きへんを大きく書きすぎると右にはみ出てしまうので注意します」
ゆめふでさんが書く「年賀状のお手本」
null既製の年賀状もいいけれど、今年はすべて手書きに挑戦してみませんか? ゆめふでさんに、お手本を見せていただきました。
賀詞を大きく太く
「『謹賀新年』などの賀詞(がし)は、メッセージや宛名とは筆記具を変え、太めのペンで書きます。コンビニなどでも手に入る筆ペンの『ぺんてる筆』は速乾性もありおすすめですが、使い慣れていない方には持つのも難しいかもしれません。その場合、筆ペン感覚で使える『筆まかせ 細字』や『筆touchサインペン』がおすすめ。『筆まかせ』には極細タイプもあるので、『筆まかせ』のみで年賀状を仕上げることもできます」
余白を意識
「宛名と同じく、はがき一面を字でキチキチにしすぎないことも、きれいに見えるポイントです。とくに縦書きの場合は、はがきの下に広めに余白をとるとバランスがよく見えます。
最初から「余白を文字一個分とる」などと決めて書き始めるといいでしょう。消しゴムで消せるように線を引いてもかまいません」
添える言葉(メッセージ)は少し小さく
「賀詞の1/4くらいのサイズが目安。少し小さく書くとバランスがよく、メリハリもつきます」
メッセージをそろえる
「横書きならメッセージの上を、縦書きなら改行して最初にくる字の高さをそろえると、まちがいなくきれいに見えます。書き慣れてきたら、縦書きの場合は字の始まりを斜めにしてみるなど、遊び心を加えてもいいですね」
こまめにティッシュオフするか、時間をおいて書く
「筆記具の進化で速乾性のものも増えましたが、乾いていないところを手でこすって滲んでしまった!という悔しい失敗も……。こまめにティッシュオフするか、書いたところを乾かしてから次の字を書くなどすると安心です」
日付やハンコでポイントを
「余白があれば、日付やハンコでポイントを加えるのもおすすめ。
日付の場合、元旦に届かないことが明らかな場合は『元旦』とは書かず、『一月』『正月』などの言葉を使います。松の内(1月7日)をすぎる場合は、年賀状ではなく寒中見舞いとして出します。
ハンコなら、温かみのある消しゴムはんこもいいですね。色がポンッと入ることで印象が変わります」
一年の計は元旦にあり
null年賀状を通して、相手の近況を知るのは楽しいもの。そこに書いてある字がきれいだったら、一層「もらってうれしい年賀状」になるはず。
年賀状のみならず、お正月にはお年玉のポチ袋に宛名を書く機会もあります。そんな時、子どもっぽいくせ字だと、ちょっと恥ずかしいですよね。
ゆめふでさんのお手本を参考に、今年はきれいな字を目指しませんか?
画像提供:『誰でも字がきれいに書ける ゆめふで式美文字のレッスン』(実務教育出版)
【教えてくれた人】
ゆめふでさん
上品かつ柔らかな書体で人気を博し、Instagramで字のリクエストが相次ぐようになる。美文字のポイントを解説し、字に悩んでいる人に向けてアドバイスを発信している。Instagramのフォロワー数は16.6万人(2024年9月現在)。アカウント「@yumefude_penji」。
『誰でも字がきれいに書ける ゆめふで式美文字のレッスン』(実務教育出版)
上品かつ優しい字で憧れる人多数! Instagramを中心に、大人気の美文字アドバイザー「ゆめふで」氏による、初の”書き込み式”美文字練習帳。くわしい&簡単な美文字ポイントで、つまずく心配ゼロ。「理想の字」を追求して一からデザインした、ゆめふで式美文字のコツを、あますところなく解説し、誰でも簡単にきれいな字が書けるように!
朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote