「ゆめふで」さんとは?
null4歳から高校生まで習字を習い、「字はきれいに書けるほう」と思っていたというゆめふでさん。ところが、あるとき思っていたように書けていないと自覚。憧れの字を目指して練習を繰り替えし、一文字ひと文字、理想の字が書けるように一からデザインしてゆきました。
「書くことでわかったのは、美しく書くにはコツがあるということです。
『文字は人なり』という言葉があります。私が目指すのは、やさしくて柔らかい、温かみのあるきれいな文字です。また、相手にとって読みやすいことも大切にしています」(以下「」内、ゆめふでさん)
きれいに書けない原因は「姿勢」にあり!?
null「まず、字を書くときに大切なのは姿勢です」と、ゆめふでさん。
ペンの持ち方が正しくても、姿勢が崩れていると字の中心がずれ、思うように線を運ぶことができないのだとか。
「まっすぐに書いているはずが、字がどんどん傾いてしまうという人は多いです。また、書いているうちに疲れてしまうという人もいますね。前屈みになっていないか、肩や腕に力が入りすぎていないかなど、姿勢や書き方をチェックしましょう」
字を書くときの姿勢の基本
- 両足を軽く広げ、足の裏を床につける
- おなかは机から握りこぶし一つ分くらいあける
- 背筋を伸ばし、肩の力を抜いてリラックスする
- 手元から目までの距離は30cmくらい離す
- 頭は顎をひいて軽く右に傾ける
ペンの握り方
筆圧が強すぎると、ペンだこができたり、疲れたりする原因に。
「親指と人差し指でペンを軽くつまみ、中指で支えるように持ちます。手のひらの中に卵が入るイメージで持つと安定しますよ。そして、字を書くときに力を入れるところは入れる、抜くところは抜くというメリハリも大事です」
ベストポジションの作り方
「右利きの場合、右目の前に両手で三角をつくり、そのまま下におろします。ひじの半分は、机にのるように。そこでペンをもつとベストポジションです。左利きの場合は、左目の前に両手で三角をつくります」
このベストポジションを保ち、書いてゆきます。ところが人間の体の構造上、書いているうちに縦書きの場合は左に曲がったり、横書きの場合は右上に字が上がったりしがちなのだとか。
「ポジションは崩さず、紙を手でスライドさせてゆくと真っ直ぐ書きやすいです。縦書きの場合は、ペンを持っていないほうの手で紙だけを上に。横書きの場合は、左にずらしてゆきます」
「美文字」への一歩は「反復練習」
nullゆめふでさんが美文字のためにしたことは、「反復練習」です。その中で、次の3ステップが美文字につながったといいます。
- 練習したい字を何回か練習する
- お手本を見ないで書いてみる
- 2で書いた字とお手本をよく見比べる
「最初はお手本を見ながら書き、その後でお手本を見ずに書いてみましょう。お手本がないと、あれ? ちがうと気がつけます。私も最初のころは、赤ペンで添削しながら繰り返し練習しました」
練習にも! おすすめの文具
ジェルインクペン「サラサ」(ゼブラ)
「『サラサ』はしっかり止め、ハネができる、書きやすいペンの一つです。私は、少し太めの0.5mmや0.7mmを国語ノートでの練習に。メモや手紙、連絡帳など、細かな文字を書く場合には、0.4mmや0.5mmのものを使っています」
ジェットストリーム(三菱鉛筆)
「あとは『ジェットストリーム』もメモや連絡帳など、細かな字を書くときに重宝しています。
用途に応じて筆記具を変えることで、字の印象や書きやすさは変わりますよ」
国語12マスノート(ダイソー)
「十字の補助線が入った小学生用の国語12マスノートは、練習におすすめ。私は100円均一の『ダイソー』で購入しています」
硬筆習字用下じき0.8〜1.6mm厚(三菱鉛筆)
「下敷きをしくことで、力をほどよく吸収してくれ、字に強弱をつけやすくなります。机の上にそのまま紙をおくより書きやすいですよ」
美文字への道は一日で成らず
null繰り返し練習するうちに、少しずつクセも補正されていくとゆめふでさん。「継続は力なり。一緒にたのしく練習しましょう」。
ゆめふでさんのInstagramをはじめ、著書『誰でも字がきれいに書ける ゆめふで式美文字のレッスン』は、お手本を見ながら反復練習ができます。また、美文字練習シートがダウンロードできたり、すぐに使える豊富な実例も。
字をきれいに書いてみたいと思ったら、どうぞチェックしてみてください。
【教えてくれた人】
ゆめふでさん
上品かつ柔らかな書体で人気を博し、Instagramで字のリクエストが相次ぐようになる。美文字のポイントを解説し、字に悩んでいる人に向けてアドバイスを発信している。Instagramのフォロワー数は16.6万人(2024年9月現在)。アカウント「@yumefude_penji」。
『誰でも字がきれいに書ける ゆめふで式美文字のレッスン』(実務教育出版)
上品かつ優しい字で憧れる人多数! Instagramを中心に、大人気の美文字アドバイザー「ゆめふで」氏による、初の”書き込み式”美文字練習帳。くわしい&簡単な美文字ポイントで、つまずく心配ゼロ。「理想の字」を追求して一からデザインした、ゆめふで式美文字のコツを、あますところなく解説し、誰でも簡単にきれいな字が書けるように!
朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote