「美文字」に近づく4つのコツ
null「とくに相手に対して書く字は、自分の言いたいことを伝えるためにも、気持ちを込めて、自分の中で最大限に敬意を込め、丁寧に書くことが大事です」と、ゆめふでさん。
といっても、書くときに使える時間には限りがあります。それに、字の微細に至るまで、毎回すべてに気を配るのも大変なような……?
「大丈夫! すべてはできなくても、とめるところはとめるなど、少し意識をもつだけで字の印象はぐっと変わります」(以下「」内、ゆめふでさん)
コツ1:「とめ・はね・払い」できっちり感が出る
「とめ・はね・払い」がない文字は、締まりがなく、子どもっぽく見え、雑な印象を与えてしまうそう。
「この3つがあるだけで、文字はきっちりと、きれいに見えます。たとえば仕事のメモで急いで書く場合でも、ほんの少し“とめ・はね・払い”に気を配ってみてください。これにより相手が読みやすい文字になり、“仕事そのものもきちんとしているんだろうな”という印象につながっていくはずです」
コツ2:「斜め45度の打ち込み」で文字が締まる
毛筆の場合、筆先を斜め45度にトンと置いてから線を引きます。ゆめふでさんは、これをペンに応用。
「縦画・左払い・反り・曲がりに、斜め45度の打ち込みを入れるとキリッと引き締まります。ただ、すべての線に打ち込みを入れると圧迫感が出るので、横画・右払い・点には入れずに“抜け”をつくります。横画の場合は、とんと軽く置くぐらいで」
こうした打ち込みを入れるとき、一瞬止まることも大事なのだとか。
「ほんの一瞬ですが、次に書き出す方向を見定める時間が生まれます。線を安定して、まっすぐに書けるようになってゆきますよ」
コツ3:横画は「伏せ・反り・まっすぐ」でバランスがよくなる
文字をバランスよく見せるには、横画にちょっとした変化をつけることもポイント。
「たとえば漢数字の一なら“伏せる”。二なら、“上の線を反る、下を伏せる”。三は、この一と二が隠れていて、“上を反る、真ん中はまっすぐ、下は伏せる”。漢字には横画が多く含まれているので、まずはこの三文字をマスターすると応用が効きます。そして、この3つを意識して横画に少しの変化を加えると、見ちがえるように変わるはずですよ」
ただ、意識しすぎもよくない、と続けます。
「とくに毛筆の場合は、横画の変化がないと単調になってしまいますが、ペンの場合はほんの少しで大丈夫です」
さらに、文章全体で見たときに横画の角度がそろうとよりよい、とも。
「たとえば『お誕生日おめでとう』のメッセージを書くときに、上の横画の角度がある程度そろっていると、バランスよく、きれいに見えます」
コツ4:曲がり角は「折れ」を作る
曲がるところにきちんと「折れ」を作ると洗練された印象に。
「“折れ”とは、横線を引いた後、線が曲がるところで一旦止まり、角を作ることです。コツは、“折れ”の手前で少しだけ筆圧を抑えてから止まり、ぐっと力を入れて“折れ”を作ること。こうすることでメリハリが生まれますよ。
あまり意識していないと、例えば“口”を書くにしても、角を丸く書いてしまうことも。すると締まりがなく、幼い文字に見えてしまいます」
気軽に楽しく練習しましょう
nullゆめふでさんが教えてくれた4つのコツは、字にほどよい柔らかさと締まりを持たせてくれます。そして、どれも今日から実践できることばかり。
「1日1文字、お手本を見るだけでも十分です。気分が乗ったとき、時間があるときにやってみようかな?ぐらいの気持ちで、練習を続けてみてください。書くことが楽しくなりますように」
画像提供:『誰でも字がきれいに書ける ゆめふで式美文字のレッスン』(実務教育出版)
【教えてくれた人】
ゆめふでさん
上品かつ柔らかな書体で人気を博し、Instagramで字のリクエストが相次ぐようになる。美文字のポイントを解説し、字に悩んでいる人に向けてアドバイスを発信している。Instagramのフォロワー数は16.6万人(2024年9月現在)。アカウント「@yumefude_penji」。
『誰でも字がきれいに書ける ゆめふで式美文字のレッスン』(実務教育出版)
上品かつ優しい字で憧れる人多数! Instagramを中心に、大人気の美文字アドバイザー「ゆめふで」氏による、初の”書き込み式”美文字練習帳。くわしい&簡単な美文字ポイントで、つまずく心配ゼロ。「理想の字」を追求して一からデザインした、ゆめふで式美文字のコツを、あますところなく解説し、誰でも簡単にきれいな字が書けるように!
朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote