時代の変化に対応し、成長させる人材に期待
nullその背景にはビジネス環境の変化があります。少子高齢化が進む中、国内マーケットの成長は見込めないため、企業は新たな需要を掘り起こし、従来にない商品・サービスを打ち出していかなければなりません。
さらにはAI(人工知能)など新たなテクノロジーを使ったビジネスモデルが台頭してきたり、広告宣伝手法がマスメディアからSNSへ移っていったりと、既存の事業モデルでは通用しなくなっています。
時代の変化に対応し、会社を維持・成長させていくためには、既成概念を崩さなければなりません。
しかし、ある程度の規模まで拡大した組織では、社員たちの考え方や価値観が画一化されているもの。このままでは成長できない、イノベーションが起こりにくい……ということで、経営陣たちは中途入社者に「新しいものを持ち込んでほしい」と期待しているのです。
社内にイノベーションをもたらす、異業種からの採用も
null実際の採用事例をご紹介しましょう。
ある流通企業では、総菜やデザートのPB商品の開発部門で中途採用を行ってきました。以前採用されていたのは、同業種での商品企画経験者や食品メーカーの出身者。
ところがあるとき、食品を扱った経験がまったくないエンターテインメント企業のマーケティング経験者に内定を出したのです。それは、「扱ってきた商品に関係なく、消費者から共感を得てファンになってもらうことの価値を理解している人、消費者自身もまだ気付いていないような真のシーズ(事業化・商品化の可能性がある種)を創出できる人がほしい」という意図によるものでした。
このように、「異業種の視点や発想を持ち込んでほしい」というニーズは増えています。つまり、あなたの経験が、思いがけない業種の企業で評価され、歓迎される可能性もあるということです。ですから、「自分の経験・スキルを活かすならこの業種・職種だろう」という思い込みは捨てて、視野を広げて活躍の場を探していただきたいと思います。
また、中途採用を行う企業の経営者からは、「既存社員に刺激を与えて、危機感を持たせてほしい。『今のままではダメなんだ。変わらなきゃ』と気付かせてくれるような人に入社してほしい」という声を聞くことがよくあります。
新しい手法を持ち込むことで、「こんなやり方もあったんだ」「新しいやり方を開拓していかないと、時代に乗り遅れる」という発見を与えてほしい――そんな人材ニーズがあります。
例えば、営業の仕事であれば、「これまではルート営業だけだったが、新規開拓営業に乗り出す」「○○業界だけを対象に営業してきたが、△△業界にも営業を仕掛ける」「『根性営業』でやってきたが、効率的なマーケティングツールや営業支援サービスを導入する」「独自で顧客開拓してきたが、他社とタイアップして顧客を紹介し合う」「テレアポ営業中心だったが、セミナーを開いて顧客を誘致する」といったように、既存のやり方を変えていくことを目的とした採用も行われています。
上記は営業の例ですが、どんな職種でも共通。もしかすると、あなたが今まで当たり前に使っていた手法が、転職先企業にとっては新しい発見をもたらしてくれる、価値あるノウハウとなるかもしれません。そんなふうに自分の経験を活かせる道を探ってみてはいかがでしょうか。
構成/青木典子
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