事業拡大や新規事業立ち上げにあたり、即戦力を求める
null事業の拡大を図るとき、あるいは新規事業を立ち上げたときなど、人員の増強を行います。この場合、その業務の知識・経験があり、入社後すぐに即戦力として活躍してくれる人材がほしい、という理由で中途採用を行います。特に中小企業の場合は教育体制が整っていない企業が多いため、社会人としてのマナーやビジネスの基礎を身に付けている経験者を採用したいと考えます。
新卒の採用計画数を満たせない
「他社のカラーに染まっていない新卒を採用して、自社で育成したい」という企業も多いのですが、現在は新卒採用難。新卒の採用予定数が充足しない場合、中途採用で補います。こうした理由の場合は、社会人経験3年以内程度の「第二新卒」を求めるケースが多く見られます。
退職者が出たので、欠員補充したい
退職者が出た場合、抜けた人の穴を埋めるために採用を行います。業務が滞らないようにするため、退職者と同等のスキルを持つ人を求めるケースが多数。退職日までに引き継ぎを行うために採用を急いでいることも多く、経験・スキルよりも「早いタイミングで入社できるかどうか」を優先して選考を行うこともあります。
組織の年齢構成のバランスを整えたい
社会全体あるいは業界の景気が悪化すると、新卒採用を控えることがあります。また、市況に関わりなく、「一時的に業績が悪化した」など、その企業独自の理由で採用を控える時期もあります。
このように、一時期新卒採用を控えたことにより、組織を年齢ピラミッドにした場合、歪みが生じていることがあります。それが組織のあり方として好ましくないと考える企業は、企業体力があるときに年齢ピラミッドを整えるため、層が薄い年代の補充に動きます。
これから新規事業に乗り出すため、自社にない知見を持つ人材がほしい
null近年、既存の事業とは異なる領域の新規事業に乗り出す企業が増えています。大きな理由の一つは、少子高齢化により国内マーケットが縮小していくため。また、テクノロジーの進化によって新しい商品やサービスが生まれてくると既存商材の価値やニーズが下がるため、新しい収益の柱を確立しようとするのです。
従来は「モノづくり」に特化していたメーカーが、「サービス」の開発に乗り出す動きも活発です。こうした場合、自社には新規事業の知見を持つ社員がいないため、異業界から人材を迎えるケースが増えています。
会社を変革してほしい・刺激を与えてほしい
今までのやり方では今後の成長が見込めないばかりか、衰退してしまう――そんな危惧を抱き、改革を図ろうとする企業もあります。しかし、既存社員でそれを行おうとしても固定観念に縛られ、新しい発想が生まれにくい。そこで外部の人材を迎え入れ、組織や事業を変革してほしいというニーズがあります。
特に最近では、「働き方改革」と言われるように、企業が体制や風土の改革を求められるテーマが増えてきました。これらについても、既存社員だけで対応するのが難しいため、他社で経験して実績を挙げた人を迎えたいとする求人も増えています。
また、マンネリ化した組織に新風を吹き込み、刺激を与えてくれる人材を求めている企業もあります。新しい血を入れて、ケミストリー(化学反応)を起こしたいと考えているのです。
――採用背景は多くの場合、上記のいずれかに当てはまりますが、もちろん、企業の狙いは十社十様です。興味を持った求人企業があれば、「企業が何を求めているのか」を意識しながら、ホームページや求人広告のメッセージを読み込んでみてください。「自分の経験が活かせるかも」というポイントを発見しやすくなるはずです。
構成/青木典子