一緒に働くメンバーに会わせてもらおう
null面接を受けて、「内定」の方向に話が進んだら、人事担当者にこんな相談をしてみましょう。
「配属予定部門の社員の皆さんともお話ししてみたいのですが、機会をいただけませんか」
面接では、配属先の部門長や直属の上司などとは話しますが、実際に一緒に働くメンバーたちに会わせてもらうよう、お願いするのです。
というのも、「トップが語っていたことと、現場スタッフの意識が大きく違っていた」というケースはわりとありがちだからです。
特に中小企業への転職で、社長や役員クラス以上としか話していない場合は要注意。トップの考え方や今後のビジョンに対して、社員がまったく付いていっていない、むしろ抵抗感を抱いている……なんてこともあります。
そんな状況で、もしあなたが、社員たちが賛同していないプロジェクトや新規事業のメンバーとして入社したなら、最悪の場合、既存社員から警戒され、協力を得られない恐れもあります。
これは極端な例ですが、「面接で聞いた話と違う!」ということにならないためには、現場の社員とも話をしておくことをお勧めします。
また、「面接で話をした人事担当者にはいい印象を抱いたのに、配属先の部門の人たちはタイプがまったく異なっていて、人事に抱いた印象とかけ離れていた」という声を聞くこともあります。
会社側としても、既存社員と中途採用者がスムーズに打ち解けることを望んでいますので、「一緒に働くことになるメンバーと話してみたい」と申し出れば、実現する可能性は高いでしょう。
もし、明確な理由を説明することなく頑なに拒むようでしたら、「知られたらまずいこと」が裏側に潜んでいるのかもしれません。
配属先のメンバーへの質問で「問題点」を察知する
null現場の社員に会うことが叶ったら、次のような質問を投げかけてみるといいでしょう。
「今の仕事はどんな面白さ、やりがいがあるか」
「今、組織としてどんな課題を抱えているか」
「どうしたら今の職場がもっとよくなると思うか」
「中途入社者(自分)に期待することは何か」
こうした切り口で質問すれば、問題点が浮かび上がりやすくなります。
話が進んで打ち解けられたら、「経営に対して、不満に感じていることなどはないか」と投げかけてみてもいいでしょう。
人事担当者が同席する場合は、なかなか本音を話してはもらえないかもしれませんが、表情や口ぶりなどをじっくり観察すれば、本音を感じ取ることはできるかと思います。
「うーん……」と言葉に詰まったり、困ったような視線を送ってきたりした場合は、何か裏事情があることを疑ったほうがいいかもしれません。
引っかかった点について、採用担当者に突っ込んだ質問を投げかけてみるといいでしょう。
とはいえ、「問題点をあぶり出そう」というところばかりに意識を集中するのではなく、「この人たちと一緒に働きたいか」という感覚を大切にしてください。
構成/青木典子