「忙しすぎて休みがとれなさそう……」
null勢いよく成長している企業ほど、忙しいのは事実。けれど、「休みがとれない」とは限りません。
勤務体系・勤務時間がきっちり定められている大手企業とは異なり、ベンチャー企業はとても柔軟。
むしろ、大手だと人事制度を変えるのは至難。でもベンチャーであれば社長が良いとなれば即導入ということも。
必要な業務をこなしてさえいれば、イレギュラーな休暇を取ったり、あるいは在宅勤務ができたりと、結構融通が利くものです。
また、フルタイムの正社員を雇用する余裕がない場合は、「週3日勤務」などの条件で専門スキルを持つ人と雇用契約や業務委託契約を結ぶケースも。
つまり、「育児に手がかかる期間中は、自分が働ける時間だけスキルを提供する」という働き方も可能な場合があるのです。
「倒産のリスクがありそう……」
null創業間もないベンチャー企業は、確かに業績が不安定。
しかも、テクノロジーの進化のスピードが速い昨今は、高いシェアを獲得していても、新たな技術やビジネスモデルの登場によって、あっという間に追い落とされてしまう可能性もあります。これは投資のプロであるベンチャーキャピタリストなどでも先を読み切ることはできません。
しかし、仮に倒産まで追い込まれてしまったとしても、その会社で得た経験を活かしてすぐに次の転職先を見つけられるのであれば、それは「リスク」にはならないのではないでしょうか。
要は、その企業でどんな経験が積めるかが重要。
新たなビジネスモデルやサービスの開発ノウハウを身に付ける、マーケット開拓やセールスのスキルを磨く、あるいは組織を一から整備する経験を積むなどすれば、再び有望な新興ベンチャーに移れるチャンスがあります。
大手企業に勤務しても、サポート的な業務だけを担当し、いずれAI(人工知能)やロボットに代替されてしまうほうが、よほどリスクが高いといえるかもしれません。
「ワンマン経営者に振り回されそう……」
nullこれは、経営者のタイプによります。確かに、新しいアイディアを思いついては思いつきで社員に振ったり、いきなり戦略を転換したりして社員を慌てさせる経営者がいるのも事実です。
しかし、私がお会いしてきたベンチャー経営者の皆さんには、メンバー個々の専門性を尊重し、その領域については完全に任せて、自分は報告を受けるだけ……というスタンスの方も少なくありません。
実際にベンチャー企業に転職した方々からは、「大きな裁量権を持てる」「面倒な稟議や決裁なしに、スピーディに推進できる」という声がよく聞こえてきます。
いずれにしても、「経営者のそばで働ける」のは、ベンチャー企業のメリットの一つといえます。どんな業種・職種でも、さらに上のキャリアを目指すなら「経営の視点」を持つことが大切だからです。
経営者のタイプを見極め、「この社長の理念に共感できる」「この社長から学びたい」と思える企業を探してみてはいかがでしょうか。
ベンチャー企業で働く醍醐味は、なんといっても「ワクワク感」だと思います。
新しいビジネスモデルで業界や社会に変革を起こすワクワク感、自分自身がチャレンジし、成長するワクワク感。
それを大切に働きたい人は、ぜひベンチャー企業という選択肢も視野に入れ、自分にフィットする企業を探してみてはいかがでしょうか。
構成/青木典子