転職活動しやすい季節、その理由は?
null一つには、新年度がスタートする「4月1日入社」を前提とした中途採用求人が出てくる、という特徴があります。10月の決算を踏まえて翌年度の組織体制・人事戦略の策定がなされ、4月の組織体制に必要な人材の募集を11月~12月頃に開始するのです。
12月中に書類選考、1月~2月にかけて面接を行い、2月末に内定を出し、4月1日入社……というスケジュールで進める企業が多く見られます。
もう一つの特徴は、冬のボーナスをもらってから退職意思を表示する人が一定数いるため、「欠員補充」目的の求人が出てくるということ。
この場合、退職した社員が持っていた専門スキルを有する人材を求めます。引き継ぎや育成に時間をかけられないため、その業務経験を持つ即戦力が必要となるわけです。
つまり、ほぼ通年で行われている営業・販売・エンジニアなどの大量採用・未経験者採用とは異なり、「専門職のピンポイント求人」が出てきやすいといえます。
一方、求職者側はというと、12月は何かとバタバタしているため、転職を考えていても「年末年始にゆっくり考えよう、情報収集しよう」というモードに入っています。転職へのアクションが鈍るため、この時期は「ライバルが比較的少ない環境」ともいえるでしょう。
12月半ば頃までに応募を済ませておけば、早ければ年内に書類選考結果がわかります。年明けの面接に向けて、年末年始休暇の間に、じっくり対策に取り組めます。
もしくは、12月中に転職エージェントに相談してみてもいいと思います。
「強みが伝わる」職務経歴書での一工夫
null12月に転職活動を始める皆さんに、活動の第一歩である「応募書類作成」のコツをご紹介します。
中途採用においては必ず「職務経歴書」を提出します。職種ごとの書き方サンプルがネット上で手に入りますので、それを活用するといいでしょう。
しかし、見本に従って所属企業・所属部門・担当職務を書き並べるだけでは、「強み」が伝わらないことが多々あります。異動や転職などでさまざまな経験を積んだ人ほど、人事担当者が書類を読んだとき、「どれが強みなのかよくわからない」ということになりがち。
そこでお勧めするのが、冒頭に「職務経歴の要約」、最後に「自己PR」を記載することです。
職務経歴の上に「職務経歴の要約」という欄を設け、経歴を要約して記すのです。このとき、単なる要約ではなく、下に羅列する職務経歴のうち、「特にアピールしたい経験」「注目してほしい経験」について簡潔に記しましょう。人事担当者は「この部分を重点的に見て評価すればいいんだな」とわかります。
最後には「自己PR」欄を設け、「仕事の成果」「身に付けたスキル」「取り組み姿勢」「仕事において大切にしていること」「今後の目標」などを伝えます。
ここでは、抽象的な言葉は使わず、なるべく具体的に記してください。
例えば、
「接客の経験が豊富です。お客様との関係構築に力を入れてきました」
↓
「1日平均○組の来店客に対応しました。お客様のお話をじっくり聴き、手書きの礼状を送ることで自分を印象付け、固定客を獲得しました」
――このように「働いている姿」がイメージできるような書き方を心がけてください。ただし、あまりダラダラと長くならないよう注意しましょう。
転職を成功させられるかどうかは、「タイミング」もとても重要です。この時期ならではのチャンスをぜひつかんでください。
構成/青木典子