国内初「幼児2人同乗用電動アシスト自転車」が開発されたワケ
null保育所や幼稚園、習い事への送迎に、家族での自転車移動に。電動アシスト付きの「子乗せ自転車」を愛用している方は多いでしょう。
しかしこれまで、アシストしてくれるのは“乗車時”のみ。押し歩くシチュエーションでは、自力で荷重を支え、前に進む必要がありました。
自転車に乗れないシーンでは、最大約66kgを押して歩く必要がある
駐輪場や歩道橋などのスロープ、車両通行止めの商店街、人通りの多い公園など……意外と“押し歩く”機会って多いんですよね。しかもこうした自転車に乗れないシーンでは、最大約66kgを押して歩く必要があるってご存知ですか?
『ギュット・アニーズ・DX・押し歩き』(32kg)+子ども2人と荷物(30kg)+チャイルドシート(約3.4kg)※として、総重量は約65.4kg。
お子さんの人数や成長、荷物の量にもよりますが、日常の多くのシーンで「押し歩き」の機会があります。また、総重量がこれに満たずとも、スロープや人通りの多い場所では、安全を考えて押し歩くに越したことはありません。
※「パナソニック」の前用チャイルドシート(品番NCD468)を想定
こうした「子どもを乗せての押し歩き」に負担を感じる子育て世代は、「パナソニック サイクルテック」の調べによると79.5%。「子乗せ自転車に押し歩きをサポートしてくれる機能があれば楽になる」という回答は、92%にものぼったそうです。
まさに切なる願い! そこで2021年のショッピングモデルを発表後、社内のリアルな子育てママが結集。安心・安全面に配慮し、商品化されたのが『ギュット・アニーズ・DX・押し歩き』なのです。
操作は簡単! 安心・安全への配慮もあちこちに
nullいざ、体験。
子どもとチャイルドシートの荷重に加え、パソコンなどがたっぷり入った荷物も前カゴへ。平地を何もアシストなく押し歩くと……重くて腕がフラフラ。日ごろ筋トレで鍛えているのにうまく操れません。この状態で傾斜のある道を押して歩くのは怖いぞ。
「押し歩きモード」をON!
「押し歩きモード(押し歩き機能)」の使い方は簡単。
まず、電源が入った状態で、サドルの下にあるレバーを上に上げます。レバーは軽くて、力はほとんど必要ナシ。サドルが斜めになった“座れない”状態になることで、モードが切り替えられるのです。
平地は自力で押し歩き、傾斜に入ったところで左手のハンドル部分にある「押し歩きモード」のスイッチを入れてみました。同時にグンッ! と前に進む感覚があり、腕への負担が軽くなります。あとはスイッチを押したまま、歩きながらのぼればOK。
最初は、ふっと軽くなった感覚に驚きましたが、慣れれば平地と同じように前へ進むだけなので、かなりラクと言えるでしょう。
また、アシストの速度は2段階で調整できます。遅いほうで、時速3〜4kmとゆっくり歩く程度。速いほうで、時速5kmほどとサッサと歩く程度です。押し歩きモードに慣れるまでは、ゆっくりのほうを選ぶとよいかもしれません。
「ずり下がり抑制機能」があってよかった〜(ホッ……)
体験当日、直前まで予期せぬ雨。そのため、地面はすこし濡れていました。
傾斜の中ほどまで来たときです。踏ん張った足がズリッ……! 怖くて思わず押し歩きボタンから手が離れてしまったのです。押し歩きボタンは押し続けなければアシストしてくれません。噴き出る冷や汗。
すると「ずり下がり抑制機能」が作動。自転車が勢いよくずり下がることを防いでくれたのです。
「ずり下がり抑制機能」とは、坂道での押し歩き中に、押し歩きボタンから指が離れた場合に作動する安全システム。約10秒間、自転車が勢いよくずり下がることを抑制してくれます。
あらかじめ説明があったとはいえ、想定していない瞬間にことが起こり、とても怖かったです。おかげで無事に頂上へつきましたが、この機能がなかったら……(ゾッ)。
大切な子どもと一緒のときに、安心・安全への配慮はいくらあってもありがたいですよね。
そして降りへ。押し歩きボタンを押さなければ何もアシストされないので、傾斜に任せながらブレーキを適度にかけつつ、ゆっくり進みます。
押し歩きモードをOFFにするには?
平地に着いたら、サドルを押してもとのフラットな状態へ。これで「押し歩きモード」が解除され、乗車時に誤作動しません。
また、押し歩き時のサドルが引き上がった状態のときに、お子さんが指を挟まないよう樹脂カバーが付いています。ちょっと目を離したすきに、子どもは大人が思ってもいないようなことをするものですから、ありがたい機能です。
ちなみに、押し歩き機能を作動することでの電力消費はわずかとのこと。ケースによりますが、頻繁に押し歩くからといって、充電がすぐになくなるという心配はなさそう。
6月の発売が待ち遠しい!
null全5色の『ギュット・アニーズ・DX・押し歩き』の発売は、2024年6月上旬。メーカー希望小売価格は18万3,000円(税込)です。
実は現在、非電動アシスト子乗せ自転車でがんばっている記者。体重20kgとなった子どもを乗せ、遠方や坂道を越えてのお出かけがツラくなってきました。小学校へ入っても、習い事の送迎や通院などで子乗せ自転車は活躍すると聞きます。しかも、チャイルドシートを外せば普段使いとして遜色ないデザイン性の高さ。リアルに購入を検討しています。
皆さんもお近くの販売店を、どうぞチェックしてみてくださいね。
【取材協力】
パナソニック サイクルテック
『ギュット・アニーズ・DX・押し歩き』
発売日:2024年6月上旬
メーカー希望小売価格:18万3,000円(税込)
カラー:全5色
バッテリー:リチウムイオンバッテリー
バッテリー容量:16.0Ah
充電時間:約5.0時間
朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote