移転後「これからの築地」を考える地元の若者たちが開催
null今年で第6回を迎える『築地はしご酒』。昨年はなんと2500人以上もの人々が、築地の美酒美食を求めて集まったそうです。
そもそも始まりは2014年。築地場内市場の移転に備え、築地場外で古くから軒を連ねる地元商店の後継者である3代目、4代目の若者たち(海苔店や玉子焼き店などなど)が、「これからの築地」のことを考えて、自主的に実行委員会を立ち上げ、第1回『築地はしご酒』を開催したのが始まりです。
『築地はしご酒』を立ち上げた初期メンバーの1人で、毎年実行委員を務めている松本聡一郎さんは、蕎麦店『築地 長生庵』の2代目。先代の頃から築地で働く人たちの胃袋を満たしてきた地元で愛され続ける名店です。
「築地は83年もの間、全国各地からとれたての旬の食材が集まる世界最大級の魚市場、まさに“日本の台所”でした。その場外に軒を連ねる私たちは、買い出しに来る食のプロや一流の目利きを相手に、この土地で代々商売をしてきました。
昨年、築地場内市場は豊洲に移転しましたが、今も築地の場外には、変わらずたくさんの魅力的な店がひしめきあっています。そんな世界に誇る築地の魅力を少しでも多くの人に知ってもらいたい、これからも末長く愛される街でありたいという思いから、この土地で育った築地を愛する若者たちで『築地はしご酒』を始めたんです」(長生庵・松本聡一郎さん)
55店舗が参加!日本の台所・築地で美酒美食を堪能しよう
null『築地はしご酒』は、築地本願寺で参加証(WEB予約前売り券、または当日券)を引き換え、築地界隈に点在する飲食店55軒を気軽に「はしご」できるチケット制の回遊型イベント。お店のジャンルは海鮮、寿司、蕎麦、洋食、ホルモン、カレーなど実に幅広く、500円〜1000円くらいの価格帯で、この日だけのスペシャルメニューを各店用意しています。「年に一度のお祭り!」と、採算度外視で自慢のメニューをふるまう粋な計らいは、まさに築地の江戸っ子ならでは。
55店舗全部とはいかないのが残念ですが、毎年『築地はしご酒』を盛り上げている人気店を紹介します。
まずは、鮮魚とワインのマリアージュを堪能できる『魚河岸バル 築地TAMATOMI』。店主の望月貴正さんは、「築地をあまり知らない人にこそ、来てほしい。この日は築地のお祭りです!」と、赤字覚悟のスペシャルメニューを用意中。通常1,950円の「生ウニのブルスケッタ」も、特別に1,500円(税込)でサービス予定だとか。他にも、この日だけしか出逢えない望月さん自慢の料理が登場するそうなので、ぜひお楽しみに!
続いて、築地で愛される美容院『上松』が、2016年から経営を始めた居酒屋『STAND上松』は、築地周辺で働くビジネスマンの隠れ家的な憩いの場。店主を務める沓掛愛さんが作る料理は滋味深くほっこりした味。当日は出身地である北海道のキーマカレーや自慢のおでん3種盛り、黒糖と焼酎でとろとろに煮込んだ豚バラの煮込みなどが登場予定。限定で入手困難なプレミアム芋焼酎・魔王もなんと500円で大サービスする予定だとか!
前出の松本聡一郎さんの蕎麦店『築地 長生庵』は、普段から十四代や田酒などの美味な日本酒を取り揃え、真澄など人気銘柄の日本酒は飲み放題できるとあって、なかなか予約の取れない築地の人気店。当日は十四代などプレミアムな日本酒を破格の値段で提供する予定だそう。日本酒の肴にぴったりの鮪の中トロや赤身、穴子天のきのこあんかけなど、この日だけの特別メニューも見逃せません!
人情に厚い築地は人との距離が近く、初めて訪れる人でも気軽に会話が弾む街。
子ども用にソフトドリンクを用意してある店舗も多く、開始は16時からと早めのスタートなので、家族連れでも楽しめます。ぜひこの機会に、日本が誇る熱い“築地”を満喫してみて!
取材・文/岸綾香
【詳細情報】
イベント名:築地はしご酒
開催日時:2019年11月16日(土)16:00〜21:00
(築地本願寺内の特設ブースで15:30〜18:00までに参加証を引き換えてください)
チケット:前売り券600円(WEB予約)、当日券1,000円
共に参加証+翌日から使える1ドリンクサービス券+築地はしご酒グッズ付き。