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クリーニング代が節約できる!「ライトダウンジャケット」をおうちで洗って、羽毛をふわふわに仕上げるコツ【プロが教える洗濯講座】

この道20年の専門家であるライオンのお洗濯マイスター・大貫和泉さんに、日々の暮らしをラクにする知って得する洗濯のコツを教えてもらう連載企画。

今回は、冬の定番となった薄手の「ライトダウンジャケット」。ふわふわに仕上げる方法を教えてもらったので、おうちで手洗いしてクリーニング代を節約しちゃいましょう!

「ライトダウンジャケット」は、おうち洗いがお得!

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すっかり冬の必需品となった「ライトダウンジャケット」。最近はコートのインナーに着る人も多いので、皮脂よごれなどが気になることがありますよね。

薄手のライトダウンジャケットは、手頃な価格で買えるものが多いので、クリーニングに数回出したら、すぐにもう1枚買える金額に……。

そこで、ぜひ今年はおうち洗いしてみませんか? 自分で洗ってもふわふわに仕上がるので、クリーニング代を節約できちゃいますよ!

(1)洗濯表示を確認して、家庭で洗えるかどうかチェックする。

基本、洗い桶のマークが付いているものは、家庭で洗えます。

洗濯表示の詳しい説明については、こちらの記事を参考にしてください。

→大事な衣類を縮ませない!洗濯機でニットを上手に洗う方法【プロが教える洗濯講座】

(2)汚れが気になる場所には、おしゃれ着用洗剤を付ける。キャップの底で軽く叩いて、浸透させる。

ポケットの入り口、襟、袖、裾など、汚れが気になる部分におしゃれ着用洗剤を塗布します。

(3)ファスナーを閉じ、両袖を交差して畳み、背面を内側にして、身頃を二つ折りにする。このように畳むと、汚れやすい襟、袖、裾が外側になる。

「この畳み方だと、汚れやすい襟、袖、裾が外側になるので、汚れをキレイに落とすことができます」(以下「」内、大貫さん)

(4)ジャストサイズの洗濯ネットにダウンを入れる。

「ライトダウンジャケットなら、洗濯ネットのサイズは約35×50cmがおすすめ。中でダウンがよれたり、動いたりしない、ぴったり入る大きさのものを選んでください。ダウンの中身は水鳥の羽毛なので軽くて浮きやすいため、洗濯ネットに入れた方が洗いやすくなりますよ」

(5)洗濯液の温度は30℃以下に。調べる方法は肘を入れて、熱くも冷たくもない温度が約30℃。水4Lに対しておしゃれ着用洗剤10mlを目安に、洗濯液を作る。

洗濯液の温度は30℃以下に。これは肘を洗濯液に入れるだけで簡単に調べることができます。

「洗濯液に肘を入れて、熱くも冷たくもないと感じたら、だいたい30℃くらいです」

30℃以下のぬるま湯を作ったら、おしゃれ着用洗剤を加えて洗濯液を作ります。分量は、水4Lに対しておしゃれ着用洗剤10mlを目安にしてください。先に塗布した分の洗剤を差し引いて入れましょう。

(6)ダウンを洗濯液に浸けて、押し洗いをする。1つの角を10回押し洗いをしたら、90°回転させる。1周繰り返し、計40回優しく押し洗いをする。最後に10回、中心を押し洗いをする。

洗濯ネットに入れたダウンの四隅を各10回ずつ、最後に中心を10回押し洗いをします。

「例えるなら、洗い桶は小さな洗濯機。ダウンに洗濯液を通すようなイメージで、優しく水の中で押してください。洗濯液を繊維の中までしっかり浸透させましょう。

今回は薄手ですが、厚めのダウンを洗う時に洗い桶に入らない場合は、縦型洗濯機の中に洗濯液を作って、同じように押し洗いをするといいですよ」

(7)ダウンを丸めて、押すようにして絞る。

「この時、雑巾のようにギュッとねじって絞ると生地を傷めてしまいます。ダウンをくるくる丸めて、押すようにしながら水気を絞りましょう」

(8)きれいな水で2回すすぐ。すすぎは、押し洗いと同様に行う。

洗濯液を捨てて、きれいな水に替えます。押し洗いの時と同様に、10〜20回押します。さらにもう1度きれいな水に替えて、すすぎは計2回繰り返してください。

(9)ダウンを丸めて、押すようにして絞る。

すすぎ終わったら、押し洗いをした後と同様に、ダウンを丸めて押すようにしながら水気をよく絞ります。

(10)洗濯機で1分脱水する。

ダウンを洗濯ネットに入れたまま洗濯機に入れ、洗濯機で1分脱水します。あとは干せばOK!

ダウンの中の羽毛をふわふわに仕上げる干し方のコツ

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さらに、羽毛がぺたんこにならず、ふわふわに仕上がる干し方も教えてもらいました。 

 

(1)ダウンの羽毛の偏りをほぐすために、2〜3回ふりさばく。

 

「洗った後は中の羽毛がぺたんとした状態なので、2〜3回力強くふりさばき、ダウンの中の羽毛の偏りをほぐしましょう」

(2)ハンガーにかけて陰干しする。

(3)半日ほど干して表面が乾いてきたら、両手でダウンを挟み、下から上に向かって軽く叩く。叩いて中の羽毛をほぐすと、ふっくら仕上がる。さらに完全に乾くまでしっかり干す。

「水の重みでダウンの下の方に羽毛が溜まっているので、ある程度乾いてきたら、下から上に叩き上げて、中の羽毛をほぐします。このひと手間でふっくら仕上がりますよ! 途中でしまわずに、完全に乾くまでしっかり干してくださいね」

この方法で干したダウンは、ぺたんこになることもなく、洗う前と同じくふわふわに仕上がりました。さらに、袖を通すと洗剤の爽やかないい香りが、ふわっと漂います。やっぱり自分で手洗いすると気持ちいいですね! そして何と言っても、クリーニング代がかからないのもうれしい! 思ったよりも簡単なので、ぜひおうち洗いにチャレンジしてみてくださいね。

次回は、春先の衣類の洗濯のコツをご紹介します。

【取材協力】

大貫和泉

約20年、洗濯用洗剤などの製品開発、調査に携わり、そこで得た豊富な経験や知識を生かし、ライオン株式会社のお洗濯マイスターとして各メディアなどで活躍。主婦や母親の立場から、女性ならではの目線で日々の洗濯に役立つ情報を伝えている。

 

取材・文/岸綾香

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