縮ませたくない大切なニットをおうちで手洗いする方法
nullニットの「手洗い」をおすすめするのは、たとえば、すごく大切なニットで洗濯機で洗うのが不安、ビジューやレースなどの飾りが付いている、汚れが特に気になる、洗濯機の弱水流コースで1枚だけ洗うのは水道代も電気代ももったいないので節約したい時など。
手洗いだと、本当に大事な衣類を自分で優しく洗える安心感があります。でも、洗濯機にお任せで、手洗いの方法を詳しく知らない人も多いと思いますので、動画を見ながらマスターしましょう!
(1)洗濯表示を確認して、家庭で洗えるかどうかチェックする。
基本、洗い桶のマークが付いているものは、家庭で洗えます。
洗濯表示の詳しい説明については、こちらの記事も参考にしてください。
(2)汚れが気になる場所には、おしゃれ着用洗剤を付け、キャップの底で軽く叩いて、浸透させる。
襟、袖など、特に汚れが気になる部分には、おしゃれ着用洗剤の原液をそのまま塗布します。キャップの底でトントン叩くと、繊維の奥まで洗剤液が浸透します。
(3)汚れやすい襟、袖、裾が表になるように畳む。
ニットを縦半分に折って、袖を反対側に折り、身頃を上に向かって畳みます。さらにその上に袖を折り返したら完成です。この畳み方だと、汚れやすい襟、袖、裾が表に出るので、きれいに洗うことができます。
(4)洗濯液の温度は30℃以下に。調べる方法は肘を入れて、熱くも冷たくもない温度が約30℃。水4Lに対しておしゃれ着用洗剤10mlを目安に、洗濯液を作る。
洗濯液の温度は30℃以下に。これは肘を洗濯液に入れるだけで簡単に調べることができるんです。
「洗濯液に肘を入れて、熱くも冷たくもないと感じたら、だいたい30℃くらいです」(以下「」内、大貫さん)
30℃以下のぬるま湯を作ったら、おしゃれ着用洗剤を加えて洗濯液を作ります。分量は、水4Lに対しておしゃれ着用洗剤10mlが目安です。
(5)ニットを洗濯液に浸けて、押し洗いをする。1つの角を10回押し洗いをしたら、90°回転させる。1周繰り返し、計40回優しく押し洗いをする。最後に10回、中心を押し洗いをする。
畳んだニットを十字に4分割して、その四隅を10回ずつ、最後に中心を10回押し洗いをします。
「例えるなら、洗い桶は小さな洗濯機。ニットの繊維に洗濯液を通すようなイメージで、優しく水の中で押してください。これで洗濯液を繊維の中までしっかり浸透させることができます。初めての人は洗濯ネットに入れると洗いやすいですよ」
(6)袖口など汚れが気になる部分は、つかみ洗いをする。
汚れが気になる袖口などは、生地をつかんで握って開いて、グーパーするのを繰り返す「つかみ洗い」をしてください。
(7)ニットを丸めて、押すようにして絞る。
洗い終わったら、すすぐ前に一度水気を絞ります。
「ニットを絞る時は、雑巾を絞るようにギュッとねじらないこと。そのように絞ると、繊維が毛羽立って傷んでしまいます。ニットは丸めて、押しながら水気を絞りましょう。例えるなら、ゆでたほうれん草を優しく絞って水気を切るようなイメージです」
(8)きれいな水で2回すすぐ。
洗濯液を捨てて、きれいな水に替えます。押し洗いの時と同様に、四隅を10回ずつ計40回、最後に中央を10回、押し洗いをしてよくすすぎます。もう1度きれいな水に替えて、すすぎは計2回繰り返してください。
(9)ニットを丸めて、押すようにして絞る。
すすぎ終わったら、押し洗いをした後と同様に、ニットを丸めて押すようにしながら水気をよく絞ります。
(9)バスタオルの上にニットを置き、畳んで脱水し、タオルにしっかり水を吸わせる。
厚めのバスタオルの上にニットを置いて、そのまま畳んで、上から体重をかけてバスタオルに水をしっかり吸わせます。
「脱水だけ洗濯機を使ってもOKです。その場合、約1分を目安に脱水してくださいね」
(10)洗い上がったら、ニットを叩いてしわを伸ばす。
洗い上がったら、ニットを叩いてしわを伸ばし、形や繊維を整えてから、干せば洗濯終了!
ニットを伸ばさない3つの干し方
nullまた、ニットの伸びない干し方も一緒に教えてもらいました。せっかく上手に洗えたので、干す時も生地を伸ばさないように気をつけてくださいね。
テク1:ハンガーの下部分に身頃をかけ、肩部分に袖をかける。
この方法だと、ハンガーでも肩が伸びたりすることなく、きれいに干すことができます。
テク2:ネットに置いて、平干しする。
ネットを吊るして、その上に平らに置いて干します。平干しネットは100円ショップなどで購入できますよ。
テク3:物干し竿にかけて干す。
物干し竿に干す場合は、物干し竿に身頃をかけてから、袖をかけます。この方法もきれいに干せるのでお試しあれ。
以上、ニットの手洗いの方法でした。コツさえ覚えれば、おうちでも失敗なく洗えるので、大事な衣類はぜひおうちで手洗いしてみてください。
次回は、大掃除真っ只中、子どもたちの「ぬいぐるみ」をキレイに洗う方法を紹介します!
【取材協力】
大貫和泉
約20年、洗濯用洗剤などの製品開発、調査に携わり、そこで得た豊富な経験や知識を生かし、ライオン株式会社のお洗濯マイスターとして各メディアなどで活躍。主婦や母親の立場から、女性ならではの目線で日々の洗濯に役立つ情報を伝えている。
取材・文/岸綾香