フライパンでゆでると、茎も葉も絶妙なゆで加減に!
nullほうれん草って上手にゆでるのが難しい……ぐしゃっと水っぽくならないようおいしくナムルを作りたい。そんな悩みを解決する方法を沼津さんが伝授してくれました。
「ほうれん草をみなさん大きなお鍋でゆでていますか? 実は、簡単においしくゆでるなら、深めのフライパンが正解。フライパンでゆでると硬い茎の部分と軟らかい葉の部分を、それぞれちょうどいいゆで加減に仕上げることができるんです。こうやって作ると、ほうれん草がシャキッとしておいしいナムルになりますよ」(以下「」内、沼津さん)
いつもなんとなくゆでているほうれん草……フライパンでおいしくゆでる方法、ぜひ知りたいです!
【材料】(作りやすい分量)
ほうれん草・・・1把(200g)
ごま油・・・大さじ1
白いりごま・・・大さじ1
しょうゆ・・・小さじ1
【用意するもの】
ポリ袋・・・1枚
【作り方】
(1)ほうれん草の土を洗い流す
ほうれん草は根元を縦半分に切り、手で半分に裂き、隙間に入った土を流水で丁寧に洗い流します。
「ピンク色の根元は栄養満点で、甘味があっておいしい。この部分もぜひ食べてくださいね。まず、隙間に入った土をきれいに洗ってからゆでましょう。根元は十字に切る方法もありますが、半分に切った方が中までよく洗えますよ」
(2)フライパンでほうれん草をゆでる
フライパンに1Lの水を入れて火にかけ、沸騰したら塩小さじ1を入れます。
沸騰したら、先にほうれん草の根元だけ入れ、30秒ゆでます。この時、火はあまり弱めず、沸騰した状態をキープしてください。30秒経ったら、滑らせるようにして葉の部分も全て入れ、さらに30秒ゆでます。
「大きい鍋だと難しいのですが、フライパンだと、根元と葉を時間差で入れてゆでることができます。この時、ほうれん草を寝かせて滑らせるように入れるのがポイント。これで茎も葉も軟らかくなりすぎず、ちょうどいいゆで加減になりますよ!」
(3)すぐに流水で冷やす
ゆであがったら、すぐに冷水に浸し、流水で急速に冷やします。
「すぐに冷やすことでより甘味が増して、余熱で火が入り過ぎることも防げます」
(4)水気を絞ってから切る
ほうれん草が冷めたら根元をまとめて持ち、水からあげて、水気をよく絞ります。根元の先を薄く切って取り除いてから、食べやすい大きさに切りましょう。
(5)さらに水気をよく絞る
さらに再度、水気をギュッとしっかり絞ってからポリ袋に入れます。
「絞った時に出てくる茶色の水はアクなので、しっかり絞り切るのがポイント。水気をきちんと絞らないと味がぼやけてしまい、水っぽくなるので日持ちもしなくなってしまいます。アクが残っていると食べた時にザラつきますが、アクがきれいに抜けていると甘味が強くなり、ますますおいしくなりますよ」
(6)ごま油でコーティングする
「ごま油を先に入れるのが最大のポイント!」と沼津さん。ごま油でほうれん草をコーティングすることで、さらに水分が出にくくなるそう。
「他の調味料を先に入れず、必ずごま油から入れること。入れたら葉の部分をほぐすようにして、全体にごま油をなじませてください」
(7)白いりごま、しょうゆを入れる
白いりごまとしょうゆを入れ、全体によくなじませます。白いりごまはすりごまでもOK。全体がなじんだら空気を抜き、ポリ袋の口を結びます。
「これがほうれん草のナムルの黄金比。今回は分量がすべて“1”なので覚えやすいですよ。好みでにんにくや砂糖を加えても◎」
(8)冷蔵室で30分以上置いたら、できあがり!
冷蔵室で30分以上置いたらできあがり。保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。
ひと口食べると、ほうれん草のゆで加減が絶妙! 葉がしんなりしすぎず、程よいシャキッと感があって、全然グシャッとしていません。ピンク色の茎の部分も甘くて美味。ごま油でコーティングされているのと、水気をしっかり絞っているので、余分な水分が出ることもなく濃厚な味のまま。シンプルなナムルだからこそ、ほうれん草本来のピュアな旨味を存分に感じます。
「水分が出にくいので、のり巻きやキンパの具材にもおすすめ。にんじんやもやしを加えて、ビビンパの具材にしてもいいですね。春雨と混ぜればボリュームのある副菜に。水っぽくならないのでお弁当にも入れられます」
ほうれん草ってこんなにおいしかったんだ……と思わず感動してしまい、すぐに自宅でフライパンでゆでてみたところ、鍋よりお湯を沸かす時間も早いし、茎→葉の順でスルッと滑らせて入れられてとっても簡単。1回で失敗なくできました。もうこれからは、ほうれん草をゆでるのはフライパン一択です!
次回は、「新じゃが」を使ったちょこっと漬けを紹介します。
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)、『食品保存大全』(主婦の友社)など多数。Instagram@rienumadu
取材・文/岸綾香