「焼きそば麺」で作る本格カルボナーラの作り方
nullカルボナーラは、ベーコンを炒めて麺と卵液を和えるだけで完成する、パスタの中でも比較的スピーディに調理できるメニューではありますが、それでも大量の湯を沸かしてパスタをゆでる手間を考えると、やや面倒に感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
でも、パスタの替わりに「焼きそば麺」を使えば、そんなわずらわしさを解決! 食べたい時にすぐカルボナーラを作れちゃうんです。「焼きそば用の中華麺でパスタのようにおいしく作れるの?」と思った方、実はこれが全然問題なし! 逆にソースが麺によく絡んで、新感覚のおいしさ。早速、作り方を見ていきましょう。
【材料】(1人分)
焼きそば用の麺・・・1玉
オリーブオイル・・・大さじ1
ベーコン・・・2枚
にんにく・・・1/2片
粗挽き黒こしょう・・・適量
[卵液]
卵・・・1個
粉チーズ・・・大さじ2
レモンの皮・・・少量
レモン汁・・・大さじ1
※麺は市販の焼きそば用のものを使います。
【作り方】
(1)最初に卵液を作っておく。器に卵を割り、粉チーズ、すりおろしたレモンの皮を加える。レモンは半分に切って搾り、レモン汁を加えてよく混ぜ合わせる。
卵液に使う材料は、卵、粉チーズ、レモンの3つだけ。今回は、生クリームも牛乳も使わずに作るので、カロリーが気になる人にも嬉しいレシピ。
「粉チーズをパルミジャーノなど本格的なチーズに替えると、香りと旨味がグレードアップ。
レモンは皮をよく洗って、おろし金やピーラーで表面を擦りおろして加えます。レモンの風味は皮にあるので、果汁だけでなく皮も加えるのがポイント。皮をおろした後は半分に切って、スプーンなどで果肉を押しながら果汁をたっぷり搾ってください」(以下「」内、スヌ子さん)
(2)麺を600Wの電子レンジで約30秒加熱する。このひと手間で、麺がほぐしやすくなる。
「やきそば麺は、そのままを炒めるとブチブチと切れやすいので、最初に600Wの電子レンジで約30秒加熱します。麺は袋のままレンジに入れて大丈夫。このひと手間で麺がグッとほぐれやすくなりますよ」
(3)フライパンにオリーブオイルを入れる。にんにくは潰して、皮と芽を取り除いて加える。ベーコンはハサミで短冊に切って入れる。
「にんにくの芽は刺激が強いので、芽がある場合は取り除いておきましょう。にんにくは細かく切るほど香りが立つので、今回は潰して使います。潰す方が簡単なうえ、みじん切りほどニオイも気になりませんよ」
(4)弱めの中火にかけ、ベーコンの旨味とにんにくの香りをじっくりとオイルに移す。
「ずっと強火だとにんにくの香りが立つ前に焦げてしまうので、弱めの中火でじわじわとオイルに香りを移していきます。ベーコンがこんがりするまでじっくり炒めましょう」
(5)中火にして、温めた麺を入れる。麺を薄く広げて、ムラなくよく混ぜる。
「麺がしっかり加熱されていないと、この後に入れる卵液がいい感じに固まらないので、麺を薄く広げて優しく混ぜながら、ここでしっかりムラなく焼きましょう」
(6)火を止めて、よく混ぜ合わせた卵液を麺にかけ、全体を手早く混ぜ合わせる。余熱で火を通すが、卵が生っぽい場合はさらに弱火にかける。
(7)器に盛り、粗挽き黒こしょうをたっぷりかけたら、できあがり!
どんな味かワクワクしながら、ひと口食べてみると……うん!これは、まさに本格的なカルボナーラの味! 味付けはベーコンと粉チーズの塩気だけなのであっさりとしつこくなく、レモンの酸味と皮の風味が絶妙に利いていて、キリッと爽やかに味を引き締めているので、思ったよりもさっぱり。
そして何より便利なのが、焼きそば麺なら、麺をゆでる手間がいらないこと。パスタよりも細麺で、縮れた麺に卵液がしっかり絡んで、これはまさに新感覚。
「粗挽き黒こしょうをたっぷりかけると、より本格的に。レモンが利いているので最後まで飽きずに食べられ、白ワインやシャンパン、ハイボールなどのお酒とも合わせたくなりますね。自分でも、焼きそば麺とカルボナーラがこんなにもマッチするとはびっくり。我が家の娘たちにも大好評でした!」
カルボナーラになっても違和感なく、むしろいつも以上においしい! まさに、焼きそばの懐の深さを改めて実感した一皿でした。
次回は、年明けのおせち料理に飽きた時に食べたい、カット野菜とシーフードミックスで手軽に作れる「酸辣あんかけ焼きそば」をご紹介します。
【取材協力】
稲葉ゆきえ
料理家。スヌーピーが大好きで、自身の顔も似ているため、「スヌ子さん」の愛称で親しまれる。雑誌編集者時代、育児休暇中に始めた料理ブログで独創的なアイディアレシピを紹介して人気に。2009年に自宅で料理教室をスタートし、翌年には東京都・日本橋に『ギャラリーキッチンKIWI』を開設。2011年に16年勤めた出版社を退社し、料理家として独立。現在、料理教室はいつも満席で、2児の母として、雑誌編集者、ワーキングマザーの視点を生かした新しいおうちごはんのあり方を提案する。著書に『酔いどれスヌ子の麗しごはん 賢い手抜きで「センスがいいね」とほめられる111皿』(小学館刊)など。
取材・文/岸綾香